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【埼玉】児童虐待 さいたま市で1カ月に3件 『しつけ』と称し暴行2007年12月27日
幼い子どもが両親や義父から暴力を受ける「児童虐待」が相次いだ。さいたま市では一カ月間に三件の虐待事件が起きる異常事態となり、同市は緊急の会議を開いて情報共有体制の強化を申し合わせた。しかし、その後も虐待事件はなくならず、関係者は事態打開に向け頭を悩ませている。 さいたま市では五月下旬から六月中旬にかけ、三人の男児が虐待事件に巻き込まれ、うち二人が命を落とした。傷害致死罪などで起訴された両親らは法廷で、「しつけ」と称して日常的に暴行を加えたことを認めた。 裁判では、虐待の悲惨な実態も明らかになった。義父の一人は、養子縁組した息子が勝手にカップラーメンを食べたことに腹を立て暴行。仕事のストレスのはけ口として、殴るけるの暴行に走った義父もいた。 さいたま市児童相談所は「事件になったのは、エスカレートした一部の事案だけ」と指摘。表面化していない虐待を防ぐために、「関係機関と密に連携を取り、なんとか未然防止を図りたい」と話す。 《記者から》 体格が圧倒的に劣る幼児を一方的に痛めつける児童虐待は、卑劣な犯罪だ。もしわが子に手を振り上げたなら、その姿を鏡に映し出してほしい。 (池田悌一) 検事の不祥事 『不適切』も処分なく「拳銃は長男が提出したことにしてほしい。責任を取る形で長男を組から抜けさせたい」 さいたま地検熊谷支部の若い検事が八月中旬、麻薬密売事件で埼玉県警に逮捕されていた暴力団組長から、自らの所有する拳銃を提出する条件を提示された。 この後、検事は組長が手配中の組員に電話して移動を指示するのを黙認。ほかにも、供述の擦り合わせのため、同容疑で逮捕されていた組長代行と組長を取調室内で同席もさせていた。いずれも接見禁止中だったにもかかわらず。 今年は富山県の女性暴行事件や鹿児島県の公選法違反事件で、相次いで冤罪(えんざい)が発覚。鹿児島県の選挙違反事件で無罪判決が出されたため、最高検は八月に捜査の問題点をまとめた報告書を全国の地・高検に通知した。熊谷支部の取引は、その数日後に行われていた。 本紙報道を受け検察当局の内部調査が始まったが、結論は「適切ではないが、違法性はなかった」とするにとどまり、一切の処分はなかった。調査結果の公表にあたって、検事と組長との間で、どのようなやりとりがあったかは語られないままだった。 《記者から》 違法ともいえる取り調べの内容が明らかになったのは内部告発から。絶大な捜査権限を持つ検事に許されない行為だった。 (望月衣塑子)
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