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JR東海、自己負担でリニア新幹線整備へ 東京−名古屋
JR東海は25日、東京圏と名古屋圏を現行新幹線の約半分の時間で結ぶ超伝導リニアによる新たな「中央新幹線」の建設費約5兆1000億円を全額自己負担することを決めたと発表した。これを受け、財源問題からめどが見えなかった「夢のリニア新幹線」の商用化が実現に向けて、大きく動き出す見込みとなった。
全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づき、国の予算措置で推進している整備新幹線の事業費を民間が自己負担するのは初めて。JR東海は今後、平成37年の開業を目指し全幹法の適用や具体的な路線区間などに関し国土交通省と調整する。
JR東海は、収益の大黒柱である現在の東海道新幹線の輸送力増強が限界に近いことや、大規模地震による交通遮断などの災害リスクを考慮し、東海道新幹線の代替となる中央新幹線の建設推進に強い意欲を持っている。
ただ、国の予算措置による従来の整備方式では中央新幹線の建設着工、事業化のめどが立たないため、財源の自己責任による整備方法を検討。路線建設と車両費を合わせた建設費を総額約5兆1000億円と試算したうえで、これを全額負担しても経営の健全性と株主への安定配当を維持できると判断、正式に建設費を自己負担を決めた。
リニアモーターカー
JR東海などが開発しているのは、電気抵抗がゼロになる超電導現象を利用した次世代の超高速輸送システム。車体が浮上しながら走行するのが特徴。東京−大阪間を1時間で結ぶことを目指し1962年に研究が始まり、2003年に有人走行で時速581キロの最高速度を記録している。建設には、新しい専用軌道の建設や用地の買収で巨額の資金が必要となる。