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監督:源孝志 出演:豊川悦司 田口トモロヲ 原田知世 吉川晃司 寺島しのぶ 井川遥 阿部力 本郷奏多 香椎由宇 田畑智子 淡島千景 宇津井健 公開時コピー 光が消える。 あなたを感じる。 「アキハバラ@DEEP」の源孝志監督による、一夜の人間模様を描いたヒューマンドラマ。 出演は「サウスバウンド」の豊川悦司、「あしたの私のつくり方」の田口トモロヲ、「となり町戦争」の原田知世、「レディ・ジョーカー」の吉川晃司、「愛の流刑地」の寺島しのぶ、「大奥」の井川遥、「ラフ ROUGH」の阿部力、「HINOKIO ヒノキオ」の本郷奏多、「パビリオン山椒魚」の香椎由宇、「隠し剣 鬼の爪」の田畑智子、「シベリア超特急5」の淡島千景、「マリと子犬の物語」の宇津井健など。 <あらすじ> クリスマス・イブの東京。夜が始まった頃、天体観測をしていた少年・翔太(本郷奏多)は病院の屋上で柵を越えている女性・麻衣子(香椎由宇)を見つける。 佐伯遼太郎(田口トモロヲ)は父親の病室で、自分の出生についての秘密を聞かされ驚く。 会社の上司と不倫をしている草野美寿々(井川遙)は、留守番電話にメッセージを残していた。小さな路地裏でバーをしている木戸晋一(豊川悦司)は、かつての恋人に電話をして待ち続けていた。それを向かいのロウソク店の叶のぞみ(田畑智子)は憧れの眼差しで見つめている。 主婦の静江(原田知世)は自分の中にある想いに悩み続けていた。 ホテルのベルボーイ・李冬冬(阿部力)は上海に帰る間近まで仕事に明け暮れていた。 孫達と会うためにプレゼントを用意している国東義一(宇津井健)と小夜子(淡路千景)夫婦。 ヤクザから足を洗った大鳥銀次(吉川晃司)は、かつての恋人で結婚している杉田礼子(寺島しのぶ)の家の前までやってくるが、彼女は走って逃げる。 それを追った銀次、しかし地下鉄の改札口で礼子は産気づいてしまう。病院まで地下鉄とひと駅と聞き、彼女を抱えて電車に乗った銀次。 それぞれの想いが動き出したその瞬間、東京は大停電に見舞われるのだった。 <作品解説> 12人の男女が過去、現在の想いに悩み交錯していく物語です。 邦画にはあまり見られないスタイルの作品ですが、個々のキャラクターをうまく活かした演出がなされています。 本作の中では、よくあるパターンとしてそれぞれの何の関連性もないと思われる人物が直接的、あるいは間接的に交差していきます(イニャリトゥ監督の「バベル」のような感じ)。 その中にあって、唯一関わりがなく全く違う展開をするのが天体マニアの翔太と入院している麻衣子。この2人は他のキャラクターに関わらないのに、なぜ必要なのか…それは、この2人は他のキャラクター達に相反している存在であり、ちょうど裏表の関係になります。 つまりメタファーとしての存在ですね。 本作はいわゆる大作とは言い難いのですが、サントラにジャズを持ってくるあたりがうまい。これがいわゆる有名歌手の曲などが入ったら、単なるテレビスペシャルどまりの凡作に成り下がってしまうのですが、大停電、クリスマス、ジャズ、ロウソクを揃えることで全体を柔らかくしているんですね。ただ、個々のキャラクターに絞りすぎて、停電シーンが主に屋内になってしまって、街全体が消えていくシーンが大枠でしかなかったのは残念なところ。 シナリオに多少の甘さはあるものの、繋がりを意識した良作といえます。 <見どころ> 大停電になっていく東京のシーンは見事です。 また、ロウソクの灯りを基調にした撮影技術はなかなかです。 <出演者> キャスティングですがほとんどが地に足が着いた演技で落ち着きます。 意外だったのが田口トモロヲ。 カメレオン俳優のこの人がまともに素顔晒している時点で驚きです(笑) 井川遙はもう少し傲慢な感じでも良かったかも知れません。 田畑智子はあんまり見なくなった女優ですが、一番キャラが立っていました。 <総評> 「ラブ・アクチュアリー」と似ていると言われていますが、そちらは未見なのでなんとも言えません。ただ、邦画にはあまり見られないスタイルであること、裏を押えた展開は良いかな、と。 もう少し大きな展開があれば言うことはなかったですが…。 停電のネタにあわせて、灯りを消して見ることをオススメします。 よろしければクリックお願いします。 監督:アンディ・ウォシャウスキー ラリー・ウォシャウスキー 出演:キアヌ・リーヴス ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス ヒューゴ・ウィーヴィング グロリア・フォスター ジョー・パントリアーノ マーカス・チョン 受賞:アカデミー賞/視覚効果賞・音響効果賞・音響賞他(1999) 英国アカデミー賞/音響賞・特殊視覚効果賞 他(1999) 公開時コピー なぜ 気づかない 現在のアクション映画に多大な影響を及ぼした大ヒット作品。 後に続編2作と短編オムニバスとしてアニメ版が製作された。 監督は「バウンド」のアンディ、ラリー・ウォシャウスキー兄弟。 出演は「イルマーレ」(2006)のキアヌ・リーヴス、「アサルト13 要塞警察」のローレンス・フィッシュバーン、「メメント」のキャリー=アン・モス、「Vフォー・ヴェンデッタ」のヒューゴ・ウィーヴィングなど。 <あらすじ> ニューヨークでプログラマーとして働くトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーヴス)は、コンピューターの世界では凄腕のハッカー・ネオとしての顔があった。 ある日、ディスプレイに現れたメッセージから、トリニティ(キャリー=アン・モス)と名乗る美女と出会う。彼女に導かれるままにモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)という男と会ったネオは現実の世界が実は「コンピューターで作られた仮想世界」であることを告げられる。 真実を目の当たりにしたネオはモーフィアス達に、コンピューター世界から人間を解き放つ救世主だと言われ、仲間に迎えられる。 コンピューターの手先であるエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)との戦いに備え、ネオはモーフィアスから戦いの術を学んでいくのだった。 <作品解説> 改めてみると3部作のうち、この1作目はやはり傑作といえます。 兄弟監督が参考にしたのは押井守監督の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」であることはあまりにも有名ですが、それ以上に香港映画の十八番であるワイヤーアクションとカンフーをハリウッド映画に本格的に取り込んで消化したという点において、見事という他ないでしょう。 さて、本作はコンピューター世界の中で人知を越えた戦いが展開するわけですが、計算しつくされた動きは圧巻。 されどこのアクションは「計算しつくされている」が故に、香港映画に見られるような良い意味での雑さが全くない。映像としてはすごいんだけど、ライブ感に欠けます。 アクションシーンは体を徹底的に絞り込んだキアヌ・リーヴスと妖艶な雰囲気を醸し出すキャリー=アン・モスなど、出演者達が自らアクションをこなしているのは香港的ですね。 CGの使い方を映像全体としながらも、アクションの効果として際だつ形で見せているのは当時としては画期的でした。 現在のアクション映画の黎明期を担った作品です。 <見どころ> 格闘シーンはもちろんのこと、銃撃戦でコンクリートが弾け飛ぶシーンはかなりの迫力(このシーンは「攻殻機動隊」のクライマックスシーンから練り出された)。 <出演者> 「スピード」の頃のキアヌ・リーヴスはいかにもアクションスターといったイメージだったんですが、本作はアクションメインとは言えないような雰囲気を醸し出しています。 ローレンス・フィッシュバーンは本作でブレイク、今や中堅俳優として活躍していますが、キャリー=アン・モスは本作以降目立った作品がないのは残念。 ヒューゴ・ウィーヴィングは「Vフォー・ヴェンデッタ」で延々とマスクを被り続けてました。 <総評> 続編2作はイマイチな出来でした(アクションは悪くなかったけれど)。 今では当たり前になってしまったワイヤーアクションとCGの組み合わせに目を付けたのは、まさしく融合と言うほかないのですが、これによって香港のアクション監督が流れてしまったのは勿体ない。 続編があるから見てしまうけれど、正直なところ本作だけで十分完結しているでしょう。 <関連作品> マトリックス (1作目) マトリックス リローデッド (2作目) マトリックス レボリューションズ (3作目) アニマトリックス (番外編・オムニバス) よろしければクリックお願いします。 監督:チャン・イーモウ 出演:チャン・ツィイー チョン・ハオ スン・ホンレイ チャオ・ユエリン 受賞:ベルリン国際映画祭/審査員特別賞(2000) 「HERO」のチャン・イーモウ監督によるロングランを記録したラブストーリー。 出演は「LOVERS」のチャン・ツィイー、「セブンソード」のスン・ホンレイなど。 <あらすじ> 都会に働きに出ているユーシェン(スン・ホンレイ)は父親が急死したとの報せを受けて、数年ぶりに村へ帰ってくる。 母親ディ(チャオ・ユエリン)は、真冬の中、父親が教師をしていた学校の前に2日ほど座り込んで呆然としていた。 ユーシェンは、なんとかディを家に連れ戻すと彼女は父親の遺体を安置してある町から担いで村に連れて帰りたいと言い、さらに壊れた機織り機を直して棺にかける布を織り始める。 棚に置いてある新婚当初の写真を見たユーシェンは、昔聞いた2人のなれそめを思い出していた。 約40年前、18歳のディ(チャン・ツィイー)が住む村に教師としてやってきた20歳のチャンユー(チョン・ハオ)。ディは彼を見た瞬間一目惚れをしてしまうのだった。 <作品解説> チャン・イーモウ監督がチャン・ツィイーを主演に抜擢したストレートなラブストーリー。 これほどまでに真っ直ぐな寄道のない作品も珍しいといえます。 モノクロのプロローグから始まり、この時点で既にこれから語られる恋物語がハッピーエンドであることが示唆されています。 時代はストーリーから文化大革命の直前1960年代くらいかと思われます。 文革では知識人に対する弾圧が行なわれ、本作でもその一部が垣間見られます…というよりは、この文革をある程度認識していないと物語の大枠が単純なラブストーリーとしか認識できないんですね。 主人公のディが一目惚れをして、後に結婚することになる教師チャンユーは、正直なところ男前とは言い難いのです。しかし、文盲である人々にとって彼は若き知識人であり、村人とは異なった雰囲気を持っています。時代背景を鑑みればディがチャンユーの持つ雰囲気に一目惚れしたとしても不思議ではないのかもしれません。 祖母と2人暮らしのディは、わずかに交わした言葉から待ち続けます。これ以上ないというくらいに真っ直ぐにしか見ることのできない想いを、わずかなセリフと表情、そして風景が語っていく様はとても美しい。 会話もほとんどなく、恋敵も悪人も出てこないという、映画作品としては不完全な体裁です。 しかし驚くほどシンプルなシナリオは、見る側も正面から受け止めるしかできない故に成功した希有な作品です。 <見どころ> ディを演じるチャン・ツィイーの可愛さは言うに及ばず、しかし見るべきは彼女が常に分厚い服を着ているところにあります。 女優の表情で勝負するためなのか、体のラインを打ち消した衣裳選択は見事。 そして、美しい風景描写は言うに及ばず。 <出演者> チャン・ツィイーは本作で人気を博し、続く「グリーン・デスティニー」ではハリウッド女優の仲間入りを果たしました。 セリフではなく、とにかく表情で勝負が後の作品に良い影響を与えています。 チャンユー役のチョン・ハオは本作以外ではわからないのでなんとも言えませんが、選択としては間違っていなかったですね。これが男前過ぎたら単なるつまらない美男美女の物語になってしまったでしょう。 息子役のスン・ホンレイ、チャオ・ユエリンはプロローグとエピローグの短いシーンでもきっちりとした演技を見せてくれます。 <総評> 邦題は「初恋」とありますが、原題は訳すと「帰り道」。 恋愛は本作の大きなテーマですが、実は「帰る場所」があるという意味を踏まえると「道」がテーマなのかもしれません。 ストレートすぎるきらいはありますが、何も考えずに見るとシンプルに感動できる作品です。 よろしければクリックお願いします。 監督:大友克洋 出演:オダギリジョー 江角マキコ 大森南朋 蒼井優 りりィ 李麗仙 クノ真季子 守山玲愛 稲田英幸 沼田爆 公開時コピー 蟲(むし)を感じたら お知らせください。 漆原友紀の同名コミックを「AKIRA」「スチーム・ボーイ」の監督・大友克洋が実写化。 出演は「ゆれる」のオダギリジョー、「ピストルオペラ」の江角マキコ、「ミッドナイト・イーグル」の大森南朋、「ハチミツとクローバー」の蒼井優など。 <あらすじ> 100年前の日本。わずかな人々しか見ることのできない“蟲”が存在し、それは不可思議な現象を引き起こしたり、人に取憑いたりしていた。 蟲に取憑かれた人々を癒す蟲師と呼ばれる者たちは日本各地を旅している。 その1人、ギンコ(オダギリジョー)はある雪山で一夜の宿を借りる。そこで彼は庄屋の夫人(りりィ)から、片耳の聞えなくなった村人達の治療を依頼される。 それが蟲の仕業と見たギンコは、すぐに彼らを治すが夫人はさらにもう1人治して貰いたい者がいると言う。 それは夫人の孫娘(守山玲愛)で、頭の中に音が鳴り響き、額には4本の角が生えていた。 <作品解説> ちょっと不思議なファンタジーミステリーとも言うべきコミックの映像化。 すでにアニメ化がなされており、こちらの方はほぼ完璧に近いほど原作通りだそうです。 実写化にあたっては原作のいくつかのエピソードとキャラクターを登場させ、時代設定が100年前と固定されています。 さて、本作は久々の大友作品ということで話題になったのですが、実写であることと落ち着いた作品なので大友作品の特徴があまり見られなかったのは残念。 されど、淡々と進む割りにはそれほど退屈はしません。 自然の風景を大きく壮大に映し出した映像は見事、どこか幽玄ともいえる雰囲気が全体に漂って美しいのです。 が、なんというか…100年前という固定のせいなのか、まあ意図的だとは思うのだけど山中の映像がどうも人工的な味付けが残っていて、ちょっとこう…ニュアンスとして違うんですよね。 イマイチ乗り切れない雰囲気があるのです。 こればっかりは個人的な感想なので、何ともうまく説明できませんが…。 蟲のCGなどはなかなか自然で、変に凝った部分などもないし使い方としてはうまい。ただし、先に述べたようにいつものような大友作品にこれあり!といった特徴は見られず。 全体的にもう少し短くても良かった気がします。 <見どころ> 蟲の映像だとか、風景ってところでしょうか。 <出演者> オダギリジョー、蒼井優はやはり上手い。 それに加えて大森南朋のうまさが光っています。 江角マキコが少々芝居がかりすぎたイメージかな。 <総評> 個人的には嫌いじゃないんですが、なんだか結局テーマを絞り切れていない感じですね。 原作のファンにはわかるよね?みたいな問いかけ的な終わり方も悪くはないけど、知らない人が見たら「?」が出て終わりでしょう。 あくまでも原作の雰囲気重視な作品かと思います。 よろしければクリックお願いします。 監督:アイヴァン・ライトマン 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー ペネロープ・アン・ミラー パメラ・リード リンダ・ハント リチャード・タイソン キャロル・ベイカー ジョセフ&クリスチャン・カズンズ 公開時コピー シュワルツェネッガー 大いに困る! アイヴァン・ライトマン監督の「ツインズ」がヒット、コメディ路線に乗ったシュワルツネッガーが同監督と再びタッグを組んだコメディ。 出演は「カリートの道」のペネロープ・アン・ミラー、「ビーン」のパメラ・リード、「シルバラード」のリンダ・ハント、「バトルフィールド・アース」のリチャード・タイソンなど。 <あらすじ> ロス市警のキンブル刑事(アーノルド・シュワルツネッガー)は、4年間追い続けている麻薬密売の元締めクリスブ(リチャード・タイソン)を追っていた。 クリスブは逃げた妻レイチェルとその息子の行方を追い、ダニーという情報屋から話を聞きだしたあと射殺する。その一部始終を見ていたシンディを確保することに成功したキンブルは、彼女の面通しによってクリスブを逮捕する。 さらに、クリスブの持っていた金の行方を追って、相棒となった女刑事オハラ(パメラ・リード)と共にレイチェルがいるというオレゴン州アストリアに向かう。 そこにはクリスブの息子が通っているという幼稚園があり、オハラが教師として潜入する予定だった。ところがオハラが重度の食あたりを起こし、キンブルは渋々代理を務めることに。 体の大きいキンブルを見たシュロウスキー園長(リンダ・ハント)は、子供達を怯えさせないようにと忠告するが、勝手に暴れ回る子供達を相手にキンブルは困り果てるのだった。 <作品解説> 88年の「ツインズ」の大ヒットにより、コメディに目覚めたシュワちゃんが演じたのがおよそ似つかわしくない幼稚園の教師。90年代は彼の作品にはアクションではないコメディがいくつかあり、本作の他に「ジュニア」「ジングル・オール・ザ・ウェイ」…実際のところ、まともにヒットしたのは「ツインズ」くらいなわけです。路線が偏りすぎたのと、ひねりのあるオチがないのが今ひとつ感を強調してしまった為でしょう。 さて、本作は序盤はいつものシュワルツネッガーなアクションが入り、コメディとは程遠いハードな感じ。もっともこれが序盤以降のギャップを生み出す手段なわけです。 序盤以降は、子供に翻弄される大男というパターンになり、同僚の美人教師と仲良くなっていきます。子供達を統制していく様はおもしろいし、展開もスピーディーで良いんですがそれ以上が無いんですよね。 「ツインズ」の時はダニー・デビートという絶好の相棒がいたために成立したものが、子供の無邪気さに取って代わられただけ。いかにも、という平均的なコメディになってしまいました。 <見どころ> 子供に困り果てるシュワルツネッガー、そして好演する子供達。 本作のストレートな部分のみ。 <出演者> 実はシュワルツネッガーの演技は悪くないんです。 そして相棒を演じるパメラ・リード、園長のリンダ・ハントも良い。 ヒロインのペネロープ・アン・ミラーもなかなか…。 足りないのは男性なんですね。パメラ・リード演じるオハラのちょっとマヌケな恋人が出てきますが、恋敵もいなければ同僚としても面白い人が出てこない。 周りを女性と子供達で固めてしまったのが残念です。 <総評> 皮肉にもシュワちゃんが知事になる前の最後の出演が「80デイズ」のヘンタイ的な王子だけ。 挑戦を続けたコメディのカメオ出演で終わるとは…。 「トゥルー・ライズ」くらいのコメディとアクションが織混ざったものが、彼の魅力がもっとも引き出される作品といえるでしょう。 よろしければクリックお願いします。 アメリカ/2007 監督:ジョン・タートルトーブ 出演:ニコラス・ケイジ ジョン・ヴォイト ハーヴェイ・カイテル エド・ハリス ダイアン・クルーガー ジャスティン・バーサ ブルース・グリーンウッド ヘレン・ミレン 公開時コピー すべての謎は「禁断の暗号」を解く鍵。 大ヒットしたアドベンチャームービーの第2弾。 監督は前作に引き続き、「クール・ランニング」のジョン・タートルトーブ。 出演は引き続き「ゴースト・ライダー」のニコラス・ケイジ、「トランスフォーマー」のジョン・ヴォイト、「レッド・ドラゴン」のハーヴェイ・カイテル、「トロイ」のダイアン・クルーガー、「恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~」のジャスティン・パーサ、「敬愛なるベートーヴェン」のエド・ハリス、「南極物語」(2006)のブルース・グリーンウッド、「クイーン」のヘレン・ミレンなど。 <あらすじ> 財宝発見者として名を馳せたベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)は、リンカーン暗殺にまつわる曾祖父トーマス・ゲイツの講演を終えた直後、ウィルキンソン(エド・ハリス)という男からリンカーン暗殺者が書いたとされる日記の消失した部分を見せられる。そこには曾祖父が暗殺の首謀者だったという記述があり、汚名を着せられる。 名誉挽回の為、ベンは父親パトリック(ジョン・ヴォイト)とハッカーのライリー(ジャスティン・パーサ)達と共に調査を開始する。さらにベンはケンカで別居中の恋人アビゲイル(ダイアン・クルーガー)が勤める国立博物館で日記を調べるために、彼女の家に忍び込みIDカードを盗み出そうとするが、デートから帰ってきた彼女にあえなく見つかってしまう。 日記を調べることにした3人は、日記に書かれていた暗号を見つける。 <作品解説> 主に大都市を舞台にした宝探しという、視点がおもしろい作品です。 今回はリンカーン暗殺事件に絡み、大統領暗殺犯の子孫という汚名をすすぐために調査を開始します。その過程でリンカーン暗殺者の日記に記されていた伝説の宝を探すことに。 主人公ベン達はパリ、ロンドン、そしてワシントンを飛び回り、彼らが見つけ出した暗号を狙ってウィルキンソン達が後を追います。 非常にスピーディーでわかりやすく、そしてカーチェイスをはじめとしたアクションもあり、歴史的なオモシロさもありと、飽きさせないですね。 ただ、わかりやすさが中心となるため、謎はかなりシンプル。 ミステリー好きには少々物足りないのは致し方ないところ…ですが、小学生くらいの子でもわかるという部分に、割り切りの良さを感じます。 さて、本作は純粋なアドベンチャー作品ながら、家族、友人、恋人が協力しあうところが面白さの1つ。インディ・ジョーンズみたいな一匹オオカミといったハードボイルドな面よりも、人との繋がりを重視し、足りない部分を補うことで一つずつ謎が解けていく。 「ハムナプトラ」もどちらかというと、家族要素が強いですが、あちらは完全にファンタジックなアドベンチャーなのに対して、本作はファンタジー要素を持ちつつも「歴史」という現実的な部分をうまくアレンジしているのが楽しいのです。 これは次作も期待ですね。 <見どころ> ロンドンのカーチェイス、謎を解いていく過程とちょっとしたユーモアが実にうまく絡んできます。 それほど派手ではないものの、ツボを押えてます。 <出演者> 固定イメージが嫌いなニコラス・ケイジが出演を快諾したというのだから、彼の熱演は勿論のこと、ジョン・ヴォイト、ハーヴェイ・カイテル、ヘレン・ミレンと名優勢揃い。 相変わらず美しいダイアン・クルーガー、ムードメーカーとなるジャスティン・バーサ、大統領役のブルース・グリーンウッド、そして本作のライバルを演じるエド・ハリスなど、出演陣は豪華。 少ないキャストながらも魅せてくれる展開と演技から、作品の楽しさが伝わってきます。 <総評> 些か説明不足の面もありますが、アドベンチャーの楽しさが凝縮された作品です。 来年には「インディ・ジョーンズ」の4作目も登場、上質なアドベンチャーとして久しぶりに続編が楽しみになりそうです。 <関連作品> ナショナル・トレジャー (1作目) ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 (2作目) よろしければクリックお願いします。 監督:ジャウム・コレット=セラ 出演:クノ・ベッカー アレッサンドロ・ニヴォラ アンナ・フリエル スティーヴン・ディレイン レオノア・バレラ ルトガー・ハウアー エリザベス・ペーニャ ニック・キャノン カルメロ・ゴメス 公開時コピー 夢を駆け抜けろ FIFAの全面協力で製作された3部作第2弾でレアル・マドリード編となる。 監督は「蝋人形の館」のジャウム・コレット=セラ。 出演は前作に続き、クノ・ベッカー、アレッサンドロ・ニヴォラ、スティーヴン・ディレイン、アンナ・フリエル、「ルビー&カンタン」のレオノア・バレラ、「ブレードランナー ファイナル・カット」のルトガー・ハウアーなど。 なお、前作に続き実際のスター選手が登場。 舞台がレアル・マドリードとなるため、出演したのは撮影当時に在籍していたベッカム、ジダン、ロナウド、ラウル、カシージャス、イバン、サルガドなど。 <あらすじ> イングランド・プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドで活躍するサンティ(クノ・ベッカー)は活躍を続け、恋人ロズ(アンナ・フリエル)との婚約も決まって順風満帆だった。 その頃、かつてのチームメイトであるハリス(アレッサンドロ・ニヴォラ)が所属するスペインの強豪でスター軍団のレアル・マドリードは低迷を続けていた。 早急に実力のある新しい選手を欲したレアルは、サンティに目を付けてエージェントのグレン(スティーヴン・ディレイン)と交渉、移籍期限ギリギリの状況でサンティに決断を迫る。 ハリスの薦めと監督ルティ(ルトガー・ハウアー)の助言もあって、サンティは入団を決断し、ロズをなんとか説得するのだった。 大々的に移籍が発表され、ベッカム達に歓迎されたサンティ。 そしてチャンピオンズ・リーグ第1戦のゲーム、不調続きのハリスと後半終了間際に交代し、見事ゴールを決め、最高の出だしを飾るのだった。 <作品解説> 数々のスター選手が出演することで話題になったシリーズ第2作は、各国の代表選手が在籍した銀河系軍団ことレアル・マドリードに主人公サンティが入るところから始まります。 既にニューカッスルのチームメイトであったハリスも在籍しているものの、1作目と同じく彼はグダグダの状態。 サンティのチームメイトでありながら悪友として再び活躍?します。 さて、本作では常勝軍団と言われたレアルに入りながらも、恋人ロズはニューカッスルに留まったまま。彼女は自分の仕事が好きなので、スペインにはたまにしかやってこず、当然物語りの流れとしてすれ違いが生じてきます。 さらに、過去にサンティを捨てた母親の存在、テレビ局の美女など、スターになればなるほどにトラブルや誘惑が増えてきます。 とはいえ、試合では最強のスーパーサブとして活躍し、落ち目のハリスとは正反対に評価が上昇…まあ、ありがちなパターンですね。 正直なところ、ストーリーとして目新しい部分もなく、試合のシーンも前作の方が小気味よかった気がします。ここは監督の違いか…というかなぜ監督変えたんだろうとか。 ベッカムやジタンが出ているだけで、ファンならおもしろいかも。 次作は完結編であるワールドカップになります。 <見どころ> リフティングや試合のシーンは格好いい。 なんだか憎めないハリスが良いかな。 <出演者> 前作からの出演者は、前作と変らずという感じ。 ベッカムやジタンなどはセリフはほぼ無しの状態。 チームメイトの絡みがハリス役のアレッサンドロ・ニヴォラだけというのは寂しい限りです。 監督を演じたルトガー・ハウアーがオシム監督に似ています。 <総評> 特に何かが…みたいなのが無く、劇場公開もかなり短かった記憶があります。 やはり今年公開でベッカムやジダンと言われてもねぇ。 チャンピオンズ・リーグという展開ではオチが見えているようなもんなので、お好きな方はどうぞという感じですね。 <関連作品> GOAL! ゴール! (1作目) GOAL! 2 (2作目) よろしければクリックお願いします。 監督:堤幸彦 出演:中谷美紀 阿部寛 遠藤憲一 カルーセル麻紀 ミスターちん 金児憲史 蛭子能収 島田洋八 松尾スズキ 岡珠希 丸岡知恵 Mr.オクレ 竜雷太 名取裕子 西田敏行 公開時コピー 伝説の4コマ漫画映画化! 笑いあり、涙ありの怒涛のエンターテインメント! 業田良家の同名4コマコミックの映画化。 監督は「トリック」シリーズの堤幸彦。 出演は「嫌われ松子の一生」の中谷美紀、「大帝の剣」の阿部寛、遠藤憲一、「苺の破片(イチゴノカケラ)」のカルーセル麻紀、「憑神(つきがみ)」の西田敏行など。 主題歌は安藤裕子。 <あらすじ> 宮城県・気仙沼で新聞配達をしている中学生・森田幸江(岡珠希)。ある日、父親(西田敏行)が銀行強盗をして捕まってしまい、小さな幸せしか堪能できない幸江は不幸のどん底に落とされてしまう。 時は経ち、大阪ミナミ。 通天閣を見上げる下町に住む幸江(中谷美紀)は、ボロアパートに元ヤクザで内縁の夫・イサオ(阿部寛)と共に暮らしていた。イサオは気に入らないことがあるとちゃぶ台をひっくり返す乱暴者な上に、働きもせず日がな一日競馬やパチンコに明け暮れ、時にはケンカをして警察に厄介になっている。 それでも一緒にいるだけで幸せ、という幸江は働き先の食堂あさひ屋のマスター(遠藤憲一)から再三言い寄られても軽く流していた。 そんなある日、彼女の前に出所した父親が現れるのだった。 <作品解説> 4コママンガの実写という非常にめずらしい作品です。 母親に幼い頃に見捨てられ、父親は警察に逮捕されてしまった貧乏な中学生・幸江。幸せを求めて都会に出てきて知り合い、一緒に暮らしているのが元ヤクザのイサオ。 それでも幸せを感じている彼女は、イサオの為に粉骨砕身に働いています。 本作ではなぜ彼女がイサオと一緒にいるのかという理由が語られ、自らの生き方が気仙沼、大阪、東京が舞台になります。 ところどころに差し挟まれるユーモアは監督ならでは…と同時に真っ向勝負の人情&恋愛の物語は意外な気もしました。 さて、この真っ向勝負が実に功を奏していて、主人公幸江が感じる「小さな幸せ」が見事に描かれていきます。大したことじゃないんですよね、実際。 イサオが「弁当、明日から働く」とボソボソというだけで幸せ絶頂という有様。 人生を他人と比べられるわけじゃない、自分には自分の幸せと生き方があり、それが例えどこかしらで自分にとって弊害を生むとしても…これこそ自虐なわけです。 ベタな人情劇で、ベタに感動してしまいました。 <見どころ> 何かというとちゃぶ台をひっくり返すイサオ(食費がねぇ…)。 なんとなく魅力的なアクションに見えちゃうから不思議(笑) 電車のシーンが2つほどありますが、これがとても良いです。 <出演者> 「嫌われ松子の一生」「7月24日通りのクリスマス」と、クセのある役柄が多くなった中谷美紀。 個人的にはそろそろこういう役柄を脱して、正統派を演じて欲しいですね。 多分、次になると「またかよ」と言われるかと思います…うまいんだけど。 イサオを演じた阿部寛、パンチパーマで寡黙な役どころですが、カッと見開いた目が見事。 幸江に言い寄る食堂のマスターは遠藤憲一は名脇役ですよ。なんでもやっちゃうなぁ。 カルーセル麻紀、西田敏行も好演しています。 <総評> 作品レベルが意外なほどに高かったのには驚きました。 正直、それほど期待していなかったんですが、ストレートに楽しめる作品です。 なお、エンドロールが終わってもまだちょい続きますので、ご注意を。 よろしければクリックお願いします。 監督:山崎貴 出演:吉岡秀隆 堤真一 小雪 堀北真希 三浦友和 もたいまさこ 薬師丸ひろ子 須賀健太 小清水一揮 マギー 温水洋一 小日向文世 石丸謙二郎 松尾貴史 小木茂光 益岡徹 受賞:日本アカデミー賞/作品賞・主演男優賞 他(2005) ブルーリボン賞/助演男優賞・助演女優賞(2005) 公開時コピー 携帯もパソコンもTVもなかったのに、 どうしてあんなに楽しかったのだろう。 西岸良平のコミック「三丁目の夕日」の実写化。 2005年の日本アカデミー賞にて13部門を制覇。邦画としては異例の大ヒットとなり、続編も製作された。 監督は「ジュブナイル」の山崎貴。 出演は「ジュブナイル」の吉岡秀隆、「魍魎の匣」の堤真一、「ラストサムライ」の小雪、「トリック 劇場版2」の堀北真希、「遠くの空に消えた」の三浦友和、「めがね」のもたいまさこ、「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」の薬師丸ひろ子、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」の須賀健太など。 <あらすじ> 昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。 ある日、町に2人の新しい住人がやってくる。1人は鈴木オートに集団就職で青森からやってきた六子(堀北真希)、もう1人は母親に捨てられ飲み屋の女将・ヒロミ(小雪)の元に連れてこられた小学生・淳之介(須賀健太)。 淳之介はヒロミのかつての芸者仲間だった女性の子供だった。まだ店を始めて1週間、困り果てたヒロミは店にやってきた売れない小説家・茶川竜之介(吉岡秀隆)に、色仕掛けと酒で預かって貰うように頼む。 あまり仲の良くない鈴木オートの社長(堤真一)がいた手前、彼は断り切れずに淳之介を連れて帰る。 翌朝、淳之介を見て驚く茶川だったが、約束を破るわけにもいかず渋々面倒を見ることに。 しかし、淳之介と茶川には意外なところで仲良くなるのだった。 <作品解説> 昭和30年代の街並みを、山崎監督お得意のVFXとセットでリアルに再現したことでも話題になった作品です。建設中の東京タワー、東京駅、蒸気機関車、都電、小物に至るまで抜かりなく…といったところですが、30年代を知らないのでどこまで忠実なのか、実際のところわからないですね。 もっとも、知らない世代には新鮮に映るので、この際は映画を楽しむということに終始すれば良いわけです。 さて、本作ですが脚本、演技ともに非常に優れています。近年ではセカチューと韓流以降、悲劇のラブストーリーで泣かせることが多いんですが、本作はその逆。 都会では失われつつある、地域コミュニケーションが描かれ、人との繋がりや温かさでじんわりと心地よく泣かせてくれるのです。高度経済成長が始まらんとする時代において、懸命だけれど、ちょっとした楽しさを見つけては近所の皆で盛り上がる…その中心にいるのが鈴木オートの家族と住み込みの従業員・六子、そして向かいに住む駄菓子屋で小説家の茶川と預けられた淳之介になります。 短気だけれど江戸っ子気質の鈴木、少々ひねくれものの茶川の2人の仲はそれほど良くないものの、六子と淳之介が加わることによって変化していきます。 新しい者を受け入れる柔軟さ、それに伴う生活と心境の変化はまさしく、社会と共に成長していく人々の心を描いた部分と言えるでしょう。 <見どころ> VFXが見事なのはもちろん、セットに使用されている昭和30年代のものは今では滅多に見られないものばかり。画面に目を凝らせてみましょう。 また、泣かせる部分がさりげなく入っているのはシナリオの妙ですね。 <出演者> 実を言うと吉岡秀隆と小雪ってあまり好きな俳優じゃないのです。 理由は特になかったんですが、本作をみて評価一転。 見事でした。特に小雪はヒロイン然としていて良かったんだけど、もう少し大きな見せ場があれば良かった。 堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、須賀健太なども非常に好演していますね。 小日向文世の嫌みっぷり、うーん芸達者です。 <総評> なぜ本作が大ヒットを飛ばしたか…皆、こういう地域コミュニティに憧れているのかなぁ。 なんですかね、こういう時代の「色」って潜在的に懐かしさを喚起させますね。 ちょっと残念だったのが、ラスト。 中盤ではかなり泣けるシーンがあったのに、最後がまったく予想通りなのは勿体ない。 もう少しひねりがあれば、と思わずにはいられなかった。 とはいえ、近年の邦画では間違いなく「見るべき1本」に数えて良いでしょう。 <関連作品> ALWAYS 三丁目の夕日 (1作目) ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2作目) よろしければクリックお願いします。 監督:フランシス・ローレンス 出演:ウィル・スミス アリシー・ブラガ ダッシュ・ミホク チャーリー・ターハン サリー・リチャードソン 公開時コピー 地球最後の男に希望はあるのか。 リチャード・マシスンの小説「地球最後の男」の3度目の映像化。 監督は「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。 出演は「アイ,ロボット」のウィル・スミス、「シティ・オブ・ゴッド」のアリシー・ブラガ、「アナコンダ2」のサリー・リチャードソンなど。 全編に渡って使用される曲はボブ・マーリー。 <あらすじ> 2012年、ニューヨークの街には人気が耐え、荒廃していた。 その中を一台のスポーツカーが走り抜けていく。 運転しているのは科学者のロバート・ネビル(ウィル・スミス)、助手席には愛犬のサムがいた。 3年前、ある事が原因で人類がほぼ壊滅してしまう。 ネビルは壊滅の始まりであるニューヨークに残って研究を続けていた。 無人の店舗で食料品を漁り、セントラルパークで畑を耕し、無線でいるともわからない生存者に向かって放送を流し続ける。 しかし、夜になると彼は家の出入り口、窓を厳重に閉めて眠りに着くのだった。 夜の闇に乗じて「彼ら」がやってくるため…。 <作品解説> 意外にもリメイク作品であり、実はSFというよりはホラーでした。 最初は64年、さらに71年に映像化されています。 さて、あんまり書くとネタバレになってしまうので、差し障りない程度に本作について述べていきます。 予告編でもあるように、ニューヨークでただ1人、愛犬のサムと生き延びている主人公ロバート。 彼はある研究の為に、自ら壊滅したニューヨークに残っています。 そして、夜の闇に乗じてやってくるモンスターの存在があり、それらの状況を打破するために頑張っているわけですが、かなりシンプルな構成の為に観客はロバートが知っている程度の状況しかわからない。 情報は最低限、あとは物語の展開に任せるのみです。 サントラは基本的に、ロバート自身がかける音楽で、ボブ・マーリーが中心。これにもちゃんと意味があるんですね。 広大なニューヨークの街、壊滅している様相などは非常に見事。 「28日後...」を彷彿とさせますが、そこはハリウッドです。ぬかりない見事な映像でした。 <見どころ> まあ、要するにホラーなので…なかなかの迫力です。 ウィル・スミスの熱演に加え、愛犬サムの演技は見どころですよ。 <出演者> 相変わらず芸達者なウィル・スミス。 孤独感と悲壮感をうまく表情に出した演技は見事でした。 そして犬でしょう。 見事な相棒です。 <総評> それほどの怖さもなく、エグさもなく…悪くはなかったんですが、ラストもイマイチかなぁ。 なんかもっと驚くようなラストがあれば、良かったんだけど。 落としどころの難しい作品です。 <関連作品> 地球最後の男 (1964) 地球最後の男 オメガマン (1971) よろしければクリックお願いします。 監督:塩田明彦 出演:妻夫木聡 柴咲コウ 瑛太 杉本哲太 土屋アンナ 麻生久美子 菅田俊 劇団ひとり きたろう 寺門ジモン 山谷初男 中村嘉葎雄 原田芳雄 原田美枝子 中井貴一 公開時コピー 物語が、動き出す。 手塚治虫の同名コミックの実写化。 実写化にあたって、原作の設定を大幅に変えている。 監督は「黄泉がえり」の塩田明彦、アクション監督に「LOVERS」のチン・シウトンを迎えている。 出演は「憑神(つきがみ)」の妻夫木聡、「日本沈没」(2006)の柴崎コウ、「東京フレンズ The Movie」の瑛太、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」の杉本哲太、「さくらん」の土屋アンナ、「クローズド・ノート」の中村嘉葎雄、「亡国のイージス」の原田芳雄、「HERO」の中井貴一など。 主題歌はMr.Chiildren。 <あらすじ> 戦乱の時代、醍醐景光(中井貴一)は戦いに敗れ、48体の魔物が祀られている寺にやってくる。影光は戦乱の世を治め、天下を我が手にするために生まれてくる自らの子の体を魔物に差し出すことを約束し、力を得るのだった。 20年後、ある町の酒場に1人の男(妻夫木聡)がやってくる。その男は人気の踊り子が登場すると、突如襲いかかる。その両腕からは刀が生え、踊り子が変化した魔物と戦いが始まる。 その頃、こそ泥で男のフリをした女(柴崎コウ)が、チンピラの金を擦り取って酒場に逃げ込んでくる。その場で男が魔物を倒すのを目の当たりにするのだった。 女は去っていく男が途中で話していた琵琶法師(中村嘉葎雄)から、その男が左腕に仕込んだ百鬼丸という妖刀で、自らの体を取り戻すために魔物と戦っている事を聞く。 刀に目を付けた女は男を追い、お互いの名前を男は百鬼丸、自らをどろろとして旅を始める。 <作品解説> 原作というよりも原案という方が合っているような本作。時代は原作の室町~戦国時代から離れて異世界に、また百鬼丸の体は木や陶器から、死体から精製された義手義足に変ったりと、実写化にあたって変更箇所は無数。 もっとも、大きいのは主人公2人の年齢設定でしょうか。 されどアニメやマンガと違って限界のある実写として、設定を割り切ったのは正解といえるでしょう。 さて、本作は48体の魔物を倒して、自ら奪われてしまった48カ所の体の一部を取り戻していくというシンプルなストーリーをベースに、百鬼丸とどろろの生い立ちなども語られていきます。 既に2、3作目の製作決定がアナウンスされているので、多少長くとも1作目でそれらの裏話を描いたのは良かったですね。 時代背景は先にも書いたように異世界ということで、無国籍感溢れる美術や設定で描かれ、方言や言葉遣いなども現代的で見やすい。 その反面、一応ベースは戦国時代などのために、違和感を感じることもあります。 魔物たちのクリーチャー造形やCGなどは些か不満を感じる出来ですが、アクションシーンなどは迫力があり、ストーリーも意外とスピード感があるので、エンターテイメント性は高いといえるでしょう。 <見どころ> いかんせんCGが甘いので、戦いのシーンはそれなり…されどニュージーランドロケを敢行したこともあって、壮大な風景によりストーリーの世界観を広げています。 妻夫木聡の殺陣もなかなか。 <出演者> キャラ設定そのものが濃い、2人の主人公。 百鬼丸を演じる妻夫木聡、どろろの柴崎コウともども好演しています。 これが意外なほどにはまっていてビックリ。 また、中井貴一をはじめとするベテラン俳優達も決まっています。 この手の作品としては、皆気合いがかなり入っていますね。 <総評> 原作のファンからすれば、あまりの違いに不満もあろうかと思いますが、作品レベルは非常に高い。前評判の高かった「ミッドナイト・イーグル」と比べてもこちらが上です。 ただし、手塚治虫が描いていた反戦テーマなどが削られ、メッセージ性が弱まっているのは残念。手塚作品だからこそ、という部分を「エンターテイメント」の一言で削ってしまうのは、原作である必然性を打ち消すようなものです。 とはいえ、アクション映画としては及第点。 よろしければクリックお願いします。
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