傍聴してきた。まず日経新聞の記事で気になっていただろう人も多い機器認証に関して。機器認証は話題にすら上りませんでした。技術ワーキンググループで検討されてる制度的エンフォースメント (こーゆー政治的用語って実態が判りづらいからやだよね) の検討状況についての報告が主な議題だったようなのだけど、まだワーキンググループ内部でも詰め切れてないらしくアレも検討中、コレも検討中、ソレも検討中との報告。まさか今更エンフォースメントを行うことの経済的効果云々を話し合ってる段階だとは思いませんでしたよ。
で、技術的エンフォースメントのおさらいとアメリカのブロードキャストフラグに関するおさらいがあったあとで、影の主役と思われる某 USB チューナについての報告が行われましたとさ。非常に表現に気をつかって発言してるのがうかがえるものっすごく遠まわしな表現でどーいったものなのか報告していたのだけど……どんな説明だったか書いとくか。
なんつーか、B-CAS がザルだということを極力言わずに済ませながら問題点を伝えようと苦慮してるのが判ってしまう表現だったりするので聞いてて笑い声をこらえるのが大変だった。
で報告事項が済んだら議論に入るわけだけど、まー話題は最後に報告されたものに集中するわな。口火を切ったのは河村さん。やりとりが面白かったので、ここは紹介せねばなるまい。
河村委員: 最後の報告に関して、大変衝撃的内容だったわけなのですが、現在のコピーワンスですか、スクランブルになるのですか、詳しくは判りませんが、これは簡単にやぶられてしまうものだったのでしょうか?
回答者失念: 暗号は破られていない。正規の手段でスクランブルを解除している。
いやー回答者を尊敬してしまう。なかなかこう言い切ることのできる逸材は少ない。本当に尊敬してしまう。
まー当然ながら、何千万枚とカードを発行して、こんなザルにいくらつぎ込んだのだ、そのコストはどーなるんだ、これからまたエンフォースメント強化でさらに金をかけるのか、誰がそのコスト負担するんだという話の流れになってしまうわなぁ。
でこれを受けての各立場の方々の発言。最初は椎名さんから。
次に堀さん。
次に長谷川さん。
最後メーカ側担当者 (発言者名失念)
なんつーか制度的エンフォースメントって結局「補償金」のことなのかなーと邪推してしまったりもする。権利者としては一銭の得にもならない無料放送スクランブルを犠牲にすることで、崩壊が迫ってる補償金制度を復活させるつもりなのかしらんというのが基本的な感想。
あと、無料放送を暗号化している世界で唯一の国という (梯子を登ったけど、誰もついてきてくれない) 孤高の存在でありつづけるのはそれなりに不安なのかなーとゆー感想ももった。だって「本質的にはそもそもなんでこんなことをやってるんだという疑問があがっている」とかゆー発言がこーゆー席で主査だったか主査代理だったかの口から出てくるくらいなんだもの。
とりあえず次回は 1 月 29 日らしいから、忘れずに傍聴希望申し込むようにしないとな。
肝心なことを忘れていた。河村さんの「使った人は捕まるのですか?」という質問に対しての回答が「B-CAS カードの所有権は Dpa 側にあるので、不正使用ということでカードを没収できる……そもそも不正使用してるかどうか調べる方法はないですが」とのこと。
タイーホ云々で騒いでる人もいるみたいだけど、現実はこんなものらしい。
こーゆーメールが届いたということは、傍聴希望申請は受理されたってことだよな。(公開ページ [URI] に載ってる情報なんで隠す意味があるのか微妙だけど、一応個人名は伏せ字で置き換え)
総務省デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(第30回) 傍聴希望の方へ 総務省情報通信政策局コンテンツ振興課の○×です。 いつもお世話になっております。 下記のとおり第30回デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 を開催いたしますので改めてご案内申し上げます。 ※なお、当初HP掲載した際より、会議時間を変更しておりますので、 ご留意ください。 ■記 〔開催案内〕 【第30回会合】 日:12月27日(木) 時:15:00〜16:30 於:総務省 8F 第1特別会議室 以上宜しくお願い申し上げます。
とゆーわけで、有給も余ってることだし明日は午後半休とって総務省まで陰険漫才を聞きに行く。聞けた話はこのページで報告する予定。
継続して回していた key[n+1] = multi2_encrypt('00 00 01 e0 00 00 84 80', key[n]) の結果がある程度たまってきたので傾向を眺めてみた。
ノード | 上流ノード数 | 割合 |
00 00 00 03 1f 25 44 0e | 786 | 12.9% |
00 00 00 02 5a 73 97 30 | 660 | 10.8% |
00 00 00 03 b7 3f a5 2f | 575 | 9.4% |
00 00 00 03 c2 56 37 60 | 213 | 3.5% |
00 00 00 03 0b b8 28 ce | 190 | 3.1% |
00 00 00 01 fc e1 0b 72 | 162 | 2.7% |
00 00 00 03 4c 7b f6 12 | 160 | 2.6% |
00 00 00 02 32 81 5e aa | 108 | 1.8% |
00 00 00 02 e7 bf a6 1a | 96 | 1.6% |
00 00 00 03 b0 07 0c 98 | 93 | 1.5% |
その他 | 3056 | 50.1% |
総計 | 6099 | 100.0% |
実に上位 3 ノードに 30% が集中し、上位 10 ノードに 50% が集中してしまっている。常識的に考えれば試行数を増やしてみてもこの辺の比率は変わらないのだろうと予想できる。
1 ノード 1 ファイルで格納する場合にオーバーヘッドを気にしなくても済みそうというのはありがたいことではあるのだけど、鍵推定時の平均計算量が増える (例えば暗号文から開始して 00 00 00 03 1f 25 44 e0 に到達したら、最悪 2^34 個のノードの内 13% を始点候補として評価しなければいけなくなる) のはまったくもって嬉しくない。
さらに、これだけ特定ノードへの集中があるということは、multi2_encrypt('00 00 01 e0 00 00 84 80', key[n]) では絶対に発生しない暗号文パターンというものもかなり高い比率で存在するということになり、この手法での完全解読成功率が低下するという意味にもなる。
なんつーか特定ノード集中の原因がバグであって欲しいと願いたい気分だったりするのだけど、今のとこ怪しげなポイントは見つかってないんだよなぁ。コレ (衝突の多さ) が MULTI2 のアルゴリズム的な弱点だったりしてくれると嬉しいのだけど、そんな期待はしない方がいいだろうし。あー、一応実際に何処で衝突が発生してるか調べておくか。
何かヤバイものを食べたせいか、先週木曜から体調を崩してしまい、この連休はベットで大量に布団を被って毒抜きをしていた。何やら日経新聞で観測気球が上がってるようだけど、空気を読まずに、布団の中で読んでた本の感想を。
「文学少女」シリーズの最新刊。お気に入りのシリーズなので購入。読了。そのまま余勢をかってシリーズ既刊全部再読とかもしてしまった。感想。「手の甲の歯型」はエロいです。(A+)
傍点まで打ってもらってるのに「喉の痣」に二回目読むまで気がつかなかったあたり読解力が落ちてるな〜最近軽い本しか読んでないせいかもとか感じてしまった。構成に気を配って、ある程度考えれば判るように伏線を散りばめ、それでいてすべてを語らずに読者を正解に導いてくれるところが気に入った。シリーズ最終巻になるだろう次巻の発売が待ち遠しい。
案 1。ファイルシステム (ディレクトリツリー) をそのままデータベースとして採用。MSB から 2 バイト刻みで 3 段階のディレクトリを掘り、最終段をファイルにしてノード情報を格納する。
この方法のメリットはプログラムの構造がシンプルになること。欠点は 1 ノード 1 ファイルを採用することによってオーバーヘッドが増加すること。ファイルアロケーションユニットサイズが 512 byte の場合、1 エントリーしか格納されないノードでの無駄が大きくなりすぎる。また、ディレクトリが消費するディスク領域も馬鹿にならない。
案 2。DB を採用してテーブルはそちらに格納する。
問題点。私が DB に詳しくないので、正当な評価を下すことができない。そもそもフリーな DB に 2^34 個のエントリーを放り込んで普通に動くほどのスケーラビリティはあるのだろうか。
堅実志向な保守的人間なので、案 1 のファイルシステムそのまま採用する方針に傾きつつある。うーん他に方法が思い浮かばなかったからという消極的な理由で設計方針選ぶと後で大抵後悔することになるんだよなぁ。
「NG 恋」をオートモードで流してケラケラと笑いながら、軽く key[n+1] = multi2_encrypt('00 00 01 e0 00 00 84 80', key[n]) を回してどーなるかを眺めてみた。以下がその結果。
まず、予想していたよりも鍵の衝突 (同じ暗号文をもたらす鍵の数) が多い。もっとループが長かったり、ノードへの集中は少ないものと期待していたのだけど、短いループが多いうえ、特定のノードにかなり集中している。
うーむ。56 ビット鍵の C2 の時と違って 64 -> 56 の丸めがない分もっと衝突は少なくなるだろうと予想してたのに、アテが外れてしまった。バースディパラドックスから考えれば当然なのかもしれないけど。
そして MSB 側 30 bit がすべて 0 となるものを含まない孤立ループも存在する。うーむ単一ファイルで LSB 34 bit * 32 のフラットなテーブルが使えれば楽ができたんだけどなー。あーテーブルの構造をもちっと考えなきゃだめか。
痛ましい事件だと思う。なによりも、まともな精神科で診察してもらって、リスパダールとかを処方してもらい、正しく服用していれば発生しなかっただろう事件だというところに救いがない。読売オンラインの「『何しでかすか…』母親にも以前から不安…馬込容疑者」という記事 [URI] からそう思う。
夜中に「トイレを貸して下さい」と頼みに来ることもあったほか、馬込容疑者の母親から、「『盗聴器をつけられている』と息子が言っている」などと聞かされたこともあった。
私がそう判断した個所は上の引用部分。特に『盗聴器をつけられている』のあたりとか典型的な統合失調症の症状のように見える。(注: 私は DSM-IV を読んだことがあるだけの素人)
勝手な推測になるけど、たぶん精神科に相談とかもしてないんだろうなぁ。この国じゃ精神疾患に対する偏見が強いから。おまけにこの事件でさらに偏見も強くなるだろうし。
ただドーパミンが過剰に出てるせいで考えすぎるようになってしまい、疑い深くなって人を信用するのが難しくなるだけの病気なのに。胃酸過多で胃壁が痛んでるときに中和剤を飲むように、ドーパミンが過剰だからセロトニン・ドーパミン拮抗薬を飲むだけと考えるわけにはいかないのかな。
定期購読はしていない。最新号 1 部注文で金曜のうちに購入手続きはしたのだけど、到着を待ち切れず、日経エレクトロニクスを購入している図書館を探して読みにいってしまった。(さいたま市立中央図書館で閲覧した)
とりあえず先頭記事だったところにびっくり。で、私に関しては「11 月下旬に『ARIB STD-B25 仕様確認テストプログラム』と称するソースコードを匿名の個人が公開した」(雑誌最新号は図書館では自主規制で複製させてくれないので、記憶を頼りに書いている。細かな文言は異なるかも) との記述。うーん匿名で行動しているつもりはなかったのだが個人名を許諾なしに出すのはまずかろうと配慮してくれたのかなぁ。
放送局側関係者すら B-CAS 強化に後ろ向きな中、一人対処を求める椎名さんには同情を禁じ得ない。が、一般消費者としては利害が対立しているのでその意見に同意できない。
結局、私たちは各人がポジショントークで自分の利益が最大になるように洗脳合戦繰り広げて、多数派を確保した方が勝利をおさめる近代民主国家に暮らしてるわけだ。消費者としては「国民に不利益をもたらすので『無料放送は暗号化をしてはならない』という条文を放送法に追加すべきだ」と堂々と主張しても許されると思うのだけど……なんで皆黙ってるのだろうね。だって消費者の方が多数派なんだからよっぽど下手うたない限り勝てるはずじゃん。官僚の方々が大好きな諸外国との比較 (現在無料放送を暗号化してるのは世界で日本だけ) とかもちだしてもいいんだし。