い・や・だ!
人間だから・・・。
やっぱり、バランスかなと・・・思う。
ネガティブなことはいわないよ。

でも、しんみりしたいこともあるんだよ。


昔、何年も前に、
ネットで知り合った友達に貰った手紙を発見した。

それは、本当の手紙で、
封筒の中に便箋があって、
もちろん手書きで文字が書いてある。

彼女が、なんで手紙を出そうと言ったのか、
わかった気がする。

涙が出た。。。

パソコンが壊れても、携帯が壊れても、
一生、この家が焼けたりしない限りは、
残るんだよ。。。

残るんだ。

大切な思い出が、残るんだ。

大切な手紙。


彼女とは、いつもゲームの中で一緒に居た。

僕はガキだったから色々勘違いしていて、
色々なことを押し付けてしまっていた。

いつも一緒だった。

ずっとその世界で、幸せに暮らしていけるのだと思っていた。

僕は一流の商人で、
彼女は・・・。

僕は男だから、色々と我がままを言った。

でも、現実は様々な理由が僕らを阻んだ。
僕も強情だった。
そして単純にバカだったし、ガキだった。

彼女はこの世界にずっと居るといった。
この世界が終わるまでずっと居ると言った。

僕は、それが当たり前のことだと思ってしまっていた。

だから、彼女が仕事帰りにわずかな時間に繋ぐのもおかまいなしに、
なんだか飽きた とか言って、他のゲームをプレイしてたりしてた。

でもしばらくプレイすると、またそのゲームも飽きて、
結局は元のゲームに戻ってきた。

当たり前にある世界。
当然のようにある世界。
僕のホーム。
僕がヒーローでいられる世界。

いつも彼女がいた。
遅いよ~ とか言いながら1:1をしてくれた。

僕がゲームの糞みたいなステータスを上げることに躍起になって、
マクロをしてたときでさえ、1:1しくてれた。

「またマクロー? いないの~? つまんないなー ぷんぷん」

思い出すたびに涙が出る。
なんでもっと一緒にいてあげなかったのだろう?
もっと会話をしなかったのだろう?

なんでゲームなんてバカみたいなステータスを、
最終的に消え去ってしまうステータスなんかにこだわって・・・

人生の貴重な貴重な時間を、
彼女との貴重な時間を・・・消し去ってしまったのか!

僕はバカだ。大バカ者だ。。。

なんで1日1日を、もっと大切に過ごさなかったんだ!!!

だめだ、思い出すと苦しい。思い出すと悲しい。


ある日、彼女と仲良く3Fで遊んでいた。
そんなとき、PKが現れた。

僕は弱かった。
一撃でやられてしまった。

何度も何度も遺品を取りに戻る。
PKが強すぎた。
僕は死んでしまう。

「はやく飛んで!」

僕は必死になって1:1をした。
僕は弱かった。彼女を一人残して死んでしまう。
ふがいない自分を呪った。

このままでは彼女も死んでしまう。
彼女が頑張って集めた装備も、落としてしまうかもしれない。
一緒に、長い時間をかけて集めたアイテムを・・・。

僕がもっと強ければ。。。
お願いだ、助かってくれ!

お願いだ!


神様に祈りは通じたのだろうか。
彼女は瀕死の体でもどってきた。

「かっきーん! ただで戻ってくるわたしじゃないさ!」

彼女は僕の遺品をすべて集めて戻ってきた。
僕は感動した。ディスプレイの前で涙した。

ありがとうの念が途絶えなかった。

PKに囲まれながら僕の遺品を集めて戻るのが、
どんなに大変だったのか想像すると、
もうなんて言っていいのかわからない。



あれから幾日か。

最後まで僕らはその世界にいた。

一緒に居た。

その後の予定はたってなかった。

また、どこかで一緒に会おうよ。


時が流れ、場所が変わり、

立場が変わり、世界が変わった。

いつしか、日常は過去へ。

日々は思い出に色あせていく。

『セピア色に』


彼女はどこかで元気にやっているだろうか?

彼も元気にやっているだろうか?

ろくに連絡もせず、ろくに返事もせず、ろくに挨拶もしなかった僕を許してくれ。


そして僕はまた、

性懲りも無く、新たな世界で、

新たな生を育む。

大切な人ができて、仲間ができて、ホームができて、

僕がヒーローになれる世界ができあがる。


なんでこんな話を思い出したのか・・・。


僕はもう失いたくない。

失いたくないんだ;

いやだ、そんなのはもう嫌なんだ;


いつかまた、君もいなくなってしまうのか?

思い出のなかに色あせてしまうのか?


幻想の世界の中のことだったと、

良い思い出だったと、


いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ



                      嫌だ!


そんなのはもうたくさんだよ。

君は僕を思い出して涙するのか? それともバカ騒ぎを思い出して笑うのか?

僕が、あなたが、

不慮の事故で、

明日 死んでしまうかもしれない!!


世界が、社会が、

転変地異で、 神の気まぐれで、

明日、終わってしまうかもしれない!!


なのに、何で僕はこんなバカなことしか言えない!


当たり前じゃないんだよ。

これは、当たり前じゃないんだよ。

かけがえのない時間なんだ。


もう、二度とないんだ。

二度とないんだよ;


僕のこの時間は・・・あなたのこの時間は・・・。


だから僕は最後まで強く。

そして、最後は笑っていたいと思うんだ。


僕の時間、僕の命、僕の青春は、

間違いなくその世界にあったのだから。
by sepiela | 2007-12-27 01:59 | 思考・洞察・妄想・哲学 | Trackback | Comments(0)
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