第36回 「宿命の女」 9月9日放送

 晴信(市川亀治郎)の新しい側室・於琴姫(紺野まひる)を由布姫(柴本幸)のために斬るつもりで勘助(内野聖陽)は姫の住まう積翠寺を密かに訪れた。しかし、その天真爛漫な美しさを前に殺意は薄れ、由布の子・四郎の立場を尊重するように釘をさすことしかできなかった。
 一方、今川義元(谷原章介)に嫁いでいた晴信の姉が世を去ったことで武田と今川は同盟を維持するため新たな縁を結ぶこととなった。勘助はこれまでとは逆に、今川家の娘を晴信の嫡男・太郎の嫁に迎えるよう進言する。
 年が明けた天文21年の正月、武田家を揺るがす大事件が起きた。重臣・小山田(田辺誠一)が側室・美瑠姫(真木よう子)に刺殺されたのだ。美瑠は武田に滅ぼされた笠原清繁の正室であったが、小山田が貰い受けて側室としていた。美瑠が自害もせずに側室に甘んじていたのは、お腹に笠原の子を宿していたからだった。しかし、小山田の子と偽り育ててきた息子を病いで失い、生きる希望を失った美瑠は自分から全てを奪った武田への復讐心を甦らせ、小山田を殺し自らの命も絶った。
 美瑠の境遇は由布姫と重なり合う点も多く、勘助は小山田に共感していた。勘助の受けた衝撃は大きかった。