2007年12月27日 9時34分更新
平成9年、出雲市の島根県立中央病院で検査を受けた患者が意識不明になったのは、病院側の過失だとして患者や家族が、県に損害賠償を支払うよう求めていた裁判で最高裁判所は県の上告を受理しないことを決め、二審の判決通り県が損害賠償を支払うことが確定しました。
この裁判は、平成9年に県立中央病院で検査を受けた出雲市の男性患者が検査後すぐに意識不明となったのは医師が病気の発症を見落とし必要な処置を講じなかったためだとしてこの患者と家族が県に損害賠償を求めていたものです。二審の広島高等裁判所松江支部はことし2月、「主治医が適切な呼吸管理を怠った」と一審の判決を支持して県に対し、3200万円あまりの損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡しましたが、県は、ことし3月、最高裁判所に上告していました。
これに対し、最高裁判所は今月18日、県の上告を受理しないことを決め、県側の敗訴が確定しました。
上告が受理されなかったことについて県は、「主張が認められなかったのは残念だが、最高裁判所の判断を重く受け止めて、相手方に誠意をもって対応したい」と話しています。
原告の男性患者は、去年6月に死亡していて原告側の弁護士は「主張が認められ、うれしく思っている。
ただ、事故から解決まで10年かかっていてもっと早く解決されるべきだった。
県立病院は、自分たちの医療を検証して今回のようなことが起こらないよう、再発防止に努めて欲しい」と話しています。