【東京】山崎拓自民党沖縄振興委員長は25日、沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)で日本軍による強制の記述を修正・削除した教科書検定意見問題について「記述は回復されるだろう。総理が(27日の)訪中前に何らかの発言をすることになっている」と述べ、福田康夫首相が26日に記者団との定例会見で、検定問題に関して発言することを明らかにした。首相は沖縄戦の実相を学校教育の中で語り継ぐ必要性を強調するとみられる。
25日午後、東京都千代田区の山崎事務所で面談した教科書検定意見撤回を求める県民大会の仲里利信実行委員長(県議会議長)ら要請団に答えた。
要請団は引き続き内閣府で岸田文雄沖縄担当相と面会。岸田沖縄相は、内閣府の沖縄戦関係資料閲覧室を現在の西麻布から永田町へ移転・拡充し、ホームページから全公文書を閲覧できるよう2008年度予算に必要経費を計上したことを明らかにした。
山崎氏への要請に同席した安次富修衆院議員によると、山崎氏は「直接的な軍命で集団自決が行われたということにはならないだろう。総理が訪中前に何らかの発言をすることになっている。記者の毎日のぶら下がり(インタビュー)で出てくると思う。総理は教科書問題の根底は県民がどう考えるかにあると思っている」と答えた。
仲里実行委員長は山崎氏に要請文を手渡し、検定意見の撤回と記述回復を求めた。
要請文は、訂正申請の審議について「集団自決」の背景や要因が詳述されることに賛意を示す一方で、「日本軍の主語や『命令・強制・誘導等』の言葉を抜くことは、あいまいな表現に修正しようとすることを狙ったとしか思えない」と批判。
その上で「子供たちに真実を伝えるため、記述回復と検定意見の撤回を実現してほしい」と求めている。
(12/25 16:02)