ITプラス ビジネスを制する人のIT総合ニュースサイト

音声ブラウザ専用。こちらよりメインメニューへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより見出し一覧へ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

ニュース マネー:株や為替、預貯金、投信の最新情報。持ち株チェックも IR:上場企業の投資家向け情報を即時提供 経営:実務に役立つニュース&連載企画。外注先検索も 住宅:新築・賃貸からリゾートまで住宅情報満載、資料請求可能 生活・グルメ:グルメ情報や、健康ニュースなど生活にかかせない情報満載 教育:学びからキャリアアップまで 就職:学生の就職活動を完全サポート、マイページ利用も可能 求人:日経の転職サイトとWeb上の企業ページから自動的に収集した求人情報を掲載 クルマ:クルマ好き応援サイト C-style:ライフスタイルにこだわりを持つ30代男性向けウェブマガジン 日経WOMAN:働く女性のキャリアとライフスタイルをサポートするコンテンツ満載 日経ワガマガ:アタマとカラダを刺激する、大人のためのコミュニティー

更新:3月28日 09:20セキュリティー:最新ニュース

パソコン画面のマル秘情報が盗まれる――電磁波盗聴とは【コラム】

 パソコン上のデータを守るには、暗号化やパスワードをかけるといった方法が考えられる。しかし、どうしても暗号化やパスワードをかけられない段階がある。それはパソコン画面(ディスプレイ)での表示時だ。現在、ディスプレイに表示された情報をそのまま盗み取ってしまう「電磁波盗聴(テンペスト)」という技術が問題となっている。3月16日にNECが新しい電磁波セキュリティー技術の開発を発表するなど、一部で対策の動きもでている。

 パソコンに限らず、電子機器は電磁波を発している。電波障害などを防ぐため、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)の規格によって漏洩電磁波のレベルが制限されているが、それでも微弱の電磁波が発生している。

 パソコンのディスプレイやケーブルなどから漏れている電磁波を、近距離(場合によっては数百メートル)からキャッチして、出力情報を再現することができる技術がテンペストと呼ばれるものだ。ディスプレイに重要文書やメールなどが表示されていると、それがそっくりそのまま盗み読まれてしまう危険性がある。

 またパソコンだけでなく、現金自動預け払い機(ATM)からの漏洩電磁波が盗聴される危険性も指摘されている。選挙時に使用される電子投票システムにおいても、画面操作から投票行動が盗まれてしまえば、「秘密投票」の大原則が犯されかねない。

 対策としては、漏洩電磁波のレベルをさらに小さくする。「電磁シールド」を導入する、といった方法が考えられる。

 冒頭で触れたNECの電磁波セキュリティー技術では、漏洩電磁波を極端に小さくすることで電磁波盗聴のリスクを軽減している。また、三菱電機では、漏洩電磁波を物理的に遮断する「電磁シールド」技術を提供している。

 一方、漏洩電磁波からディスプレイ情報を再現した際、読み取れなくなってしまう特殊なフォントや、漏洩電磁波を遮断する建築用素材を研究開発しているグループもある。

 パソコンのディスプレイに向かっている時には、テンペストの危険性を頭の片隅に置いておきたいものである。

[2007年3月28日/IT PLUS]

-筆者紹介-

宮島 理(みやじま ただし)

フリーライター

略歴

 1975年生まれ。山形出身の大阪育ち。東京理科大学理学部物理学科中退後、IT系企業設立を経て1996年、フリーライターに。現在は関東在住。著書に『ヒルズではたらく社員の告白〜ネット企業って、実際どうよ?』(洋泉社、共著)などがある。

● 記事一覧

最新ITニュースをメールで配信
最新ITニュースをメールで毎日配信
ITトレンド、業界動向、先端テクノロジーを凝縮
>> サンプルメールを見る
ITニュースメール 申込み