「過去と他者から今と未来を投射する営み」
みなが浮かれていた時代。バブルが崩壊した後の時代、グローバリゼーションという名のもとに生まれた新資本主義の風が吹き荒れる今、人間は、そして個人は、本質的に変わったのだろうか?
何が変わり、変わっていないのだろうか?僕らはいったい何を手に入れ、何を失ったのだろうか?
社会と個人を分断しているものの正体は、何なのだろうか?
今を生きる一人一人に考えてほしい。
その手掛かりはそれぞれの写真集に登場している一人一人と対話をすることで見つかるかもしれない。
そんな思いで、再び「17歳」「Father」「Couple」の3冊を世の中に提出することにした。
(橋口譲二 写真集まえがきより抜粋)
1949年、鹿児島県生まれ。19歳のとき上京、日本各地を放浪の後、写真家となる。1981年、路上に集まる若者をとらえた「視線」でデビュー。1988年より、意識的に日本の現風景と、日本の様々な場所で生きる人々のポートレートを撮ると同時に、その人たちの言葉を記録するという作業を始めた。
写真集に「十七歳の地図」「Father」「Couple」(文藝春秋)、「夢」(メディアファクトリー)、「子供たちの時間」(小学館) など、単行本に「新・ベルリン物語 上・下」(情報センター出版局)、「それぞれの時」(草思社)、「17歳の軌跡」(文藝春秋)「対話の教室―あなたは今、どこにいますか?」(星野博美共著、平凡社)など、多数。
2000年より、写真と絵を使ったアートワークをインドを中心に各地で試み、現在はベルリンと東京を拠点に創作活動を続けている。
◆20世紀の終わり頃こうだったなぁと思いつつみました。 (39歳・女性)
◆私も当時の17歳たちと同年代。この写真集は20年の歳月を経てただ単に懐かしさを感じるものだけではなく、これからを生きていくのに、私にとってかけがえのないものになっています。 (35歳・女性)