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ドイツのヴォルフスブルクが浦和の日本代表MF長谷部誠(23)獲得のため正式オファーを出していることが24日、明らかになった。ブンデスリーガの中堅クラブは昨年3月から熱心に獲得に動いており、推定年俸45万ユーロ(約7400万円)と複数年契約を用意。長谷部側は現在第1候補のイタリア・セリエAのシエナと条件交渉中だが、合意に達しない場合は急転、ドイツ移籍が実現する。
浦和の世界3強進出に貢献した赤い悪魔のプリンスが、衝撃のブンデス移籍を果たす可能性が急浮上した。
関係者によると、長谷部争奪戦に電撃参戦してきたのは現在リーグ11位のヴォルフスブルク。クラブ関係者が先週、浦和幹部と極秘裏に接触しており、長谷部サイドには正式オファーも届けられているという。
今季限りで浦和とは契約満了となるため移籍金はゼロ。条件面はすでに提示済みで、完全移籍の複数年契約で年俸は45万ユーロという。ブンデスリーガでは昨季からEU外選手枠が撤廃されたため、長谷部移籍には何の支障もない。
フォルクスワーゲン社をスポンサーに抱える1945年創立の古豪は長谷部の“長年の恋人”だった。海外スカウト担当のウルリッヒ・モーア氏が昨年3月に来日し、浦和の練習まで極秘視察、長谷部の実力を高く評価していた。「ドリブルで局面を打開できるし、さらに力強い。間違いなく即戦力。彼はブンデスリーガに移籍しても、今すぐスタメンで出られる」と言う。浦和の公式戦と日本代表の試合に何度も足を運び、06年夏にも獲得を打診したが、当時浦和のギド・ブッフバルト前監督に即答で固辞されていた。
04年から3年間、名門バイエルン・ミュンヘンを率いた名将フェリックス・マガト監督(54)も、長谷部の潜在能力を「日本で1番」と評価し、1月に再開する移籍市場で「和製カカ」とも呼ばれるエース獲得を厳命していた。
一方、長谷部サイドは現在、今年6月に期限付き移籍の正式オファーを届けたセリエAのシエナと条件面で細部の交渉を重ねている。代理人のロベルト佃氏はイタリアに渡り、契約期間などを話し合っているが、合意できない場合はヴォルフスブルクとの交渉をスタートさせることになる。
長谷部は来年1月15日に始まる岡田ジャパンの強化合宿に招集されているが、「僕は先が見えない状況。自分が一番伸びると思う環境でやりたい」と語っており、悲願の欧州移籍が実現したときには代表辞退する見込み。電撃ドイツか、第1候補のイタリアか。10年W杯南アフリカ大会の司令塔候補の去就に注目が集まる。
◆ヴォルフスブルク 1945年創立、本拠地はヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン・アレーナ(3万人収容)。市内に本社がある自動車メーカー「フォルクスワーゲン」がメーンスポンサー。97~98年シーズンに1部昇格、最高成績は98~99年の6位。最近2季は15位とぎりぎりで1部残留。シュツットガルト、バイエルンを率いたマガト監督が指揮を執る。司令塔のブラジル人MFマルセリーニョ(32)、U―22(22歳以下)ドイツ代表MFデヤガ(21)、ルーマニア代表FWラドゥ(30)、ボスニア代表FWジェゴ(21)が攻撃の中心。
(2007年12月25日06時02分 スポーツ報知)