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【静岡】静岡・墜落したNHK契約ヘリをきょう回収2007年12月12日 静岡市葵区の調整池にオールニッポンヘリコプター(東京都江東区)のヘリが墜落し、機長ら2人が死傷した事故で、県警は12日、事故機を池から引き上げる。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、後部回転翼を制御するコントロールロッドの破断が墜落原因となった可能性を示唆しており、関係個所を含めた機体の本格的な調査を始める。 ヘリは沼地状の池の中ほどに墜落。重機などを近づけるのが難しいため、大型の別のヘリでつり上げて搬出する予定。陸路で東京ヘリポート(東京都江東区)へ運び、特にロッドの破断面を電子顕微鏡を使うなどして詳しく調べ、破断時期や原因の特定を進める。 事故調の11日の発表によると、事故機は操縦席のペダルと後部回転翼をつなぐコントロールロッドという金属部品が破断していた。 回転翼には機体のバランスを保つ役割があり、ロッドが破断すれば、ペダルを踏んでも回転翼を制御することができなくなる。 機体がきりもみ状態で墜落したとの目撃証言があり、後部回転翼が制御不能に陥った際の状況と似ていることなどから、事故調は何らかの原因で墜落前にロッドが破断し、墜落を誘発した可能性があるとみている。 事故調は「墜落の衝撃で折れた可能性もある」としているが、事故機は機首から墜落しており、機体後部ではロッドのほかに大きな異常はみられないという。 事故当日の簡易点検は異常なしオールニッポンヘリコプターによると、破断していたことが確認されたコントロールロッドについて、目視による詳細な点検は飛行時間800時間に1回の頻度だった。今回の事故は約2年ぶりの点検も兼ねて、大阪に向かっていた途中に起きていた。 国土交通省などによると、ロッドを含む操縦系統は「構造も動きもシンプルで故障しにくい」などとして、点検が義務化されていない。メーカーの基準に沿って、航空各社が任意で行うのが実情という。 オールニッポンヘリコプター整備部によると、事故機でこうした点検が最後に行われたのは2005年12月。機体を分解してロッド本体を目視で確認したが異常はなかった。 ただ、間隔が長期間に及ぶ代わりに、ラダーペダルを踏んで後部回転翼が正常に作動するかどうかを確認する簡易な点検は毎回、飛行前に行っていた。直接、ロッドを調べるわけではないが、事故機も当日、異常は確認されなかったとして同部は「出発前に問題があったとは考えられない」と主張している。
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