音声合成ソフト「初音ミク」を使った着うたの配信に関して、楽曲の著作権を管理するドワンゴ・ミュージックパブリッシングと初音ミクの発売元であるクリプトン・フューチャー・メディアとが和解し、一件落着となった今回の「初音ミク問題」(参考:「初音ミク」楽曲の使用について、クリプトンとドワンゴが最終合意--権利関係を明確化)。今度は、当事者の1社であるドワンゴ・ミュージックパブリッシングが、この騒動をなかったことにしようとしている疑惑が浮上した。
ドワンゴ・ミュージックパブリッシングが12月 21日に、ニコニコ動画内の「ニコニコニュース」に掲載した2つのエントリ「クリプトン社の謝罪に対するコメント」と「クリプトン社様からの着うた配信の経緯(2)に関して」が、12月27日現在ニコニコニュースから削除されているのだ。それぞれのページには「この記事は水に流されました。」とのみ記載されている。
(なお、どのようなエントリがなされていたかについては、ブログ「孤高」からウェブ魚拓によって保存されたページを閲覧することで確認できる)
共同コメントで両社は「今後今回の一件に関し、事の経緯・事実関係に関しては、両社は一切争わず、おのおの独自の主張を行わないことを合意します」と宣言している。しかし、これは「今後」についての合意であり、過去に争った部分まで削除するという記載はない。実際、クリプトンのブログでは、騒動の発端となった19日の伊藤社長のコメントや、21日に掲載されたエントリ「着うた配信の経緯」「着うた配信の経緯(2)」は27日現在も変わらず掲載されている。
そもそも、「水に流す」 とは過ぎ去ったことをとがめないという意味であり、なかったことにするという意味ではない。説明責任という観点から、また、今後同様の事例が起きた際のモデルケースとなるという観点からも、ぜひドワンゴ・ミュージックパブリッシングにはエントリの復活をお願いしたい。
永井美智子(編集部)
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