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【国際】

北朝鮮、プルトニウム生産「30キロ」 米首席代表の訪朝時に説明

2007年12月27日 朝刊

 【北京=城内康伸】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の同国首席代表、金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が、今月初めに訪朝した米首席代表、ヒル国務次官補との会談で、核兵器の原料となるプルトニウムのこれまでの生産量について、約30キロと数値を示して説明していたことが26日、分かった。複数の米朝関係筋が明らかにした。核の製造などいくつかの用途も明示したもようだ。

 6カ国協議の合意に基づく核計画の申告をめぐって、北朝鮮が提示した具体的な内容が明らかになったのは初めて。しかし、米国の推定値とはかけ離れていたといい、濃縮ウラン開発疑惑をめぐる駆け引きなどと合わせ、「すべての核計画の完全な申告」を目指す交渉は厳しい状況だ。

 ヒル次官補は今月3日から5日まで訪朝、金次官や朴宜春(パク・ウィチュン)外相らと会談した。米朝関係筋によると、北朝鮮側はこれまでに生産したプルトニウム量を約30キロと明らかにしたほか、昨年10月の地下核実験や核の製造で使用したプルトニウム量についても具体的に数値を示したとされる。

 関係筋によると、米国は北朝鮮が50キロ以上のプルトニウムを製造したと推定しており、北朝鮮側の提示した数値は、米国の推定する製造量を大きく下回っていたもようだ。

 一般に1つの核兵器製造には4−6キロのプルトニウムが必要とされている。

 北朝鮮側が主張する複数の用途で使った量を差し引くと、現存するプルトニウムも米国の推定より少量になり、6カ国協議筋は「これでは話にならないという内容だった」としている。

 今月中旬には、中国の武大偉外務次官や米国務省のソン・キム朝鮮部長も相次いで訪朝。しかし、核計画の申告をめぐる成果は乏しかった。

 

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