更新:3月28日 09:20セキュリティー:最新ニュース
パソコン画面のマル秘情報が盗まれる――電磁波盗聴とは【コラム】
パソコン上のデータを守るには、暗号化やパスワードをかけるといった方法が考えられる。しかし、どうしても暗号化やパスワードをかけられない段階がある。それはパソコン画面(ディスプレイ)での表示時だ。現在、ディスプレイに表示された情報をそのまま盗み取ってしまう「電磁波盗聴(テンペスト)」という技術が問題となっている。3月16日にNECが新しい電磁波セキュリティー技術の開発を発表するなど、一部で対策の動きもでている。 パソコンに限らず、電子機器は電磁波を発している。電波障害などを防ぐため、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)の規格によって漏洩電磁波のレベルが制限されているが、それでも微弱の電磁波が発生している。 パソコンのディスプレイやケーブルなどから漏れている電磁波を、近距離(場合によっては数百メートル)からキャッチして、出力情報を再現することができる技術がテンペストと呼ばれるものだ。ディスプレイに重要文書やメールなどが表示されていると、それがそっくりそのまま盗み読まれてしまう危険性がある。 またパソコンだけでなく、現金自動預け払い機(ATM)からの漏洩電磁波が盗聴される危険性も指摘されている。選挙時に使用される電子投票システムにおいても、画面操作から投票行動が盗まれてしまえば、「秘密投票」の大原則が犯されかねない。 対策としては、漏洩電磁波のレベルをさらに小さくする。「電磁シールド」を導入する、といった方法が考えられる。 冒頭で触れたNECの電磁波セキュリティー技術では、漏洩電磁波を極端に小さくすることで電磁波盗聴のリスクを軽減している。また、三菱電機では、漏洩電磁波を物理的に遮断する「電磁シールド」技術を提供している。 一方、漏洩電磁波からディスプレイ情報を再現した際、読み取れなくなってしまう特殊なフォントや、漏洩電磁波を遮断する建築用素材を研究開発しているグループもある。 パソコンのディスプレイに向かっている時には、テンペストの危険性を頭の片隅に置いておきたいものである。 [2007年3月28日/IT PLUS] ● 関連リンク● 記事一覧
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