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総務省にFriioを規制する権限はあるか

日経新聞によれば、総務省は地デジの番組を受信して無制限にコピーできるようにする受信機Friioを規制する方向で検討するそうだ。

しかし現在のコピーワンスはARIBという民間団体が勝手に決めた規格にすぎず、そのコピープロテクトを破ることは違法ではない(*)。またFriioはB-CASを挿入して使う機材なので、通常の地デジ受信機と変わらない。B-CASカードは他のテレビのものを使ってもよいし、オークションで買ってもよい。このカードはB-CAS社が1台ずつ「認証」することになっているが、これには何の法的根拠もない。

そもそも、このように民間企業が法にもとづかないで放送の受信や私的複製を制限するB-CASやコピーワンスは、独禁法や著作権法に違反する疑いがあるFAQ参照)。むしろFriioこそ、自由に放送を受信・複製できるようにすることによって、こうした違法の疑いのある行為を是正するものだ。

Friioは基本的にはソフトウェアであり、B-CASカードの仕様(ソフトウェア)もネットで流れているので、将来はDeCSSのようなソフトウェアがP2Pで流通し、地デジが実質的にコピーフリーになることもありうる。これは消費者のみならず、放送業界や電機業界にとっても福音になるだろう。地デジの行き詰まりやDVDレコーダーの売れ行き不振の原因になっているのは、こうした消費者の権利を侵害するコピー制限だからである。

総務省は、何を法的根拠としてFriioを規制するのか。アメリカでは、無線機にbroadcast flag機能をつけるよう義務づけたFCCの決定が「FCCには電機製品を規制する権限はない」として裁判所に却下され、確定した。今回の事件を機会に、総務省は反競争的なコピー制限やB-CASを廃止し、世界の他のすべての国と同じように、公共の放送は自由に複製する消費者の権利を認めるべきだ。

(*)細かい話はリンクを張ったITproの記事を読んでほしいが、厳密にいうと、Friioはプロテクトを破っているのではなく、B-CASカードで復号化した映像信号を再暗号化しないで記録するだけだから、ARIBの規格に違反するだけで、法的には何の問題もない。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 1 )
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コメント
 
 
 
規制 (タイムーテーブル)
2007-12-24 20:03:13
メディアの規制とは少し違うかもしれませんが外国の製作会社の考えはコピーされないように速いタイミングで洋画のソフトを日本でも販売されるようになりましたよね。コピーするならこの値段で買いなさいという戦略かもしれませんが。それと比べて日本では、既存の民間放送局は洋画をテレビで再放送しています。そういう技術の疎い人が見てくれる番組の需要をなるべき維持したい感じはわかります。しかし今まで民法テレビは番組の質の向上より産業構造を維持するための努力ばかりしてます。その結果、放送局が製作能力がなくなり自らは単なるスポンサー料金回収機構になっているわけです。そういう流れの中からこういう頓珍漢な規制がでてくるんでしょうね。
 
 
 
Unknown (JK)
2007-12-24 21:08:20
>公共の放送は自由に複製する消費者の権利を認めるべきだ
地デジについてはそういう論法も通用するのですが
もともとB-CASはBS/CS110°で採用してるものですからね。
これは有料放送ビジネスの根幹を揺るがす問題でもあるので
BS対応の類似品が出る前に対策を取る必要があるのでしょう。
 
 
 
CAS (池田信夫)
2007-12-24 21:20:31
CAS自体は、世界の他の国にもあります。それがなければ有料放送は成り立たない。しかしBSデジタルや地デジのように無料放送でCASをかけている例は、世界中にありません。

またFriioはB-CASを破るシステムではなく、コピーワンスを解除するだけのローテク機器だから、スカパーなどには影響ありません。
 
 
 
所詮利益団体ですから (就職氷河期っ子)
2007-12-24 21:38:48
この国のお上は国民を平気で裏切る詐欺師達が結成した利益団体ですから、こういう発想も出てくるのでしょう。
どうせまた、どこかの利権がらみでしょう。
この国のお上達は自分の懐しか考えていませんから、「そうすると儲かるどこかから言われた」だけでしょう。彼らがまともに物事を考え居るはずがありません。逆に何をまともにしたのか聞きたいぐらいです。
 
 
 
B-CASについて (nob274)
2007-12-24 21:47:19
コピーワンスという無意味に厳しい運用ルールを決めているわりには、技術的にはチープですね。暗号解読キーが抜き差し容易なカードにすべて依存しているわけですから。DTCPとかはもっと巧妙です。
元々特定多数を対象にしていた有料放送で使われたシステムを、そのまま不特定多数相手の無料放送に適用した報いでしょう。
これを機会に、ユーザー側の当然の権利とかB-CASの胡散臭さをもう一度議論して欲しいです。
 
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