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アンチSNSのパロディサイト、「敵」作りで偽りの友情に対抗

自分の嫌いな相手を「敵」として登録できるサービスが、一部ユーザーに受けている。(ロイター)
2007年12月25日 08時00分 更新

 ネットの偽りの友情に飽きたら、敵を作ってみるのはいかが? FacebookやMySpaceなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)人気に便乗し、気に入った相手同士を結び付けるネットの友情をもじって、自分の嫌いな相手に着目するWebサイトが現れた。

 過去1年半でSnubster、Enemybook、Hatebookなどのサイトが、シニカルな友人などをからかうのが好きなインターネットユーザーに受けている。

 「みんながネット上であれほど夢中になって、偽の友情ネットワークを築き上げようとしているのが理解できない」。昨年Snubsterを開設したテクノロジーコンサルタントのブライアント・チュン氏(26)は言う。

 「バーやパーティーでたった3分話した相手からFacebookのリクエストが届き、その相手がわたしのネット上の写真や連絡先を全部欲しがる。まったく理解しがたい」

 Snubsterは自分が嫌いな人や物を集めておけるFacebookのアプリケーションで、ユーザーは世界で1万6000人。

 世界で5900万人が積極利用しているFacebookだが、同サイトについてコメントしてくれる人は見つからなかった。

 Facebookが今年、外部のアプリケーションにネットワークを公開した際、この機に便乗してこの現象をからかってやろうと考えたユーザーもいた。

 やはりFacebookアプリケーションのEnemybookを作成したケビン・マテュレフ氏(28)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の友人から、ある人物について本当の友人なのかFacebook友だちなのかと尋ねられたことをきっかけに、昨年の夏、ジョークとしてEnemybookを始めた。

 「基本的にはFacebookの一部表面的要素とユーザー同士の関係に対する皮肉というか、一種のパロディとしてスタートしたが、今ではある意味で進化して、ユーザーが嫌いなものを通じて自己表現できるようになっている」とマテュレフ氏。

 Enemybookのユーザーは9000人。いわゆる友人や公人、架空キャラクターなどを「敵」にできるという点はSnubsterと同様だ。

enemybook

 マテュレフ氏は「わたしのようなユーザーが多数、単純に親友を冗談のネタにするためにこれを使っている」と話す。

 チュン氏も同じ考えで、「ほとんどの人が冗談と受け止めてくれることを望んでいるが、時には相手が深刻に受け止め過ぎると苦情を言われることもある」という。

 一方、トロントのライアーソン大学のポップカルチャー社会学教授、マリー・ポメランス氏は、ほとんどのユーザーはネット上の関係を非常に真剣に受け止めていると反論する。

 「これらサイト上の友情が偽りだとは思わない人が多数いる」と同教授は言い、「こうしたサイトで非常に多くの友だちがいて、こうしたサイトで自分自身について、公の場でもプライベートでも、直接面と向かっている相手には決して言わないようなことを語る人たちをわたしは知っている」と話した。

 ポメランス氏によると、友だちを作るにしても敵を作るにしても、SNSは危険をはらんでいる。

 「自分が誰を好きで誰が嫌いかというのはかつては個人的な事柄だった。しかしこのようなサービスがやっているのは、人間の感情や情緒を、ネットサービスに実際に登録させることなのだ」

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[トロント 21日 ロイター]

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