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わたしは、贈ります。

坂本龍一 [音楽家:1952年1月17日生まれ。クラシックから現代音楽、さらには映画音楽からJ-POPまでに携わり、作曲、編曲、演奏、プロデュースなどを手がける世界的音楽家。
細野晴臣(氏)、高橋ユキヒロ(氏)と結成したYMO(イエロー・マジック・オーケスラ)のメンバーとしても知られるほか、俳優活動も。]「年賀状を書いて、大人に近づいた気がした」

父に憧れて書いた年賀状

──坂本さんが生まれてはじめて他人に出した手紙は、年賀状じゃありませんでした?

坂本 あ、そうかもしれませんね。

──もちろん小学生の時だと思いますが…。

坂本 はい。一、二年でしょうか。

──どういう年賀状を書いたか覚えていらっしゃいますか? たとえば干支の絵を描いたとか。

坂本 うーん、あまり記憶にないです。絵を描いたか、あるいはイモ版のようなものをつくったかも(笑)。

──年賀状を書く、あるいはつくる作業は小学生の坂本さんにとって、冬休みの愉しみのひとつでしたか?

坂本 愉しみってことは……。かといって義務でもなかった。ただ、父(三島由紀夫らを手がけた高名な編集者・坂本一亀(かずき)氏)がしていた年賀状書きと同じことをして、おとなに近づく感じはあったかもしれませんね。 
 おとなは年末年始には年賀状を書くもの、というイメージがあったんでしょうか。それがおとなの正月の過ごし方というか、そのころはそんなふうにとらえていた気がします。

友達と枚数を競った年賀状

写真:坂本龍一(1)

──その頃は、クラスの好きな女の子に年賀状を出したりしました?

坂本 ……えーと(笑)、好きな女の子がいても、その子向けの特別な年賀状は書かないで、あえてほかの子と同じ内容にする。そうするとバレないという(笑)。

──自分あてに届いた年賀状について、印象に残っているものはありますか?

坂本 たぶん子どものころは、内容よりも量、枚数ですね。父にはこれぐらい(と指で15センチぐらいの幅を示す----もっとかな? 30cmぐらい?)届くのに、自分はこれっぽっち(1センチぐらい)。だからもっと増やしたい、と。それもおとなに近づきたいということだったんでしょうか。  それで、三学期に学校へ行って「お前何枚もらった?」「おれなんかこんなだぜ」みたいな(笑)。
 それで、三学期に学校へ行って「お前何枚もらった?」「おれなんかこんなだぜ」みたいな(笑)。
  あと最近でいうと、相変わらず多い家族の写真の年状なんですけど、子どもがだんだん大きくなって、家族が減っちゃって夫婦と犬だけだったりすると印象に残る(笑)。がんばってねっていう気になります。

パソコン、メールと年賀状

写真:劇団ひとり(2)

坂本 母が近年、パソコンを覚えまして、まあ私が勝手に送りつけたんですけど。それを使って、年賀状をつくってますね。自分で撮ったデジカメの画像を取り込んで、干支の絵を描いたりして、年賀はがきにプリントしてますよ (坂本さんのお母さまは元帽子のデザイナー)。

──それはすてきですね。一方パソコンというと、最近メールでの年賀状が増えましたが。

坂本 あー(笑)。年賀状に限らず、時候のあいさつや誕生日だとかに、イラストなどが入ったポストカードふうのメールが増えましたね。あれはちょっと……。

──イラストが入っているとメールの容量が大きくなりますよね。

坂本 それでも絵心がある人が自分で描いているのならまだしも、たいていは出来合いのものを選んだだけのものですし。ときには音楽付きのメールが来たりします。

──えっ、坂本さんに音楽付きのメールを? チャレンジャーですねえ。

坂本 ところがそれも出来合いの音楽を適当につけたものなんですよ。こちらは音楽家ですからね。 「気をつけろ」って言いたい(笑)。

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