１０億８０００万円を不正減額　保険料延滞金で徴収漏れ

　社会保険庁は２６日、企業が滞納した厚生年金や健康保険の保険料について、２００５-０６年の２年間で、社会保険事務所が延滞金を不正に減額して徴収漏れとなったケースが総額約１０億８８００万円に上ると発表した。うち約３億２５００万円は時効（２年）により徴収不能となった。

　２８都道府県の社保事務所が３０００社余りに対して不正な減額をしていた。今後追加して徴収すべき延滞金の額では三重県の約２億２０００万円が最多で、次いで福島県（約１億８７００万円）、長野県（約８４００万円）で多かった。社保庁は関係した職員を処分する。企業側には本来の延滞金の支払いを求めていく。

　延滞金は滞納が長引くほど保険料に上乗せして増額されるため、財産差し押さえの日付を実際よりも前にずらす手口などで延滞金を少なく見せ掛けていた。社保事務所が滞納保険料などの徴収実績を上げるために不正を働いたとみられる。

(12/26 18:47)