蒋介石親子の遺体「中国に戻したい」 遺族発言が波紋2007年12月24日20時17分 台湾の元総統、蒋介石、蒋経国親子の遺族が「遺体を中国・浙江(省)の故郷に戻したい」と発言し、波紋を呼んでいる。台湾では陳水扁(チェン・ショイピエン)政権の方針で「脱・蒋介石」の動きが進み、23日には蒋親子の遺体安置施設を一時閉鎖。現場に駆けつけた蒋経国の息子の妻、蒋方智怡さんがメディアに心情を吐露したものだ。 安置施設は兵士が警備し、市民の参観も可能だったが、23日に撤兵し、参観もできなくなった。閉鎖は陳総統の指示とされる。国民党独裁を象徴する蒋家と与党民進党との対立をあおり、来年3月の総統選を有利に運ぼうという選挙戦略があるとの見方が有力だ。 大陸から台湾に逃れた蒋介石は75年に、蒋経国は88年に死去。「中国統一後に大陸で埋葬せよ」との蒋介石の遺志で、親子の遺体は台湾北部の桃園県に仮安置された。だが統一が困難な状況になり、遺族は台湾での埋葬に同意。05年には正式な墓所も完成した。 しかし、蒋介石に由来する施設名の相次ぐ変更など、蒋家の業績を否定する最近の陳政権の動きに遺族が不快感を抱き、埋葬問題も宙に浮いていた。 「大陸埋葬」発言に、陳総統は墓所建設に約3000万台湾ドル(約1億円)を費やしたことなどを挙げて「台湾を馬鹿にするな」と厳しく反論。蒋家出身で立法委員(国会議員)の蒋孝厳氏は「この時期に(遺体の)大陸移送の議論は不適当だ」と遺族をいさめたが、埋葬問題を台湾メディアは大々的に取り上げ、陳総統の狙いが的中した形だ。 PR情報国際
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