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性器に熱湯のいじめ、明大応援団解散も
明大応援団リーダー部に所属していた理工学部3年の男子学生(21)が今年7月に自殺した件について、明大は25日までに、応援団解散も含めた厳正な対処をする方針を明らかにした。男子学生死亡後に立ち上げた調査委員会が、応援団部室などで男子学生を半裸にした暴力行為が行われていた事実を確認。大学側は入手していないが、この暴力行為を撮影したビデオの存在もあるとして、来年1月までに調査委員会の報告を待って処分を下すとしている。
大学側が発表した文書によると「社会通念上許されない行為を確認」と暴力行為があったことを認めた上で「応援団の体質に問題があると考えており、応援団の解散も含めて厳正に対処します」と結んだ。創部85年の歴史を持つ明大応援団の不祥事が解散問題にまで発展してしまった。
応援団に所属する3年生のTさんが今年7月4日、茨城県の実家で首つり自殺をし、同15日に死亡した。Tさんは同1月に応援団を退団し、同4月から休学。退団するまでは順調に理工学部の単位も取得し、団員として元気に活動していたという。退団したきっかけはTさんに対するいじめだったという。
昨夏、応援団の部室で「指導」という名目で当時2年だったTさんは上級生からいじめを受けた。体をロープでしばられ、ズボンやパンツは脱がされ下半身は裸。Tさんは先輩数人に囲まれ、性器に熱湯と冷水を交互にかけられた。このとき、軍歌が大音量でかけられ、Tさんの悲鳴や先輩らの「早くやれ」という指示をかき消すなどの隠ぺい工作も行われていた。
大学側はTさんが自殺を図った直後から団員らに聞き取りをしていじめの実態をつかみ、Tさん死亡の2日後に調査委員会を立ち上げた。委員会は現役弁護士でもある納谷広美学長(68)の指揮下に置かれ、徹底的に事実調査が行われている。来年1月までに調査リポートをまとめ、応援団の処遇を決定する。
調査会ではこの指導の様子を撮影したビデオが同部室にあったことを認識しているが、大学側によると「ビデオは入手していない」という。
大学側は9月からリーダー部の活動の停止を通達。東京6大学野球秋季リーグ戦はチアリーダー部と吹奏楽部だけで乗り切った。
ある明大応援団OBは今回の事件については知らなかったが「これに似た指導は我々の時代からあった。ただ、自殺する団員が出たことはとても残念」と局所を攻撃するような指導が長年続いていたことを明かした。また、別のOBは「これはいじめではなかったと信じたい。解散もチアと吹奏楽も一緒となるとかわいそうだ」と話した。
[2007年12月26日7時6分 紙面から]
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