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「委員長は強引」NHK会長選び、経営委員が異例の抗議

2007年12月19日21時15分

 NHK経営委員会の菅原明子、保(たもつ)ゆかりの両委員は19日、東京・渋谷のNHKで緊急会見を開き、次期NHK会長選びで「古森重隆委員長自らが推す人を強引に選ぼうとしている」として、議事録の作成・公開など委員会運営の見直しを求めたことを明らかにした。受け入れられなければ辞任する考え。委員が公の場で委員長に抗議する前代未聞の事態で、25日に予定される新会長選考の行方は混沌(こんとん)としてきた。

写真NHK経営委員会の菅原明子委員(左)と保ゆかり委員が会見をし、古森重隆委員長を批判した=19日午後、東京都渋谷区のNHK放送センターで

 菅原、保両委員は、会長人選を進める経営委の指名委員会が橋本元一・現会長ら現執行部を候補者としないと決めた13日の議事メモを公開。古森氏が「自分がノミネートする人物は追って皆さんに直接ご紹介したい。ただし、そこで否定されると本人のメンツがつぶれるから困る」などと発言したことを明らかにした。

 菅原氏は別の候補者をあげる意向を示し、保氏はOBを含むNHK内部の人がいいと話した。また菅原氏は13日に、両委員が内部の人間を候補から外すことに反対、他の2委員が保留したのに古森氏が「全会一致だ」と話したことも批判した。

 食生活の研究所を主宰する菅原氏は全国枠で、地域づくりプランナーの保氏は九州・沖縄地区から選出された経営委員。会長人事の議決には委員12人中9人の賛成が必要で、菅原、保両氏に2人同調すれば古森氏推薦の人物は選ばれない。

    ◇

 NHKの原田豊彦放送総局長の19日の定例会見は、菅原、保両氏の会見を受け10分遅れで開かれた。「異例の会見は公共放送は大事という強い思いからだろう。会長選びは公明正大に民主的な手続きでやってほしい」と2人の行動に一定の理解を示した。

 NHKのある幹部は「2人が声をあげたことで自分はどうしようかと考える人も出てくるだろう」と見る。総務省関係者は「これで会長選びは白紙に戻ってしまったのではないか」と語った。

 〈古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)の話〉 本来経営委員会の中で議論すべき内容で驚いている。一方的な運営をした事実はなく、現執行部を会長候補対象外とすることは全会一致で決定し、外部を中心に検討していくことも圧倒的な多数の意見として記録に残っている。

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