◇大阪の企業が開発
突然の事故死など「不測の事態」が起きても、パソコンの中の他人に見られたくないデータを完全削除してくれるソフトを大阪市北区のIT企業「シーリス」が開発し、今月からネット上で無料公開を始めた。【高橋望】
初期画面上の「僕が死んだら」という思わせぶりなアイコンをクリックすると、指定したファイルが削除される仕組み。同社の有山圭二社長(27)は「パソコンには知られたくない情報も多い。家族へ残す情報を選択するツールとして使ってほしい」と話している。
ソフトは、その名も「僕が死んだら…」。
友人たちと話している中でアイデアが固まり、実用化にこぎつけた。パソコンの初期画面には、家族など特定の個人あてのメッセージを流すプログラムのアイコンがある。「不測の事態」が起きた後、悲しみに暮れる家族らがこのアイコンに気づいてクリックすると、生前打ち込んだ「今までありがとう」などのオリジナルメッセージが画面に表示され、その陰であらかじめ指定してあったファイルが削除される。
削除が気づかれることはなく、いったん削除されると、復旧ソフトを使ってもデータ復元は難しいという。
ソフトは、ダウンロードで入手できる。ダウンロードは、http://ccl.c‐lis.co.jp/modules/mydownloads/
毎日新聞 2007年12月25日 大阪夕刊