歳末の風物詩の一つに、一年の間に奉納された絵馬を取り外す神社の「絵馬納め」がある。「とんだ失敗」、と知人が頭をかいていた 受験の追い込みに入った息子のために、願いを込めて掛けてきたばかりの絵馬が外されてしまった。奉納の時期が悪かった。初詣でで、やり直すという きょうは一年の仕事納め。といっても、合格祈願のように新しい年に持ち越される宿題も少なくない。今冬はインフルエンザ大流行が懸念されるのだが、治療薬タミフルの服用と異常行動とのかかわりについて、厚労省は結論を先送りした。使用は現場任せ、という不安が新しい年も続く 薬害肝炎訴訟も越年した。もっとも、首相判断で一律救済のための議員立法という道筋はできた。謝罪会見ばやりの一年を締める、一国の宰相のおわびであった。年明けの法案提出に向けて年の瀬の作業が続くが、野党が事前協議を拒む構えを見せるなど、波乱の芽も見え隠れする とはいえ、一国のトップがわびた問題ならば、きちんと片付けてもらいたい。絵馬は二度も奉納すれば、ご利益が増えるかもしれないが、首相の謝罪は一度でたくさんである。
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