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西沙諸島で11月に軍事演習を実施 中国 強硬路線台頭か
【北京=野口東秀】中国は11月に西沙諸島で軍事演習を実施している。領土問題を念頭にしたものと推測されている。同諸島をめぐっては、軍部を中心に周辺海域でのプレゼンスを示す必要性を説く強硬路線が台頭しているとの見方が強い。
中国外務省は、一連の反中国デモについて「ベトナム政府に事態の発展を抑える措置を希望する」と述べ、両国関係を損ねないよう対応を求める一方、西沙での中国軍の軍事演習については、「中国海域での完全に正常な活動だ。ベトナム側の非難に道理はない」と一蹴した。7月には、南沙諸島で中国艦船がベトナム漁船を攻撃し、負傷者が出たとも伝えられるなど、中国側はあくまで強気の姿勢だ。
ただ、来年の北京五輪、日中間の東シナ海問題への影響などを考慮、軍事行動には容易には踏み切れないとみられる。「一方で、(反中国)デモの拡大で国際社会に、中国に対する懸念が広がる事態は避けたい」(党関係者)考えとされる。
中国政府は、領有権などについてはあくまで主張するが、その一方で周辺国との安定を保つ方針で、資源の共同開発も呼びかけているのが特徴だ。