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公立尾陽病院:医師不足でピンチ 愛知4町運営、半減見込み

 愛知県甚目寺町の公立尾陽病院(市川健次院長、199床)で08年3月以降、大学医局の派遣医師引き揚げなどで内科と外科の常勤医が現在の計10人から半減する可能性が生じ、医師不足解消の要望書を県に提出していたことが分かった。同県甚目寺、美和、七宝、大治の4町でつくる病院組合は26日に議会を開き、病院から報告を求める方針だ。

 同病院や組合の岩本一三議長によると、同病院の内科は7人、外科は院長を含む3人が常勤し、外来や夜間業務、救急医療に対応している。だが医師派遣元の名古屋市立大の医局が「名古屋市立の緑、東両病院の充実のため人員配置を見直したい」として内科医4人の引き揚げを通告。さらに複数の外科医も開業のため退職を申し出たという。

 3月以降、名市大から別の内科医2人の派遣が決まった以外はめどが立っておらず、内科5人、外科1人程度に半減する可能性も出てきた。減員を見据えて既に内科は11月から午後の診療を休止、12月には待ち時間が長くなるという告知文を院内に掲示した。

 尾陽病院の医師不足は各診療科で進み、全診療科の常勤医は定員30人に対し現在19人。産科と人工透析を05年に休診したほか、婦人科と小児科は非常勤医1人でしのいでいる。最近の医師不足で新たな非常勤医の採用もままならないという。

 岩本議長は「地域医療が崩壊してしまう。患者を守るよう大学医局には配慮をお願いしたい」と話す。一方、名市大医学部の下村卓也事務長は「名市大病院以外の他病院間の医師の異動は医局がすべて掌握しており、事務サイドでは把握できない」としている。尾陽病院の年間の患者数は約2万人。【桜井平】

毎日新聞 2007年12月26日 中部朝刊

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