ウラン濃縮問題で米朝間の緊張高まる(上)
「北朝鮮にはクリスマスもない。何かプレゼントが期待できるのか」
韓国政府のある関係者は25日、ため息をつきながらこのように語った。年末が近づき外交や北朝鮮問題の専門家たちは、北朝鮮による核の無能力化か核開発リスト提出のどちらか一つのプレゼントを期待していた。しかしどちらもわずか1週間となった今年中に実現する見込みがなくなったことから、失望の気持ちをこのように表現したのだ。
宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官も最近、「年末は目標にすぎない」と語った。誠実な申告の方が期限を守るよりもはるかに重要ということだが、本当に北朝鮮が核プログラムを誠実に申告するのかについては、誰も自信を持って語ることはできない。そのため不安も高まっている。さらに「北朝鮮に言うことは言う」と明言する李明博(イ・ミョンバク)政府が発足する予定であることも変数の一つだ。
◆なぜ行き詰まっているのか
「寧辺核施設の閉鎖」→「無能力化が順調に進む」として解決に向けて勢いがつくかのように見えた北朝鮮の核問題は、最近になって濃縮ウラン開発の申告問題で行き詰まっている。米国は北朝鮮が最低限、「過去に濃縮ウラン開発を推進していたが失敗した」というレベルで形式的に認めればそれでよし、と要求のレベルを低くしたが、北朝鮮は「ないものをあるとは言えない」と譲歩しない構えだ。
しかし米国もこれ以上譲歩する可能性は低い。米国は申告そのものを、北朝鮮の核放棄の真の意向をテストする一種の「リトマス試験紙」と見なしている。その上2002年10月の2回目の核危機のきっかけとなったウラン開発の存在を北朝鮮が認めなかった場合、米国はイラク戦争の失敗に続き再び情報管理の問題点が明らかになり、危機を迎える可能性が高いのだ。
高麗大学のキム・ソンハン教授は「北朝鮮は核の無能力化で最大限の代償を得て、申告は適当に行えばよいという戦略だった。しかし米国が強い態度に出てきたことから後になって事態の深刻さを悟り、戦略的決断を下すことができなくなって時間を引き延ばしている」と述べた。国策研究所のある研究員は、「米国が最初から申告のレベルを下げ、ブッシュ大統領の親書を送るなど時間に追われているかのような印象を与えるなど、現在の状況は自ら招いた側面もある」との見方を示した。
任敏赫(イム・ミンヒョク)記者
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