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口づけ前の甘い風(ハヤ×泉)
日時: 2007/11/25 17:11
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519

どうも知っての通り(?)、いいんちょさんファンの充電池です。
現在休載している小説がありますが、僕の勝手な理由で休載持続です。

理由1、いやぁ最近どうも、ときめくハヤ×泉が増えてきましたねぇ。
    僕も負けていられないぞっ!!(殴

理由2、ある方から、「ハヤ×泉を書く充電池さんは生き生きしてる」といわれました。
    最近PCが壊れたり、入院や手術で気力を失いかけてた僕・・・これで活力がでるならば!! やるしかない!!


ということです。 そんなわけで充電池、3作目となるハヤ×泉です!!


そんなわけで今回は、前作の【心の支え】の続編です。(上のURLで飛べます)
まぁ、前作を読まずともだいたいの意味は通じますがw





        ・・        ・・・・・     ・・
     今回は甘さで勝負です!! キスシーンはまさかの無しです!!









では本編です。
















****************************************


















夏休み前…二人はこんな約束をした。





 「ハヤテくん、ハヤテくん♪」


 「泉さんは朝から元気ですね」


 「えへへ…あのね、泉ね、夏休みにハヤテくんと二人で、どこか遠い所に行きたいんだ〜」


 「遠い所…ですか?」


 「うん☆ 泉とハヤテくん…二人っきりでお買い物したりね、一緒にご飯食べたり……
  それからハヤテくんといっぱいお喋りして、旅館に泊まって、一緒に寝るの☆」


 「一緒に寝るって……」


 「大丈夫! ハヤテくん忙しいのは分かってるから、一泊二日だよ☆」


 「楽しみですね…夏休み……」











                       ―――口づけ前の甘い風―――








                             〜夏物語〜














  #1







暑い暑い夏。 日が昇ったばかりだというのに暑い。

そんな暑さを感じさせぬほど熱いカップルが今、公園で出会おうとしている。



 「ふぁ〜……しかし泉さん…いくらなんでもこんな朝早くから……しかも本人が来てないんじゃ…」


ガランとした早朝の公園で立ち尽くすハヤテ。 ちょっぴり涙を流す……大きな欠伸によって。

夏休み前の約束…ハヤテも泉も忘れなかった。

だからハヤテの休みが決定した瞬間、この小さな旅行計画が練られたのである。


 「それにしても泉さん……」


執事としてではなく、一恋人としてのデートであるため、今のハヤテは私服姿。

そんな彼は、重たい瞼をなんとかこじ開け、ぼぅっと遠くを眺める。

すると姿よりも先に、元気な声が聞こえてくる……



 「ハーヤーテーくぅ〜ん☆」


手を振り、小走りでやってくるのは、もちろん泉である。


 「朝からホント元気なのは分かりましたけど、遅刻ですよー」


 「えっへへ、ごめんごめん」


先程とまったく同じ、柔らかな笑顔のまま泉は謝る。 反省はしていないのだが。


 「それにしても泉さん…朝の6時って、いくらなんでも早過ぎなんじゃないですかぁ〜?」


 「いーの、いーの☆ だって泉、一秒でも長くハヤテくんと一緒にいたいんだもん♪」


ハヤテの手を取り、ぐいっと引き寄せる泉。

ハヤテの手には、しっとり柔らかく、温かい感触が伝わって心地よかった。

女の子の手は……いや、泉さんの手はこんな風になっているのか……と、手を繋ぐたびに思うハヤテ。


 「そうですね、僕も少しでも長く泉さんの隣でこうしていたいですし」


何の恥じらいもない。 それから自然と笑顔もこぼれる。 それを見た泉は、えへへ…と照れ笑いするばかり。

そしてハヤテは、ふと泉の全体像を見てみた。 さっきまではあまり気にならなかったが、泉も私服姿。

その朗らかな笑顔にマッチしたかわいらしい服。

ちなみにハヤテが泉の私服姿を見るのは初めて…というわけではないのだが、いつもより気合いが入っているというのが見受けられる。

だからそんな泉に言葉をかけてあげたい…そう思った。


 「泉さん」


 「なぁに? ハヤテくん」


 「えぇっと…その……………………なんでもないです♪」


泉の眩しいほどの笑顔を見ていると、そんなことは忘れてしまう。

私服…似合いますね………なんてベタな言葉をかけたところで何にもならないだろう、そんな気がしたのだ。


 「えぇー何それー、気になっちゃうなぁ〜」


 「何でもないですってば〜」


「 あるある、絶対何かあるぅ〜」



そんな会話を交わしつつ、二人は手を繋いだまま歩く。 そして、そんなハヤテの目はすでに、パッチリと開いていた…。

























それから二人は東京駅で、新幹線に乗り込むことに……。



 「いやぁ…さすがにこんな朝早くからでは空いてますねぇ」


窓際の席に、向かい合って座るハヤテと泉。 そんな二人を乗せた新幹線は、目的地を目指して動き出す。


 「そういえばこうやって新幹線でどこかへ行くのって、下田温泉いらいだよね〜」


 「まぁ、僕はほとんど走るか自転車でしたけどね」


二人がまだ付き合っていなかった頃の話で盛り上がり、会話は尽きない、笑い声は絶えなかった。

ただそれが嬉しくて、ハヤテも泉も口から言葉が自然と出る。


そしてトンネルの中…


 「泉さん…何熱心に外を見てるんですか?」


泉は真っ暗で何も見えないはずの外を、窓越しに見ていた。

たまに電灯の光が通りすぎるように見えるだけで、何の面白みもない。


 「ねぇハヤテくん…トンネルって…穴だよね? 土を掘ったやつだよね? だったらなんか化石とか見えるのかなぁ〜って思って」


 「ぷっ!!」


窓越しに外を見つめたまま真剣な表情をしている泉を見て、ハヤテはおもわず吹いてしまう。

やっぱりお金持ちのお嬢様なんだな、と感じる。


 「あぁー! ハヤテくん笑ったなぁー?」


真剣に言ったのに〜と、頬を膨らませてプクッと怒る泉もかわいい。

ハヤテは泉のそんな所が好きだった。


 「ははっ! だって泉さん、お嬢様も同じ事を言ってましたよ♪」


「とーぜんだよ☆ だってほら、ナギちゃんって賢いでしょ? 目の付け所が違うんだよ!

それで泉もナギちゃんと同じ考え…つまり泉も、ナギちゃんと同じぐらい賢いって事だもんねー」


そんな事を言ってくる泉がまた可笑しくて、ハヤテはまた笑ってしまう。

それを見て泉が、もーっ!…と言うが、それもまた可笑しくて…そして可愛いかった。


そして、そうこうしているうちに、新幹線はトンネルを抜ける………すると…。



 「わあぁ〜……見て見てハヤテくん!!」


ハヤテはその光景をすでに見ていたが、泉に言われて反応する。


 「すごいキレーですねぇ」


そう、トンネルを抜けたその先には、色鮮やかな海。 朝日に反射してキラキラと輝く。

それを見る泉の瞳も海に反射し、キラキラと潤いある輝きをみせる。 子供のような、純粋な目だ。


 「あ、水着とか持って来ればよかったのにね」


 「まぁ、いいじゃないですか」


そんな事を言うハヤテだが、正直複雑だった。

泉の水着姿が見たかった…けれども他の人には見せたくない……男として当然の考えである。


 「う〜ん、じゃあさ…それ以上の思い出…………作ろうね☆」


首を少し横に傾けて、とびっきりの笑顔を見せる泉。

この時点で既に良い思い出はかなり出来上がっている。


そして改めて泉を見る………やっぱかわいいな…そう思った。














続く……




******************************************


なんというか、キスシーンや、抱きつき攻撃など無しで甘い小説を書こうとする僕ですが、
どうか温かく・・・よろしくお願いいたします。

PS やっぱり前作を読んだほうが良いかも(殴  いやいや、そんなことないですよ!
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.1 )
日時: 2007/11/25 19:27
名前: 卍卍

ちわっす!!!卍卍です!。


あれ?短編集終わってたんですか?
この事実を知りました卍卍ですwww。

いやー・・・・ハヤ×泉、面白そうですねww

絶望の天使・ハヤテ。
幸福の女神・泉

この2人が一緒に旅行したら、
どんなことが起きるんでしょうかね?

楽しみに待ってますね。


P・S
充電池さんの意志を引きついて【ぇ】、短編集をかこっかなーっと、思っています



それではさようならー☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉 ( No.2 )
日時: 2007/11/25 22:35
名前: クロ






こんばんは。
同じく、いいんちょさんファンのクロです。
これを待っていました!!って言いたい気分です。



僕の小説では小島よ〇おの名セリフ、『そんなの関係ねぇ!』と言いたくなるほど、なんでもアリですから、甘くしようとしたら、いくらでも出来るのですが・・・・・・。
キスシーンや、抱きつき攻撃など無しで甘い小説にするのは難しそうですね。




では感想を・・・

デートだからって6時は早っ!!
遅刻はしたものの、そんな朝早く起きれたいいんちょさんさんがまた、凄いですね。
ある意味、ミラクルと言っても過言じゃないかも。





『トンネルだから、化石がある!!』
どうやら、お金持ちのお嬢様にはそういう発想が起きるみたいですね。
小学生か!とツッコミたくなりましたよ。
そんな簡単に化石が見付かったら、苦労しませんよね・・・


さて、ハヤテと2人きりのデート、どんなワクワクドキドキがあるのか気になりますね。
ん?いや、もしかしたら、生徒会3人娘のあの2人も現れるのでしょうか?


短いですがこのへんで・・・。
では、続き楽しみに待っています♪
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.3 )
日時: 2007/11/28 16:33
名前: 充電池


甘い小説も好きですが、甘いものも大好きな充電池です。
この小説で感想をもらえるのは特別嬉しいですw



  >卍卍さん


何度もお世話になります。
ハヤ×泉・・・僕にとってはこれが3作目になるわけですが、甘いのは今回が初かもしれません。
基本的に甘すぎるのは書けないので、少しシリアスが混じりますが。 僕的にドキドキになると思います。 さてさてどんな展開が待っているでしょうかねw

僕の意志なんてものは別にありませんが、短編集がんばってください! 僕もそのうち書きますw






  >クロさん


これを待っていましたかw 予定より早く投稿しておいて良かったですw
今思ったら多少の抱きつきはありになるかもしれません(ぇ

朝6時のデート・・・やっぱ早すぎですよね。
 まぁ、ハヤテの眠気も泉の笑顔で吹っ飛ぶ…みたいなことを表現したかっただけですw

トンネル=化石・・・お嬢様とはいえ、泉も一応16歳ですから、このネタはあまりやりたくなかったですね…ただ海が見えるまでの時間稼ぎなのです。

そしていよいよデート開始なわけですが、ドキドキワクワクなのはおそらく次の次あたりからですね。 次の更新では、ドキドキワクワクのための準備というか前置きみたいなものになると思うので(ぇ

ちなみに当小説、登場人物はハヤテと泉のみです。 誰にも邪魔させませんよw


*********



お二人ともありがとうございました。

ここらで一旦切ります。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.4 )
日時: 2007/11/28 16:59
名前: 充電池


さっそく更新します。





*****************************************









  #2












 「うぅっ……っあぁ〜」


うーんと伸びをする泉。 目的地へ到着。 そこからは海が見え、砂浜が見え、高い建物は見当たらない…風情のある町並み。


 「いいところですね〜」


下田とはまた違う、落ち着いた、のどかな所。

日差しが強くて暑いが、目を閉じればキュウキュウとカモメの鳴き声が聞こえ、波の音が聞こえ、柔らかな風を感じる。


 「ホントだねぇ」


















 「お客様のお部屋はこちらです」


そう言われて案内された部屋は、普通の旅館の小さな部屋。 畳が敷かれてある。


 「わぁ〜狭〜い」


泉、微妙なリアクション。 まぁ普段から土足の大部屋で生活するお嬢様であるため、こんなリアクションは正当なのかもしれない。


 「この旅館…泉さんが予約したんですよね?」


 「そーだよっ」


偉いでしょ…と、ドンと胸を張る泉は、少ない荷物をポンと畳の上に置く。


「 どうしてまたこんな旅館を選んだんですか?」


まさか一般人が利用するような旅館を泉が選ぶとは思えなかったハヤテ。 泉と同じように、少ない荷物を畳に置く。


 「だってこういう所は泉、初めてだし、なんかこう…雰囲気でるしね☆」


実際ハヤテも、こんな感じの旅館がいいなと期待していたため、素直に嬉しかったし、同時に感謝もしていた。


 「……でも泉さん? そんなに旅館でゆっくりさせませんよ?」


悪戯っぽくそう言いつつ、ハヤテは泉に手を差し延べる。 それはまた、手を繋いでその辺をまわろう…という意味を含んでいるのだ。


 「そだね、行こ☆」


泉はハヤテの予想に反するように、右手でハヤテの左手を握り、ハヤテの左腕に余った左手を絡ませた。

さらには体の側面が、ピッタリとくっつきあっている。


 「…恥ずかしいですよ……////」


そう言うハヤテも、言われる泉も、笑顔なまま外へ出る。






































時刻は午前10時。 デート開始から4時間後のことである。

泉はハヤテにくっついたまま、小さな商店街をぶらついていた。


 「ここはホント東京とは違って、のどかなところですね〜」


 「そうだね〜、なんだか年代層高いもんね〜ココ」


何か面白そうな店はないものかと、二人はひたすら歩く。 お土産屋ばかりが立ち並んでいるような気がした。

しかしそんな中、泉がとある場所を指差す。 その人差し指のさす方向に見えたのは……


 「あ、なんかイベントでもやってるんでしょうかね?」


広場には人だかりができていて、ざわざわと賑やかである。 なにやら大きな看板が置いてあるが、ボロボロで読めない。


 「ねぇハヤテくん☆」


言ってみよっ…とハヤテの左手をぐいぐいと引っ張る泉。 それに対してハヤテも、分かってますよとそれに従う。













広場の近くにたどり着いたその時……


 「おっと、そちらの彼! やってみるかぃ?」


マイクを持った司会らしきおじさんに声をかけられるハヤテ。


 「えっ? えっ?」


戸惑いを隠せないハヤテ。 何がどうなっているのか、全く理解できないのだ。


 「いーじゃんハヤテくん! 何をやるのかよく分かんないけど、ハヤテくんならきっとできるよ☆」


パァッと輝く泉の笑顔…それを見ただけで、本当に何でもできるような気がしてきた。

そしてハヤテは司会の人の近くに行ってみる。


 「おっ少年! 勇敢だねぇ〜」


 「…で、僕は何をすればいいのでしょうか?」


 「何って…アレだよアレ」


司会のおじさんが指差す方向には円形の的が見える。 それからハヤテの近くに針がある。


 「あぁ…ダーツですね…」


ゲームの概要を理解したところでハヤテはダーツの矢を持ち、さまになった構えをみせる。

もちろんハヤテはダーツは初めてではない。


  「わっはは、がんばんな若造〜」


  「落ち着いてねー」


  「頑張れー☆」


  「怪我せるんじゃないよ〜」


  「わっはっは」


ハヤテを見守る大観衆(高齢者)の中からでも、泉の応援ははっきりわかる。 そして泉からもう一言………


 「泉の恋人ならちゃんと真ん中に当てないとダメだよ〜☆」


 「(はは…泉さんの恋人って……難易度高いな)」


相変わらず笑顔な泉は、手を振りながらそう言ってくる。

本気でそう言っているわけではない…それぐらい分かるが、この大観衆の中…ハヤテは泉の恋人として、恥をかくわけにはいかないのだ。


 「行きますよぉ!! それっ!」


ハヤテの手から矢ははなれ、空を切り、真っすぐ的の中心をめがけて一直線…。

















続く……








****************************************

ふにゃ。 今回はまぁ、短いし、何が甘いんだって感じですね。
書けなかったわけじゃないです。 甘さばかりで突っ走ってもくどいだけなのでw   ではw
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.5 )
日時: 2007/11/29 15:39
名前: 充電池



甘さを一体どこで感じればいいのだろう・・・そんなことを思い始めた今日この頃・・・。
まぁ、僕的にはハヤテと泉が二人っきりならばすでに甘いんじゃないのかと(逃






でしゅからこーしんします。






****************************************






 #3







 「やったね☆ ハヤテくん!」


ダーツを制覇し、大観衆の外側に立つハヤテのもとへ泉が笑顔で駆け寄る。

そしてハヤテの両手を取り、キャッキャとぴょんぴょん跳びはねる。 元気だなとつくづく思う。


 「賞品がなんかプラズマテレビらしいですけど…どうします?」


 「えっ? テレビ? いらないよそんなの、重たいし」


 「ですよね」


それに瀬川家にも、三千院家にも、持ち帰ったところでお土産にはならないのである。

ハヤテが少々空腹を感じたその時…泉がいきなり…


 「泉もやりたいな☆ ダーツ」




















 「はい、じゃあおじょーちゃんはここからね」


先程の大観衆へ逆戻り。 そして泉は、司会のおじさんからダーツの矢を手渡される。


 「よーし、いっくぞぉ〜!!」



































 「あ〜あぁ〜」


正午になったということで、軽食店でランチをするハヤテと泉。 そこで泉はムスッとしていた。


 「どうやったらハヤテくんみたいにこう…ビューンって飛ぶのかな〜」


 「まぁまぁ…初めてならあれが普通ですよ」


どうやら二人は先程のダーツの話をしているらしい。 泉の矢は言うまでもなく、的にすら当たらなかったのだ。

それでいじけているらしく、残念賞の小さなダルマをつんつんとつついている。


 「う〜ん…どこかに泉を励ましてくれる執事さんはいないかなぁ〜」


そんな事をわざとらしく言ってみる泉。 それは当然ハヤテのことを示していて、ハヤテはそれに対して、えっ? と驚く。

そんなハヤテに泉からもうひとこと。


 「そこのから揚げおいしそーだな〜…食べたいなぁ〜…誰か食べさせてくれる三千院家の執事さんはいないかなぁ〜」


そう言って、キョロキョロする泉……しかしその視線は、ハヤテの方を向いて止まる。

上目づかいで何かをおねだりするような、たまらない表情。 そこまでされるとハヤテは黙ってられない。


 「…泉さん……から揚げ……食べますか?」


ドキドキしながらそう聞いてみる。 すると泉は何も言わない。 ただ、あ〜んと大きく口を開いているだけだ。

ハヤテは、もう反則ですよ…その可愛さ……と思いつつ、から揚げを泉の口へ持っていく。

それをパクッと口に入れ、おいしそうにモグモグと口を動かす泉。

ホントにもう、困ってしまうくらいの可愛さ…ハヤテはただただ照れる事しかできずにいた。

そしてゴクリと食べ終えた泉は笑顔でハヤテの名前を呼ぶ。


 「ねぇ、ハヤテくん♪」


 「なんですか?…////」


 「また今度、ダーツ…教えてね☆」


やっぱ泉さんは元気だ…そう思うハヤテは、照れつつも笑顔になれた。 だからハヤテはこう言う……


 「えぇ、教えますとも! 手取り足取り教えちゃいますからね?」


 「へへ…ハヤテくんのえっち」


 「えぇ!? な、な、何がですかぁ!!?」


ハヤテの優しさ、勇敢さ…そんな所が大好きな泉。

でもこんな、純情で照れ屋なハヤテも大好きだった。 そんな大好きな彼だから、泉もお返しがしたくなってきた。


 「じゃあ手取り足取り教えてね☆ それから約束の証に♪」


今度はハヤテが口を開ける番だ。 正直嬉しいが、恥ずかしい。

しかしこれを受けないと、約束しない事になってしまう。 だからハヤテは顔を赤く染めて口を開ける。


 「はい、どーぞ☆」


モグモグと口を動かすハヤテの前で肘をつき、おいしい? と不気味なほどにニコニコしている。

どうしたものか…とハヤテが思ったその瞬間…しぼんだような表情になる。










  「…ってコレ、梅干しじゃないですかぁーー!!」











酷いですよ〜と、涙を浮かべるハヤテの目の前に、大好きだよと、笑顔な泉がいる。














































それからまた二人は外へ出て、ぶらぶらと歩く。 もちろん泉はハヤテにくっついて。

ハヤテは暑いですよと言うが、それでも泉は、ハヤテを放さなかった。 ハヤテはやれやれと思ったが、内心喜んでいた。



そして二人は、思い思いの店に入っていく。 そのうちに日は暮れていき、再び空腹に見舞われる。


 「あ、もうこんな時間なんだね」


 「早いですよね、時間が過ぎていくのって…」


そんな感じで、二人の会話は絶えない。 そしていつの間にか旅館に戻って来ていた。


 「いやぁ〜今日は疲れたね〜」


部屋に入るやいなや、泉は畳の上に、ぐた〜っと倒れ込む。 それを見て、ハヤテも壁にもたれて座る。


 「ホントですね〜」


 「いっぱい歩いたし、すごい暑くて汗かいちゃったし…」


 「………」


なんだか泉の口から愚痴しか出てこない事に絶句するハヤテ。 もしかして疲れただけだったのかな…と、少々不安になるが…



 「でも楽しかったよ☆」


寝転んだまま、泉がハヤテに視線を向けて、にっこりと笑う。 それに安心したハヤテも、僕もですと、笑って見せる。


 「あ、それでは泉さん…お風呂入りに行きませんか? 汗かいちゃったならなおさらですが」


 「あっ、いいね〜! 行こ☆」


そう言ってバッと立ち上がる泉。 そしてせかせかと準備を済ませ、ハヤテの手を取り引っ張る。

そんな彼女が、まだ十分元気である事に苦笑するハヤテ。


「行きましょっか!」
















続く・・・




****************************************

こんなところで切っちゃいます。

次回はこの流れからすると・・・レッツ入浴タイムですねw

ま、大したことはおきませんがw   ではww
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.6 )
日時: 2007/11/30 16:23
名前: 充電池





今思えば僕は甘い小説を書いたことがあっただろうか?
というより甘い描写さえもした覚えが・・・







更新します。



*****************************************













  #4






カポーン……


当旅館の大浴場…男湯。 そこにはハヤテがただ一人、ポツンと湯舟につかっている。


 「(もしかしたら泉さんと一緒に入ることにかも……って一瞬でも思った僕が情けない……////)」


ハヤテは今、非常に恥ずかしい気持ちでいっぱいであった。 その原因は、大浴場に向かう途中、廊下での会話にある。























―――――――――――――――


 「ハヤテくん、混浴風呂とかあるみたいだけど…一緒に入る?」


 「えぇ!?……////」


いきなりそんな事を言い出すものだからびっくりだ。 恋人同士ってだけあって、本気で言っている…とも考えられる。

まぁ、ハヤテの率直な返事は、もちろんイエスなのだが、さすがにそんな事をサラっと言うのははばかられる。

そんな感じであたふたしていたハヤテであったが………


 「嘘だよ〜ん☆」


ドテ! その言葉にハヤテはずっこける。 今まで色々考えていた自分が憐れでしかたなかった。


 「もぅ…冗談にもほどがありますよ…////」


 「あれ? もしかしてハヤテくん、本気にしちゃった??」


 「うっ!!」


核心を突かれてしまい、うまく否定の言葉が見つからなかった。 すると途端に耳が熱くなるのを感じる。

ハヤテの顔は真っ赤だ。 おまけに、そんな情けない顔を泉に覗き込まれ、とどめのひとこと…


 「やっぱハヤテくん…えっち」


 「ちょっ…泉さん……」


かぁーっとさらに赤くなる。 燃え上がりそうな勢いで熱くなる。


 「泉はハヤテくんと一緒にお風呂なんて…入れないよ………だって…恥ずかしいもん……//////」


泉は最後にそう言い残し、女湯の暖簾の先に消えていく。

真っ赤なハヤテは、そんな泉を見送った後、男湯に入ったのだった。


―――――――――――――――






















 「そういえば泉さん…最後は物凄く照れてたなぁ……」


その辺は普通の女の子っぽいんだなと、新たな発見を喜ぶハヤテ。

そして、泉さんは今…どんな事を思っているのかな…と、たそがれるハヤテ。 疲労と恥はとれていた。























ちゃぷん……


どういうわけか、ここ…女湯にも誰もいない。 いるのは一人の少女…瀬川泉である。


 「ハヤテくんと一緒にお風呂…………かぁ〜…」


湯舟につかりながら、ぼうっとそんな事を呟いてみる泉。

そしてその光景を想像してしまうと、途端に顔が赤く染まりだす。


 「…やっぱ恥ずかしいよ……そんなの…だって泉、ヒナちゃんみたいに綺麗な肌してないし、理沙ちんみたいにスタイル良くないし……」


肩までしっかりと湯舟につかり、そんな事をぶつぶつと呟くばかりである。 しかし、泉はあることに気付く。


 「あ、でもハヤテくん…あの慌てっぷりからして…泉と一緒に入りたかった………のかな?」


えっちだね、ハヤテくん……と、結局そこへたどり着く。


 「さっ…そろそろハヤテくんも出るだろうし、出よっかな…」



























ハヤテが部屋に戻ると…


 「やっほーハヤテくん☆ 待ちくたびれちゃったよ♪」


そんな泉を見て、ハヤテは言葉を失う。 そう、浴衣姿だったのだ。 ハヤテも一応浴衣姿だが、泉が着ると何か違う。

まず普通に可愛い。 またしてもハヤテは顔を真っ赤にしてしまう。


 「泉さん…浴衣姿……………か、かわいいですね」


 「えへへ、ありがとっ☆」


私服姿を見た時は何とか思い止まったが、今回はさすがにそうはいかなかった。

あまりの可愛さに、ポカンと玄関先で立ち尽くすハヤテ。 そんな彼に、泉が声をかける。


 「ハヤテくぅ〜ん、そんな所に突っ立ってないで早く泉のところに来てよ〜」


 「はっ……はいっ!!」


甘い声でせかすもんだから、ハヤテは慌てて泉のもとへ向かう。 だが焦りすぎたのか、ハヤテは段差に足をひっかけ、前に倒れる。

そしてその倒れる先には、ちょうど都合よく泉がいた。


 「ひゃあ…えっ……ハヤテくん………////」


ハヤの視線の先には、浴衣姿の泉と、黄色っぽい畳がある

平たく言えば、ハヤテが泉を押し倒すような状態になってしまった…という事だ。


 「…………//////」


ハヤテは何も言えずに、その状態で固まっていた。 彼は今、非常に複雑な気分だった。


今、自分の下に、かわいい女の子がいる。 その少女は風呂上がりで体がほてっていて、呼吸が荒く、胸が上下に動いているのが分かる。

おまけに理性をくすぐるような甘い香りと、無防備な表情…。


その状態がしばらく続く。 泉は嫌がる仕草は見せない。 だからハヤテは迷う。 二つの思考がぶつかり合うのだ。







泉は健全な恋人であり、自らの手で汚したくない…




男の本能のままに行動する…







そんな考えを巡らせていると、泉の方から声をかけて来た。


 「あの…えっと……泉…………嫌じゃないよ……こういうの………でもちょっと…恥ずかしいだけで………その…」


はぁはぁとした息遣いでそう言う泉の声がハヤテの心を傾けた。 ハヤテは泉の両肩をつかむ…。


 「泉さん……」


 「ハヤテくん……」


すると泉は目をつむり、唇を微かに上へ引き上げた。

それを確認したハヤテは、ゆっくり…ゆっくりと泉の体に、自分の体を近づける。 そして体も、お互いの顔も、もう目と鼻の先。































そこへ………










ピンポーン!!

部屋のインターホンが突然鳴りだし、二人はばっと離れる。 ここでようやく我にかえった二人。 これで良かったのかもしれない。


 「はいっ、どうぞっ!!!!!!!」


ハヤテがそう言うと、ガチャリとドアが開き、夕食が運ばれてきた。

そしてその夕食を机に並べると、そそくさと部屋を出ていってしまった。

また二人っきり……とはいえ、さっきの続きをやりましょうなんて言えるわけがなく……


 「お腹空きましたね!」


 「だね〜☆」


何事もなかったかのように、ハヤテは微笑む。 それに応えて、泉も同じみの笑顔でハヤテを落ち着かせる。


そして二人は、小さく中居さんに感謝するのであった。






続く……











****************************************

おぉ・・・予想通りの落ちでしたね。   ではw
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.7 )
日時: 2007/11/30 20:33
名前: 卍卍


どうもっ!!卍卍です。

ありゃ?僕が来なかった3日間のうちに

いつの間にかこんなに

更新されていましたか。

あ〜・・・中居さん!!

せっかくのシーンなのに・・・・・・・・。やっぱりこの落ちできましたか☆

更新頑張ってください!!!

では失礼します♪
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.8 )
日時: 2007/11/30 22:27
名前: 野崎維織(虎鉄)

こんにちは。虎鉄です。俺も泉ファンです。なので、見つけて

すぐに読みました。感想は・・・とにかくおもしろくて、すごい

ハマリました。ハヤテがうらやましいと思っている俺はおかしいでしょうか?

とにかく次も楽しみにしてます。あとさすが充電池さん。

書き方や内容、すべてがレベル高すぎです。俺の小説とは比べ物になりません。

むしろ比べたら、充電池さんに失礼ですね。

仲居さん、ナイスです。と言うべきですが・・・空気読んでくれよと言いたいです。

もしあそこで来なかったら・・・・。次の話も期待してますよ。

風邪などに気をつけてくださいね。 では、また☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.9 )
日時: 2007/12/01 10:25
名前: 充電池

まずはレス返しですね。



  >卍卍さん


ご感想ありがとうございます。
まぁ、僕は暇が出来れば更新してしまいますのでw

せっかくの危ないシーン・・・もとい甘いシーンは仲居さんに邪魔されるという定番オチです。
実際のところ、こういうのが普通なのかもしれませんが。

…で、余談になりますが、卍卍さん。 荒らし報告されちゃいますよ><
なんでってやっぱり長さ的に・・・。 僕はそんなことしようとは思いませんが、世間の目は厳しいので。
今後、気をつけたほうがよいのではないかと。 僕としてもレス返しに困っちゃいますので^^;




  >野崎維織(虎鉄)


こんにちは、ご感想ありがとうございます。
泉ファンですか・・・全然知りませんでした。 まぁ、僕が貴方の何を知っているんだということになりますがねw

ハヤテが羨ましい>< って僕も思います。 いいんちょさんファンなら当然です!(多分)

 >書き方や内容、すべてがレベル高すぎです。俺の小説とは比べ物になりません。

うわぁ、素直に嬉しいです(涙  僕の幼稚な文章をそこまで言っていただけるとは…。
でも野崎維織(虎鉄)さん。 自分を悪く言っちゃあいけませんよ。 これから貴方はその魂と一生付き合っていかなければならないのですから。 自分に自信をもちましょう。 自分の小説にドンと胸を張りましょう!! なんてくさいことを・・・///

KY仲居さん・・・? まぁ、もしあそこで仲居さんが登場しなかったら・・・。
って無理ですよ! そこからさきは書けません!! 仲居さんが登場しなくても何らかの方法で阻止します!!><


で、またまた余談ですが、HNでキャラの名前を使うのはちょっと・・・
利用規約を読めば分かると思うのですが、キャラの名前を使うとそのキャラのイメージが損なわれるとかなんとか。 ・・・スミマセン生意気なことを・・でも言っておきたかったので。













お二人とも、僕のダメだしをお許しください。








今回は少し短いかもです。  更新します。


*****************************************







  #5







 「おいしいね、コレ」


先程の出来事を完全に無視し、二人は用意された夕食を食べる。

海が近いせいか、出てくる料理は海の幸をふんだんに使ったスペシャルコース。

味はもちろん最高で、思わず笑みをこぼしてしまうほどである。

さらに二人は会話を続け、夕食をほとんど食べ終えたあたりで……


 「ふぅ…ホント、おいしかったですね」


 「うん、もーお腹いっぱいだよ」


笑顔で腹部をさする泉。 満ちたりた表情で、手を後ろにつき、リラックスしていた。

そんな泉を凝視するハヤテ。


 「え…ハヤテくん、泉の顔に何かついてるの?」


その視線に気付く泉。 言われたハヤテは、顔を赤く染めて何か言う。


 「いや、えっと…泉さん、なんだかいつもと雰囲気違うなぁ…って思って…////」


具体的に何が違うか、ハヤテ自身は分かっていなかったが、どうやら泉は感づいたみたいだ。


 「あ、もしかして泉…髪、おろしてるから?」


真ん丸な瞳で覗き込まれるハヤテ……また恥ずかしくなってしまう。 だが泉の言っていることは正しいかもしれない。


 「あぁ、なるほど!!」


 「えぇ〜、もしかしてハヤテくん今まで気付かなかったのぉ〜!?」


相変わらず鈍感なハヤテに、ひど〜いと、ムスッとする泉。 それを見たハヤテは、とりあえず思った事を言わないとなと、思った。


 「いやぁ、泉さんって髪を結んでるとかわいいんですけど…こうやって下ろしてると大人っぽい感じですね」


 「…へ?……////」


予想外のハヤテの反応に戸惑う泉。 いつものように素直にえへへと笑えなかった。

それは嫌ではない…むしろ嬉しいこと……しかし反応できずにいた。

赤くなって黙ってしまった泉を見たハヤテは、地雷踏んだのかと、勝手な解釈をしてしまい、なんとか話をそらそうと考えていた。


 「…えと……泉さん、将来の事とか考えてます?」


苦し紛れに出した話題。 それは高校二年生になり、進路の事など考え出す時期にそくした話題である。

それを泉がどう解釈するかは別として……


 「え!?…えと……その……泉……泉は……////
  
  (しょ、将来って…私とハヤテくんの……? ハヤテくん…もうそこまで考えてくれてたんだ…嬉しいな…)」


心の中ではもう答えは出ているが、声に出すことができずにいた。 突然すぎたのだ。


 「まぁちなみに僕はもう一生執事の仕事を続けます……ってか続けなきゃいけないですしね」


泉よりも先にハヤテが語り出す。 そんなハヤテを見習って、泉も話そうと決意する。

そう、恋人同士な二人の間では、恥ずかしいことでも何でもない…はずなのだ。



 「いっ、泉はね……ハヤテくんの……お嫁さんになってね………それでね、毎日こんな感じの料理をつくるの。

  それからね、お休みの日は必ずデートして…今日みたいにハヤテくんといっぱい歩いて、たくさんお話ししてね……

  それで子供も男の子と女の子一人ずつで…………」


 「………////」


子供…その単語を聞いた途端にハヤテの顔は真っ赤に染まる。 それを見た泉も、遅れて恥ずかしくなる。



         ≪どうやったら子供ができるか≫


を、知っている年頃だからこそ、無駄に妄想が膨らみ、このような事態になってしまうのだ。


 「「…………////」」


二人の脳内で、先程の光景が生々しく蘇る。 おさまっていた恥ずかしさが一気に流れ込む。

そして会話はなくなり、ハヤテは俯いて黙り続ける。 他の話題を探しているのだ。


  「「…………」」


だが、やはり話題が見つからず。 気まずい空気が流れるのを感じたハヤテ。


その時………





カタッ!!





なにやら小さな音が聞こえた。 なんだろう…ハヤテがそう思って回りを見渡す、その前に泉の声がした。


 「あ、見て見てハヤテくん!」


 「え…」


そこにさっきまでの真っ赤な泉はいない。 ほんわかとした無邪気な表情だった。 そしてその視線の先には………


 「こうしたら起き上がって来ないんだね、ダルマ☆」


テーブルの上には、倒れたまま動かない、残念賞のダルマがいた。 そしてそれを指さす泉は、ハヤテの方を向いて、すごいでしょとニッコリ笑う。

ハヤテは何も言わずに微笑む。 そんな泉を見ていると、自然と変な気も無くなり、話したい事、したい事がわんさか生まれてくる。


 「ねぇ泉さん」


 「ん?」


 「花火…しませんか?」


ハヤテがそう言うと、泉はコクリと首を縦に振る。 するとおろした髪が揺れ、ハヤテはツンとくる甘い香りに酔った。










続く・・・





***************************************

次回はぱちぱち花火w  今夜更新します。  果たして甘い展開になるのでしょうか・・・。

では。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.10 )
日時: 2007/12/01 20:05
名前: 充電池





更新します。





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  #6






夏の夜空に星が輝く。 空気が綺麗な土地からは、星の光が鮮明に見える。

下を見れば、白い砂浜、前を見れば群青色の海。 そして隣を見ると…


 「なんかどこ行っても綺麗ですねぇ…」


 「うん…海の音も綺麗だね…」


生温い気温の中、ハヤテと泉は、寄り添って砂浜を歩く。


 「ふぅ…ではこの辺でやりましょっか?」


 「うん、やろ! やろ!」


 「ではちょっと待ってて下さいね……」


ハヤテは手に持った花火セットの包みを引き裂き、無造作に一本の花火を泉に手渡す。

ちなみにこの花火セット…ハヤテがダーツを制覇した際、プラズマテレビの代わりにもらってきたものである。


 「では隊長!! 点火の準備をお願いします!!」


 「イェッサー!! 点火よぉーーーい!!」


会話から分かるように、二人はノリノリだ。 もはや、物凄いアクシデントでも起きない限り、二人の勢いは止まらない!!













 「………あ、火がないです…」


まさかのアクシデントに、ははは…と苦笑いでポリポリと頭をかくハヤテ。 テンションぶち壊された泉は……


 「もぉ〜、ハヤテくんのバカ、バカァ〜!!」


ハヤテの肩にポカポカと拳を打ち付ける泉。 その必死な姿にハヤテは吹き出しそうになるが、そんな事をしている場合ではなかった。


 「では僕、持ってきます!!」


泉の手をほどき、火を求めて旅館へ引き返そうと歩き出すハヤテ。 一刻も早く、泉と花火がしたかった。


 「こらぁ〜、ハヤテくぅ〜ん!」


数歩あるくと、後ろから泉の声が聞こえてくる。

なんですかと振り返ると、そこにはプクッと膨れっ面な泉がいて、その右手を差し出している。


 「泉も行くー!!」


 「えっ…でも泉さん、今日は歩きっぱなしですし…ここから旅館までは結構ありましたよね? ここで待っていた方が…」


泉のためを思って、自分一人が労力を使うようにと思っていたハヤテだったが、泉はその行為を嫌った。


 「でも女の子が夜にこんなところにいるって危ないもん!! ハヤテくんは泉が心配になったりしないの?」


 「え、いや…そりゃ僕の大切な泉さんですから、かなり心配しますよ!」


ならいいよねと、手を延ばし続ける泉…暗くても笑顔である事はハヤテにも分かった。

それに対してハヤテは、ならしょうがないですねと、泉に近寄り、差し出された手を取ろうとする………しかし…


 「それぇ!!」


泉がハヤテの後ろに回りこみ、背中に飛び付く。

久しぶりの抱き着き攻撃に戸惑うハヤテであったが、

自分の首に手を回し、ぶら下がる大切な彼女を振り落とすわけにもいかず、しっかりとその体制を保つ。



 「ちょっ、泉さん! 何やってんですか!?」


 「にゃはは、おんぶだよ〜ん☆」


ハヤテの背中ではしゃぐ泉は、どうやらおんぶを要求しているようだ。 確かにこれなら泉は疲れないだろう。

ハヤテは仕方なく泉の足……正確には太股をぐいっと持ち上げる。 男としては嬉しいが、恥ずかしいに越したことはない。


 「はいはい、分かりましたから、そんなにベッタリくっつかないでくださいよ?」


これで正式におんぶをしたわけだが、泉にひっつかれてしまうと、体のある部分がハヤテの背中に触れてしまうのだ。


 「あれれ、ハヤテくん、何意識しちゃてんの〜?」


 「うっ…も、もう……行きますよ? しっかりつかまっててくださいね?」


 「うん☆」


泉は言われた通り、ハヤテにしっかりとつかまる。 体のありとあらゆる所を密着させて……


 「泉さんっ!!」


 「えへへ、冗談、冗談」


体の密着を解き、ハヤテの肩に手を置く泉。 ただそれでも泉の顔はハヤテの顔の側にあり、甘い香りを感じる。

電灯が少ない真っ暗な夜道だが、ハヤテは隣にキラキラと輝く太陽があるように思えた。








































旅館にライターは無かったが、代わりにマッチと蝋燭があったため、ハヤテそれを懐へ入れた。

そして再びハヤテは、泉をおぶったまま夜道を歩く。 泉は軽く、ハヤテの負担は無いに等しいものだった。


 「い、泉さん!……////」


ハヤテが照れつつも怒った理由…それはまたもや泉がハヤテにベッタリとくっついたためである。


 「………」


ところが今度は返事がない…代わりに、整った寝息が聞こえてくる。 すぅすぅと、かわいらしい寝息である。


 「…寝ちゃったんですね」


泉を起こさないように、今度は声のトーンを一段下げる。

背中の感触は気になって仕方がないが、泉自身に意識がないため、まぁいいかと思えた。

それからしばらく歩き、何気なく泉の顔を覗いてみた。

未だ自分の背中でスヤスヤと眠る泉を見ていると、何だか気分が落ち着いてくる。

泉自身も、ハヤテに全てを任せて眠る……安心している証拠である。


 「ん…これは……?」


今まで気付かなかったが、泉の左手には先程ハヤテが渡した花火がしっかりと握られている。 相当楽しみにしていたのだろう。


 「…ハヤテくぅん……」


目を閉じたまま、泉がむにゃむにゃと呟く。

それを聞いたハヤテは泉をしっかりとおぶり、もう少しですからねと、優しく微笑みかける。


 「んん……ハヤテくん………」


 「(どんな夢見てるんだろ…)」


 「…ハヤテくん………もっと強くても……んぅ…んぁ…」


 「起きてくださーい!! 泉さぁーーんっ!!」



































 「わぁ〜…キレー…」


さっきまで眠っていた泉は、かなり元気で上機嫌だった。 それは今、ハヤテと一緒に色とりどりの火花を散らしているからである。

そうして二人は、淡い光に照らされ、しゃがんで静かに話す。


 「花火なんて久しぶりですね…」

 
 「去年の今頃だったね……夏祭り………一緒に花火見たよね…」


去年の夏祭り…。 それは二人にとって、決して忘れることが出来ない大切な日である。


 「もう一年になるんですね…………僕達が付き合い出してから…」


そう…去年の夏休み前まではお互いが両想いなまま友達だった。

しかし夏休み…夏祭りの会場から少し離れた原っぱで…二人は恋人になったのだ。




ハヤテがそう言い終えると、泉はそうだねと頷く。 その瞬間、ハヤテは見た。

幸せそうな泉の表情に、どこか悲しみが隠れているのを………。







続く……







*****************************************

次回は甘いシリアスになるような・・・?  では。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.11 )
日時: 2007/12/01 20:27
名前: 卍卍

ちわーっす、卍卍です♪
感想書きますね☆

いや〜、ハヤテ!!泉とラブラブだな!!。
これを西沢、ナギ、ヒナギクたちが見たら、
大変だろうな〜♪。
それにしても、充電池さんは心情表現がかなりうまいですね☆。
僕なんか足元にも及びません。
泉、どうしたんだ!?
ハヤテとあんなにラブラブなのに?。
次回、衝撃の回になりそうで、どきどきしています。面白そう〜♪。
では次回を楽しみに待っています。



それでは〜☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.12 )
日時: 2007/12/04 00:21
名前: 野崎維織(バジル)

ハヤッスー。バジルです。駄目だしありがとうございます。

これからはバジルと呼んで下さい。感想は、さすが充電池さん。

書き慣れていますね。文章の使い方がすごいうまいです。そして

おもしろさもあり、この小説に俺は一発ではまりました。まあ泉が好きなので

(ハヤ×泉)ってところでひかれて見たと言うのが一番の理由ですね。

充電池さんにぜひ小説のいろはを教えてもらいたいものです。

次回の展開は甘い展開から一気にどん底に落ちるんでしょうか?

楽しみです。これからもお体に気をつけて書いてくださいね。

では、また。ハヤヤー。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.13 )
日時: 2007/12/06 21:36
名前: 充電池

まずはレス返しです。


 >卍卍さん


ご感想ありがとうございます。
ホントにラブラブですねw こんなところを誰かが見てしまったら・・・いろいろと起きそうですが、当小説ではハヤテと泉以外は登場しませんのでそこまでは考えてません><

心理描写ですか、お褒めの言葉、ありがとうございます。 恋愛小説なので力を入れているつもりです。

そして次回・・・てか今回は、シリアスになりますね。 どんな展開なのかは見てからのお楽しみですw 衝撃の回・・・そうですね。 そんな感じかもしれませんね。



 >バジルさん


まずはバジルさん、僕ごときのダメだしを聞き入れてくださり感謝しています。

おもしろさ・・・ですかw まぁ、もともと恋愛小説よりもギャグ小説を書くことが多いのでそうなるんでしょうかね。 まぁ、甘すぎるかはいいかと自分でも思っています。 ちなみに、小説のいろはは語れませんよw 感覚で書いているので。

甘い展開からどん底へ・・・う〜ん、まぁどん底ってほどではないかもです。
シリアスな展開に裏付けされた甘さってものに挑戦してみる所存であります。













お二人とも、本当にありがとうございました。 では本編のほうへ参りたいと思います。




******************************************























  #7







 「……あの時ハヤテくん…泉のこと……好きって…言ってくれたんだよね…」


 「はい…」


最後に線香花火に火を燈し、二人は寄り添い…それぞれの火花を見つめる。

それから会話は途絶え、今にもボトリと落ちそうな線香花火を見据える。




















   「……ごめんね」















 
 「え?」


突然泉が謝った。 ハヤテは訳がわからず泉を見るしかできない。

そこにはいつもの笑顔はなく、今にも泣き出しそうな、弱々しい表情があった。


 「あのね……夏休み前とかにね……泉、ハヤテくんと帰りたいとか…もっと遊びたいとか思ったの…

  でもハヤテくんはさ…三千院家の執事さんだから……だから忙しいってのは分かってるよ……」


ハヤテはその言葉を黙って聞いていた。 未だどうしたものかよく分からないが、何か伝えたいんだなと思えた。 泉は言葉を続ける……


 「…だけどね……ある日突然………泉…怖くなったの……ハヤテくんは…本当に泉のことが好きなのかな…って……でもね、

  今日分かったの…ハヤテくんは…泉のこと…本気で愛してくれてるって……」


ぱちぱちと小さく音を奏でる線香花火が、より一層泉の気持ちを熱くさせる。

ハヤテにも何かが込み上げる。 もしこの線香花火が落ちてしまったら………………










 「泉さん……」


 「でも…でも……ハヤテくんを疑ったのには変わりなくて……だから……だか…ら……」


泉が次の言葉を言うとき…どんな事が起きるか、ハヤテには大体予想はついていた。 とはいえ、今の泉にハヤテからかけてやる言葉はない。

その言葉を静かに待とう…受け止めよう……そんな気になれた。





















 「だから…………ごめんね…」


声を上ずらせ、やっとの思いでそれを言い終えると、泉は俯き、ぎゅっと瞼を閉じる。   その時……

























ポタリ……





























泉の輝く線香花火が砂浜の上に落ちた。







泉が伝えたかったこと…それは謝罪の気持ちかもしれない……しかしそれだけではない。

その言葉の裏に隠れた、泉の要求。 ハヤテは不思議と悟る事ができた。


 「泉さん…」


ハヤテは泉の手を引き、立ち上がらせる。 そして泉の肩に手を置いて、真っすぐに向き合う。

それからハヤテは、自らの手で、泉の目から頬に渡る水滴を拭く。 すると真っ赤に腫れた瞼の奥に、煌めく瞳が見えた。

うっ…ぇぐ…と、度々鳴咽が漏れるが、そんな事は気にせず、ハヤテは優しく微笑む。


 「夏祭り以来……恥ずかしくて言えませんでしたけど…勇気を出して言いますね…」


一度しか言いませんよと、言いたげなハヤテを、泉も真っすぐに見据える。 そうしてお互いの瞳にお互いが映った時…ハヤテは口を開く。


































 「僕は泉さん…………貴女を………愛しています…」










 「うっ…ハヤテく……」


言い終えてすぐに、ハヤテは掴んだ肩をぐっと引き寄せ、抱きしめる。

泉はハヤテの胸の温かさに安心感を覚え、顔を押し付けて泣き崩れる。


 「…こちらこそ……心配かけてしまいましたね………」


ハヤテはそう言いながら、流れるようにサラサラな髪を撫でる。

おろした髪は撫でやすかった。 そしてその香りに、ハヤテ自身も落ち着きを感じてくる。


 「ハヤテくん……うっ…ぇぐ……ハヤテく…ハヤテくん……」


ハヤテの名前を何度も呼び、その胸を濡らしていく泉。 そんな泉に、僕はずっとここにいますよと、さらに強く抱きしめるハヤテ。


 「僕は泉さんの笑顔が好きですからね、泣き顔は見たくないです」


声の調子を一段張り上げ、泉の髪に顔をつけ、耳元でそう囁く。

泉は泣くばかりで、何も言わないが、それでもハヤテはねんごろに、泉にこう語りかける。






 「だから泉さんが泣き止むまで……もう少し、こうしていましょうね」







去年の緑色をした原っぱとは違う……月の光に照らされた、銀色に輝く砂浜の上で、泉が泣き止む気配はなかった。




























































散々泣いた泉は、ハヤテの背中で、再びスヤスヤと眠る。

つまりハヤテは泉をおぶっているわけだが、そんな泉の横顔を覗いてみると、またもや安心しきった、何の迷いも無い寝顔をしている。


 「泣き疲ちゃったんですね……」


もちろん返事は返ってこないが、そう呟いてみる。 不思議とやましい気持ちは生まれてこない。




そしてそんな状態なまま、ハヤテは旅館の、自分達の部屋に戻る。 ドアを開けると、そこには既に二つの敷き布団が用意されていた。


そしてハヤテは、泉を起こしてしまわぬように、ゆっくりと布団の上に寝かす。

ハヤテから離れた泉は、それでも気持ち良さそうにぐっすりと眠る。 そんな泉の隣で、ハヤテはそっと寝顔を覗く。


 「…泉さん…僕の前ではいっつも元気で笑顔だったのに……そんな苦悩を抱えていたんですね…」


やはり自分は鈍感なのか…と、自覚するハヤテ。 そうしていくうちに、自然と思い出が蘇る。


 「去年…ヒナギクさんと別れて、物凄く気落ちしてた僕を…泉さん、貴女は慰めてくれて、抱きしめてくれて……

  それから僕の事を好きだって言ってくれた………まぁ、その時僕は分からないって答えたけど…嬉しかった…。

  それであの夏祭りで僕が泉さんに答えをだしたんだっけ……。 今思えば僕は、泉さんと付き合って正解…だったのかな…」


普段の生活では見られなかった泉を前に、長々と思い出を振り返るハヤテ。 苦い思い出ではない…むしろ、最高の思い出だった。

しかし、なぜかしんみりしてしまったハヤテ。 それから泉の頭を撫でるようにして、つやつやした髪に触れてみた。

ひんやりと冷たく、そしてなによりも心地よい。


 「そう…これでよかった……………ですよね? 泉さん…」


その返事を待つかのように、ハヤテは泉が目を覚ますのを待った。








続く・・・






**************************************

シリアスなシーンもおわり、次回は甘い甘い深夜のお話になりそうです。 ではw
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.14 )
日時: 2007/12/06 22:33
名前: 野崎維織(バジル)

ハヤッスー☆バジルです。

さすが充電池さん。文の使い方がうまいですね。

本当に羨ましいですよ。俺もがんばらないといけませんね。

今回の話はすごくシリアスで好きですね。泉も普段の可愛いさ

がなくて大人っぽさが出ていてよかったです。次回は、

甘い甘い深夜の話ですか・・・。これはもしや・・・

すごく楽しみです。更新が待ち遠しいです。

お体に気をつけてこれからもがんばってください。

では、また。ハヤヤー♪
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.15 )
日時: 2007/12/08 20:58
名前: 充電池

ではではレス返しです。

  >バジルさん


ご感想、ありがとうございます。
バジルさんはシリアス好きなのでしょうかね。 一応最後はシリアスな感じで完結するようになっています。 基本的に大人っぽさあふれる泉を、僕は得意としていますね。 逆に天真爛漫な泉を表現するのは苦手・・・とはいいませんが、難しいと思っています。 深夜の話は今回と次回にわたります。 特に期待してはいけませんが、甘すぎない甘さを目指してみます。

バジルさんも小説、がんばってください。  ではw










では本編です。


***************************************

















 #8








 「あ、泉さん、おはようございます♪」


 「…うん、ハヤテくんおはよ……………って、えぇ!!?」


起きて早々、泉は慌てふためく。 そんな泉を見て、ハヤテは吹き出す。


 「ぷっ!…嘘ですよ♪」


笑顔で泉に言い聞かせる。 その後、泉はその言葉の意味を理解するのに数秒間要し、ホッと一息つく。


 「あんまりだよぉ〜ハヤテくぅ〜ん、もう朝になっちゃったかと思っちゃったじゃんかぁ〜」


安心からか、泉はその場でくた〜っと布団に倒れ込む。

そして、それに合わせるかのように、ハヤテも泉の隣に倒れ込む。


 「でも、もうすぐ12時ですからね、僕は寝ますよ?」


 「え〜、だったらハヤテくん、泉を起こしてくれればよかったのにぃ」


布団に寝転んだまま、二人の目が合う。 そしてその焦点を1ミリもそらさず見つめ合う。


 「だって泉さんの寝顔がかわいくて、つい見入ってしまったんですよね」


 「ずるいよハヤテくんばっかりぃ〜、泉もハヤテくんの寝顔みたいなぁ〜」


 「さー、もう寝ますよー」


ハヤテは部屋の明かりを消す……そして二人はそれぞれの布団におさまる…。




























ただ今の時刻…深夜零時。 良い子は眠る時間でも、やっぱり二人の活動は続くのである。



 「ハヤテくん…寝ちゃった…?」


 「………」


隣の布団で目を閉じているハヤテの方を向いて、泉がポツリとそんな事を言う。 しかしハヤテからの返事ない。


 「……ハヤテくん?」


 「………」


ホントに寝ちゃったの?と、その場でジロジロハヤテを見つめる泉。 だがやはりハヤテからの返事はない。




 「……」




 「…………」




 「…襲っちゃうぞぉ〜」




 「……………………」




真っ暗な部屋で、カチッカチッと時計の音だけが聞こえるばかりである。 だが泉はまだジロジロとハヤテを見つめる。


 「……なんだ、やっぱりハヤテくん…起きてるんじゃん」


 「…なんで分かったんですか?」


ハヤテの負け。 何の勝負だったかは知らないが…。 ただ泉は本当に、ハヤテ起きていた事を感じていたのだ。


 「なんでかって? そんなの簡単だよ。 見破るのが泉で、寝たふりしてるのがハヤテくんだからだよ☆」


 「なるほど…」


泉が何を言ってるかさっぱり分からなかったが、とりあえず納得しておく事にしたハヤテ。 そんな事よりも物凄く眠たいのだ。


 「ねぇハヤテくん…そっち…行ってもいい?」


散々眠った泉に、眠気というものは存在しなかった。 ゆえに元気である。 そんな泉を近くに来させるのは少々危険かもしれない。

眠たくても寝れなくなる可能性大…。 だが、大好きな泉なのだ。 ハヤテがその行為を拒む理由はなかった。


 「…どうぞ」


ハヤテはそう言って掛け布団を手で上げて、泉を向かい入れる。

それを見た泉は、やったねと、笑顔でハヤテの方へ、コロコロと転がって行き、ハヤテにぶつかって止まる。

泉が自分のもとへやって来たことを確認し、ハヤテは布団をかけ直す。


 「えっへへ☆」


妙にテンションが高い泉は、ハヤテに寄り添い、その顔を見上げて笑いかける。

ハヤテは、泉の体の温かさに包まれ、その笑顔に吸い込まれ、とろーんと瞼が重くなる。


 「ねっねっ、ハヤテくんハヤテくん、お話しようよ、ねぇってば☆」


 「お話…ですか……」


やはり泉は寝かせてくれない。 寝ずに泉とお喋りするのもいいが、体が言うことをきかないのだ。

愛らしいはずの泉が、ハヤテの目にはぼんやりと映る。


 「先に寝ちゃった方が負けだからね☆」


 「僕、かなり不利ですね……」


負けてしまうとどうなる…ということはないのだが、二人は自らの勝利を狙う。



そして二人の…二人だけの、終わらなさそうな夜が始まる。








 「ハヤテくん、今日…かっこよかったよね☆」


 「え?…何がですか?」


 「何ってダーツだよ、ダーツ☆」


 「あぁ、まぁ僕には命を賭けて練習してた時期がありましたからね」


 「へぇ〜、さっすが泉のハヤテくんだね☆」


 「ははっ、ホント泉さんの恋人は難易度高いんですね」


 「もう、ハヤテくん以外には無理かもねっ☆」


 「………それ以前に誰にも渡しませんよ」


 「へへへ……あっ、そういえばハヤテくん」


 「ん? 何ですか?」


 「明日はどこ行こっか?」


 「僕はとりあえずお土産買っていきたいですね〜」


 「何買うの?」


 「お嬢様はレア物の同人誌がどうとか言ってましたけど……」


 「ナギちゃん、相変わらずだね」


  「泉さんはどこに行きたいですか?」


「え? えっとえと…」


 「あ〜でもこの辺、何にもないですからねぇ〜…なにか観光スポットみたいなのがあればよかったんですがね」


 「………」


 「あれ? 泉さん?」






ハヤテの勝ち。 泉はハヤテの胸板に顔をうずめてすやすやと眠る。 あれだけ寝といてよく寝れるなと思ったハヤテ。

だがこれで安心して眠れる。 ハヤテは自分の胸で眠る泉の背中に腕を回し、目を閉じた。



今、聞こえる音は時計の音…そして今の寝息。

さらには遠くの海の音まで聞こえたような気がした。 時々カモメの鳴き声も聞こえた。

とはいえ全体的に静かである。

泉さんのいつも以上の明るさはこの土地が一層引き立ててるんだなと、ぼんやり思っているうちにハヤテは泉を追いかける。













続く……





******************************************

次回は明日更新予定です。 それでは。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.16 )
日時: 2007/12/09 11:16
名前: 背番号2

こんにちは!! 久しぶりにコメントさせていただきます。。。

それにしても、最近だんだんハヤ×泉が増えてきましたね・・・。
自分もうかうかしてられません。。。
頑張らないと・・・。

もう、充電池さんの小説は大好きですvv
もう、ほんわか具合がたまりません!!!
具体的なことを書くのは苦手なので、こんな感じですが・・・。
すいません。

それでは☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.17 )
日時: 2007/12/09 16:33
名前: 充電池

もうすぐ最終話です・・・。 そしてレス返しです。


  >背番号2さん


ご感想ありがとうございます。 ハヤ×泉はたしかに増えてきていますが、どの作品もそれぞれに味があって良いですよ。

そして大好きだなんて・・・//// 照れちゃいます。 素直に喜んでいます。


  >もう、充電池さんの小説は大好きですvv
  >もう、ほんわか具合がたまりません!!!


無理して具体的におっしゃらなくても良いですよ。 そう言っていただけるだけで僕は幸せいっぱいですからw
ではお互いに頑張りましょう!!











今回の更新は短めで、微妙な終わり方になりますが、理由があります。
次回をより一層盛り上げるためです!!(多分    

では本編です。



*******************************************
















  #9






辺りが静まり返る中、ある旅館の…ある部屋からもぞもぞと、微かな音が鳴る。


 「ん…泉、寝ちゃってた……」


ぼんやりと目を開き、視線を上へとあげてみた。 そこには案の定ハヤテがいて、寝息をたてている。

そんなハヤテの右腕は、泉の体に回されている。 それを見て、ハヤテくんったら…と、優しげな笑みをうかべる。 素直に嬉しかったのだ。


 「あ、そういえばハヤテくん…………やっと見れたね…寝顔」


ハヤテは熟睡中だが、語りかけるように泉が言う。

とはいえ、特に変わった事もなく、普通の寝顔だったことをほんの少し残念に感じる。


 「ハヤテくん…無防備だねぇ…」


またもや眠気が冷めてしまった泉は、何を思ったのだろうか…ニヤニヤと不気味であった。


 「へへへ……ハヤテくんに何しちゃおっかなぁ〜」


色々と考える…そしてハヤテの顔を凝視していた泉は、ある行為を思い浮かべる………

それは恋人同士ならば、しても許される行為であり、互いの愛を確かめ合う行為である。

泉は無意識のうちに、自分の唇をハヤテの唇近くへ持っていくが、それは直前で止まる。


 「(…よく考えたら泉…ハヤテくんとキス…一度もしたことないな…)」


初キスがこんなにも一方的なものでもよいのか…と、迷いが生じる。 さらには泉、ファーストキスもまだである。

その相手はハヤテと決まっているが、やはりこんな一方的ではダメだと貢えた。


 「(…そういえばハヤテくん………ヒナちゃんとキスとかしてたのかな…)」


ふと思った。 自分はともかく相手はどうなのかと。 それでも互いにキス未経験である事を望む。

だがその不安が消えないため、ハヤテの胸に戻り、小さくうずくまる。 そして言い訳を言うように……


 「いいもん別に…今はハヤテくん…私のハヤテくんだもん」


その言葉とは裏腹に、今度ハヤテくんに直接聞いてみよう…そしてその時に、二人の初キスを遂げよう…そんな気持ちが生まれた。


そのうちに泉は、ハヤテのもとへ帰っていった。













































 「んん……」


真夜中にハヤテが目を覚ます。 まだまだ眠たいのにも関わらず、なぜか目を覚ます。

目の前には、うっすらと泉が映るが、自分が起きてるころの状態と比べると、大分違っていた。


 「ちょっと…泉さん……////」


寝相が悪いせいか、泉の浴衣は乱れていて、白い肩がチラリといやらしく見えてしまっていた。

それに一瞬興奮するが、すぐ我に返り、きちんと直した。

まったく、世話がやけますねと、頭を撫でるが、当の本人はまったく気がつかないみたいで、すやすやと眠る。

だがそんな泉も可愛くて、つい体を寄せてしまう。


 「こんな時ぐらいは……僕も泉さんに甘えても…いいですよね」


そっと泉に囁いてみる。 当然返事は返ってこないはずだが……













 「いやだよ…ハヤテくん」











えっ…と、泉を覗き込む。 するとやはり泉は目を閉じている。 なんだ寝言かと、安心するものの、何か引っ掛かる。







 「ハヤテくんは……泉の…ハヤテくんなのに……ダメだよ…」







寝言でそんなことを舷ってしまうという事は、今ハヤテは相当ショッキングな夢でも見ているのだろうか。

泉が言うのを聞く限りでは、ハヤテが泉から離れていくような……そんな感じだ。

心配になったハヤテは、また耳元で囁いてみる。










































 「僕はずっと…泉さんのそばにいますよ」


それから泉は寝言を言わなくなった。 ハヤテも何も言わない、何も思わなかった。

それでただ泉を見つめていたが、しだいに瞼が重くなる。

ずっとそばにいる……その言葉を立証するかのように、ハヤテは泉と添い寝する。

そして夢の世界に迷い込んだ泉を迎えに行くのであった。










































すれ違う夜は通り過ぎ、太陽は昇り、朝日が二人を照らす。 先に目を覚ましたのはハヤテの方だった。


 「……」


夏の朝は暑くない。 ただ自分の胸にうずくまる泉は軟らかく、温かい。

そんな心地よさを堪能しつつ、ハヤテはぼうっと泉の目覚めを待つ。


 「ん……んん……んぅ」


そんな声を発して泉は動き出す。 それからゆっくりと泉の目が開く。

二人の目は合うが、そのまま沈黙が流れ、無言なままハヤテは泉と共に半身を起こす。


そしてようやく……


 「おはよ…ハヤテくん」


またもや浴衣がはだけていて、いやらしく肩が見えている。

だが今は気にならず、朝日を全体に浴びて光り輝く泉を見て綺麗だと思った。


 「おはようこざいます…泉さん」




その後、二人は着替えを済ませ、朝食を済ませるわけだが、かなりの時間を要するのであった。













続く・・・







******************************************

【口付け前の甘い風〜夏物語〜】そろそろ最終話となります。
次回はもんの凄く頑張って書いてみる予定です。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉 ( No.18 )
日時: 2007/12/09 18:28
名前: クロ




どうも、クロです。


久しぶりにこのサイトにきたら、もうすでに8回も更新されていて、驚きました。
って、もうすぐで最終回ですか!?

どんどんコメントして、応援しようと考えていたのに・・・たったの2回しかコメント出来なかった。(悲)
とりあえず、感想を・・・


ハヤテと泉、ラブラブですね。

〉『泉さんの寝顔がかわいくて、つい見入ってしまったんですよね。』

相変わらずハヤテはなんて発言をするんだ!?
そんな言葉、恥ずかしくって、僕にはとても言えませんよ。


〉『先に寝ちゃった方が負けだからね☆』

宿泊するには、定番の言葉ですね。
好きな人が隣にいるのに、そんな簡単に寝れないよ!って思いましたよ。


〉『へへへ・・・ハヤテくんに何しちゃおっかなぁ〜』

寝込みのところをキスするシーンは僕の小説でもする予定ですが・・・
やはり、泉のこのセリフを聞いた時、凄いドキドキしちゃいました。






充電池さんが書く小説はやはり、面白い!!
別に謙遜しなくてもいいですよ。
今回の小説も、ただ甘くするだけでなく、少しシリアスを加え、泉とハヤテの互いの嬉しさ、不安、疑問などの心情がはっきり表れています。

特に泉がハヤテに対する気持ちがすごく心に伝わってきました。
やっぱり、いつも笑っている彼女でもいろいろ考えているのだなと思いました。
自分の小説にもただ単に甘くするだけでなく、いろいろ工夫したかったのですが、充電池さんのこの小説を参考にさせて頂きたいです。


では、そんなところで充電池さん、更新楽しみに待っています。

PS 体の方はもう大丈夫なんでしょうか?
病気に負けないように頑張って下さい♪
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.19 )
日時: 2007/12/10 18:32
名前: ララ

こんにちはー、御無沙汰です、ララですよー♪

最近いたるところで作者名で「充電池」さんをお見かけします。
やっぱ才能ある人はすごいですよね、頭の中に浮かんでくる回路では?

さて、そんな熱烈ないいんちょさんファンな充電池さんのいいんちょさんストーリーの三作目、今までのいいんちょさんストーリーもお気に入りで、毎回ちょこちょこ読んでたりしてましたが…今回はその中でも一番面白いです。
ちょっとバカそう(すみません)に見えても、内側にとても熱い?厚い?思いを抱いているんですね。それといいんちょさんは「M」だと思ってましたけど…今回は少し違う面があるようですね。まあ泉がMだとハヤテはドMになるので、この旅行面白かったりします。
まあ、なんにしても私の方もよろしく、お互い頑張りましょうね♪
お体に気をつけて!

では!
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.20 )
日時: 2007/12/10 19:58
名前: gin

 今回はひなゆめに来て以来、初めて感想というモノを書きます。
 初めまして充電池さん、ginと申します。


「ありえねぇ……」

 僕が充電池さんの作品を読んで最初に発した言葉はコレです。
 決して悪い意味ではなく、こんな小説が存在するのは信じられない……。
 という驚きから来たものでした。


 今回の作品はハヤテと泉。
 キスシーンは無いと宣言されているので、甘さ控えめかと勝手に想像。
 結果……甘かったのは僕の方、見事に撃沈されました。


 六時に待ち合わせ、手を繋ぐ、さらに寄り添う、励ましとから揚げを同時にねだる……。
 普通の所作が既に甘い、そうか、泉はいつも全力かつストレートだからなぁ。

 混浴の話題や、ふとした拍子に意識する……。
 王道が似合う、似合い過ぎる、微笑ましい泉らしい。

 将来の夢はお嫁さん、素の夢は……。
 成程、もう泉の中では一線を越えてる仲だと。

 疑ったことを謝る……。
 純粋。


 えーっと、とりあえずここまでの分析をしてみましょう。
 あぁ、こうやって並べるとダメージが大きくなる様に計算されてるのがよくわかる。
 構成もイイということと、何より泉の内面が伝わってきました。
 流石いいんちょさんファン、やってくれますね。

 何気に泉の寝言に衝撃を受けました。
 書き手としては描写できなくても、キャラクターにさせることは出来る。
 そういう書き方もあるんだなぁ、と連想しました。
 ……えっと、少し充電池さんの伝えたかった解釈と違うかもしれません。


 ハヤテの過去と恋愛観はかなり特殊。
 この作品は破局したあとのストーリーなのでハヤテには相当ダメージがあった筈。
 最高の思い出、これでよかったと言えたのは泉のおかげでしょう。
 これを通せるのは、ストーリー展開に無理が無かった証明だとも思います。

 就寝前の攻防はハヤテの勝ち?
 いやいや、騙されませんよ。
 寝たいと思っていたハヤテを、自分が寝るまで喋らせた。
 要するに泉が真の勝者です。

 ファーストキスに夢を抱き、夢へ帰る泉。
 乙女ですね、ええ。
 眠りへ戻るときの表現が秀逸、そういえば泉の夢にはハヤテがよく出演。
 思わず読み返しましたとも。

 その後の寝言。
 これまでの流れで薄々予想していた、泉の独占欲の強さが証明されました。
 ハヤテのそばにいるという囁きは、ナギに言うものと意味が違う。
 間接的に自分が泉の恋人であるということを、改めて宣言した形ですね。
 見方によっては所有物扱いを承諾したとも取れますが、今後の展開を注目です。

 
 行間の使い方が凄いですね。
 読んでみれば雰囲気と緩急が出ていて、スクロールバーが気持ち良く下へ。
 文章自体も厳選されているらしく、その簡潔さと「間」で情景ではなく空気が読める。
 僕には絶対思いつかない、仮に考えたとしても決して使えないワザ。
 いくら「行間を読ませる」と言っても程がある……目から鱗でした。
 読み易いなんてレベルじゃありません、思わず冒頭のセリフが出た次第です。

 この作品に限らず、充電池さんには学ぶところが多いです。
 発想しただけで、作品にはならないという話はよく聞きますが……。
 充電池さんには「発想をとにかく作品にしよう」とするパワーが感じられました。
 また、あまり自分を追い込まず、手を抜かず。
 小説を書く姿勢というのでしょうか、これが素晴らしいと思います。

 僕は何か書く度に、どうしても自分がぼろぼろになってしまうという癖があります。
 人と意見を交わすと、ほとんどが削りあいと凌ぎあいです。
 楽しそうに小説を書き、意見を交わしている充電池さんを尊敬し、見習いたいと思います。



 最後に。
 ……何しろ初めて感想を書いたので、やたら長くなりました。
 次回からはもう少し圧縮した方がいいかもしれません。
 また、了承が得られるなら、次はもう少し突っ込んだ感想も書いてみようかと思います。

 兎にも角にも応援しています、楽しみにしています。
 どうか無理のない範囲で、頑張ってください。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.21 )
日時: 2007/12/15 15:36
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1810

わぁお・・・感想が物凄い・・・。 今回はレス返しのみで頑張ります。






  >クロさん


ご感想、ありがとうございます。
別に急いでいたわけではないのですが、更新スピードが速かったでしょうかね? まぁ、最終回・・・といえども〜夏物語〜の最終話ですよw ということは・・・・まぁ、そこからさきはご想像にお任せいたしますよ。

>ハヤテと泉、ラブラブですね。

当たり前ですよw 二人の甘さを売りにした小説ですからね。 まぁ、ラブラブだといっていただけると嬉しいです。 ハヤテはもう泉との交流で恥ずかしさを忘れているような設定ですよ。

寝込みにキスしようとするシーン・・・当初はほっぺにキスの予定でしたが、いろいろ考えてやめておきました。 全ては次回のためです。

>充電池さんが書く小説はやはり、面白い!!
>別に謙遜しなくてもいいですよ。

はい、別に謙遜はしません。 かといって自慢気にするつもりもないですが。 とにかく自分が考えて考えて並べた文章ですからね、誇りを持っていないとバカみたいなので。

体は今、大丈夫ですよ。 病気は完治したので(いづれ再発するのですが・・・)。







  >ララさん


ご感想ありがとうございます。 お久しぶりですね。
才能・・・というよりかは努力と言っていただけたほうが嬉しいかもです^^; いろいろ考えて考えて作品を仕上げていますので・・・。 まぁ、そんなことはどうでもいいのですが。

3作目ですからね・・・前作よりも気合を入れて書いています。 そんな中で、泉の熱い気持ちと、ハヤテの優しい心づかいを丁寧に書き上げているつもりです。 元気ないいんちょさんの違った面・・・そこにも僕はこだわります。 そんな泉のギャップが大好きで、僕は泉ファンをやっているのかもしれません。

ちなみに僕は泉は決してあからさまなMではない!!・・と思っているのですw








  >ginさん


初めまして。 ご感想ありがとうございます。
初の感想で僕の小説とは・・・いやぁ、なんだか悪い気もしますが本当にありがとうございます!

…はい、キスシーンはなくても甘い小説が出来るかな〜ってな感じで書き始めました。 そしたらこんな物凄い感想が来て・・・感動している僕…。 甘さが控えめだと思って軽く見ていると撃沈しちゃいますよ〜><(自分で言えることではないのですが)

>普通の所作が既に甘い

そういうことですね。


>疑ったことを謝る……。
 純粋。

あの部分はかなり頑張って書きましたよ。 いっちょ前に隠喩表現を組み込んでみましたが、僕のおもいが伝わっているかどうか不安です><

いいんちょさんファンの名にかけて・・・!! な〜んて僕が言っても良いのか微妙なトコですが、なにがともあれ解釈は全て読者様にまかせてあります。 本当の甘さは読者様がいかにリアルに、いかに立体的に想像を膨らませるか・・・で、著者はその手助けをしているにすぎませんので。

そうですか・・・やはりヒナギクとの破局後という設定は効いたのでしょうねw
無理の無い展開だったみたいでホッとしました。

就寝前の攻防・・・真の勝者は泉・・・。 すごい・・・僕が思ったことがそのまま文章になっていてビックリしましたよ(汗

眠りに入る二人は、とりあえず神秘的に・・・繊細に表現しようと思った結果ですかね。 そのようなご評価を頂いて、嬉しいばかりです!!


>見方によっては所有物扱いを承諾したとも取れますが(以下略)

まぁ、たしかにそうですよね。 「泉のハヤテくん」と言っている時点でそうなんですが、深く考えないでください>< 小説内でのキャラが言った言葉なので。 まぁ、今後の展開は・・・大詰めって感じになりますね。

…行間・・・ですか。 行間はまぁ、ある程度法則(?)にしたがってあけていますね。 僕自身時に気にしていることではないのですがね。 「行間を読ませる」・・・よい言葉を聞きました。 これからもそう言うことを気にかけていこうと思います。

>「発想をとにかく作品にしよう」

まぁ、僕の場合はですね。 頭に浮かんだ物語をとにかく書きとめていきますね。 その後、小説を書き上げて何度も見直し、削っては補ってを繰り返しているような気がします。 そんなパワーが伝わっていたとは・・・素直に嬉しいです。

>あまり自分を追い込まず、手を抜かず。

自分が試行錯誤して書いた小説ですからね、自分を「文才がない、下手ですね」なんていえませんよ。 ですから手を抜くわけにはいかないんですよね。 僕にとってもう、小説を書くことは趣味という一線を超えてしまっているので、楽しく書いています。 コミュニケーションを交わして自分をレベルアップさせるのも楽しいですよ。

つっこんだご感想もお待ちしております! まぁ、次回はかなり気合を入れて書きますが…。
感想は長くても短くてもOKですw  頑張ります!!





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次回の更新は今夜になります。

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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.23 )
日時: 2007/12/15 20:29
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519

うぇーい、レス返しです。


  >Whimさん

ご感想ありがとうございます。 サブを見る限りではWhimさんもハヤ×泉小説書いているようですね。 楽しみにしています。

キャラの魅力・・・ですか。 まぁ、ハヤテと泉しか登場していませんがねw 自分の小説を大好きだといっていただけるのはホントに気持ちいいですねぇ。

…で、ついでにいっておきますが、短すぎると荒らし報告されちゃいますよ><
感想が短いと僕もレス返しに困ってしまうので。















  では〜夏物語〜最終話・・・本編です!!





******************************************














  #10


























 「うぅ〜〜ん…良い朝だねぇ〜」


 「良かったですね、晴れて」


旅館をあとにした二人は、練馬に帰る前にお土産を買うため、昨日の小さな商店街をぶらぶら歩いている。


 「あ、これなんかお嬢様にいいかもしれませんね」


 「えぇ〜そんなの買ったらナギちゃん怒っちゃうよ〜?」


 「え…そうなんですか?」


とある店でお土産を選ぶ二人。 ハヤテがこれがいいと言うと、決まって泉は反論する。


 「ハヤテくんは鈍感だからね〜、女の子の気持ちをもっと考えなきゃ!!」


 「えぇ!? でも僕、泉さんの気持ちをちゃんと考えてますよね?」


ですよね?…と、泉を覗き込んでみると、ふふふ〜それはどうかな〜と、言いそうな笑顔を見せる。


 「まぁそんな鈍感なハヤテくんも、泉は大好きだけどねぇ〜♪」


えへへと、ハヤテを見上げる泉は、いつものように髪を結んでいた。

束ねた髪が、上下にぴょこぴょこと揺れる度に、ハヤテは自然と笑みがこぼれた。








お土産は決まりそうにない。


















































一通りお土産は買い終えた二人。 これで二人のデートは終わりなのか…泉はそう思い始めてしまい、少々元気をなくしていた。


 「あ〜あ〜…」


 「どうしたんですか? そんな声出しちゃって」


荷物持ちは当然男の仕事であるため、重くもない荷物がハヤテの右手には握られている。

それとは対称的に、ハヤテの左手には泉の手が握られていて、そこに詰め込まれた思い出の重さを二人で支えている。


 「ねぇハヤテくん…これから泉達が行ける所って…どっかないかなぁ…」


今日一日でも散々色んな場所を訪れた。

そのせいで今はもう夕方なのだが、これから行ける場所…それは果たして存在するのだろうか。


 「そうですねぇ…」


ハヤテは辺りを見回すが、本当に何もない。 古い民家と海しか見えない。

だが目を懲らすと、そこに白くて高い建物があった。 それをハヤテは指差すと………


 「行こ、行こ☆」


それが何なのか分からないまま、ハヤテは泉にぐいぐいと引っ張られて歩く。






















 「わぁ〜…」


 「……すごいですねぇ」


二人が入った建物…それは展望台で、頂上からはほぼ一色の絶景が見える。


オレンジ色の夕日が水平線から半分顔を出し、海の青は掻き消され、一面オレンジ色に染まる。

空の青も、雲の白も…全てがオレンジ色に光り輝く。

そんな風景を食い入るように見つめる泉の瞳もオレンジ色に輝くのが見えた。


 「泉さん…泉さんは今…幸せですか?」


 「ん?」


夕日のさらに向こう…はるか遠くの空に瞬く星を眺めたまま、ハヤテが泉に話し掛ける。

聞きたかったのだ…夜から気になっていた事を……


 「泉さん、昨夜見た夢……覚えてますか?」


夢というのは不吉なもので、これから起きる事の前兆だと言われる事もある。 そして泉は昨夜、寝言までこぼしていた。

だからハヤテは心配だったのだ…これから何かとんでもない事が起きてしまうのではないかと。


 「あぁ、それならハッキリ覚えてるよ……ちょっぴり悲しかったけど…」








                         ―――悲しかった―――







その言葉を聞いた瞬間、ハヤテはぞくっと身震いを感じた。 やはり泉は不吉な夢を見てしまったらしい。


 「悲しい夢……ですか?」


 「うん…。 なんかね、ハヤテくんが泉から離れていっちゃう夢……」


泉は未だ夕日を見たままそう言うが、恐怖感からか、べったりとハヤテに寄り添ってきた。

それに対してハヤテは、夢の話ですから…と、後ろから泉の肩に手を回し、自分の方へ軽く引き寄せた。


 「泉さん……」


 「ハヤテくんは泉のところを離れてってね…それでね………それでね……






















                                      虎鉄くんとオランダに行っちゃったの……」


泉の最後の言葉に、ハヤテはずっこけた。 なぜならそれは絶対に有り得ない事だからである。

とはいえ何事もない事が判明し、安心するハヤテ。


 「僕はあんな変態のトコなんかに行きませんよ」


ハヤテの虎鉄に対する扱いは相変わらずキツイが、泉を安心させるように優しく言った。

それに対して泉は、分かってるよと、首を縦に振る。


 「だって夢の中で聞こえたもん………ハヤテくん…ずっと泉のそばにいてくれるって…」


にぱっと笑顔を見せる泉。 ハヤテも自然と笑顔になる。


 「当たり前ですよ…だって…………僕はそう言いましたからね」


ハヤテが見せる優しい笑顔…泉が大好きな彼の笑顔。

幸せなんて…こんな感じでしょ?…と、言葉ではなく、泉自身も笑顔で返す。

それからハヤテは、なんとなく泉をそっと抱きしめる。 そこに漂う甘い香りに吸い込まれていく。

泉はそれを受け入れ、腰に手を回し、自分の全てをハヤテにゆだねる。


 「…ハヤテくん……これからずっと……泉と一緒にいてくれる?」


 「はい」


背中越しに小さく響くカモメの鳴き声、波の音、風の音。

しかしハヤテは、深く、温かな泉の声が…その響きが1番好きな音だった。


 「泉を守ってくれる?」


 「はい…泉さんがどこにいたって…僕が守りますから…」


抱き合いながらそんな事を囁き合う二人。 ハヤテも泉も笑顔。 ただ泉の長いまつ毛の間からは、一筋の熱い光が流れていた。


 「ハヤテくん……」


























    風が吹く……
























時が来た。 今こそ二人はその愛を確かめ合う…そんな想いをそそるような風。

しかし、それは泉の頬を滴る熱い光と、何とも言えない感情に遮られる。

だったらせめて……そんな思いで泉はハヤテの胸に顔を埋め、無言のままハヤテのハートに接吻する。














































           ……………初夏の夕暮れに吹いた甘い風……………






















               〜今度はいつ吹くのかな…〜

















         高校二年の夏…









                     重なったのは














                                     想いだった……






















   〜完〜








*******************************************


さぁてさて、ついに完結してしまいましたねぇ・・・。

【口付け前の甘い風〜夏物語〜】は終了です。 え? 夏物語って? …そう思った方もいるんじゃないでしょうか。

まぁ、夏の出来事でしたからねw     では。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.24 )
日時: 2007/12/18 17:21
名前: gin

 完結お疲れ様です、しっかり読ませて頂きました。
 やはり長いですが、今後は迷惑をかけない程度に纏めますのでご容赦下さい。
 今回は少し突っ込んだ感想を書いてみようと思います、ginです。

 と、その前に。
 泉がハヤテに謝るシーン、充電池さんが伝えたかった事とは何か?
 隠喩を僕が解く事は無粋とも思います。
 ですが僕の感想で不安にさせたのなら、自分なりの解釈を述べるのがスジでしょう。

 ……これは、線香花火を二人の恋に例えた事だと思います。
 ハヤテに謝ったとき、この恋が終わってしまうかもしれないという予感。
 消えかけている花火を自分、あるいは自分達に重ね合わせた泉。
 嫌われる事を覚悟しての告白は怖かったでしょう。
 花火と一緒にこれまでの二人の関係は終わったんだと思います。
 だからハヤテは新しい関係を築く為に、改めて気持ちを口にする必要があった。
 間違いなくこの小説のハイライトシーンですね。
 今回は終わりと始まりの境界に位置する話だと、伝えたかったのではないでしょうか。


 さて、最終話です。

 お土産選びにダメ出しをする泉。
 二人で買い物する時間を引き伸ばしたかっただけなのか、本当に非難していたのか。
 真相は語られないままですが、答えを出す必要はないでしょう。
 微妙なかけひきと、かけあいを楽しんでいる二人。
 今はそれで十分だと思いますから。

 ハヤテの手にあるもの。
 重くもないというお土産と、二人でないと支えられないという思い出。
 例えた重さの対比が見事だと思います。
 また、来たときは戸惑い、半ば流されるまま手を繋いでいた二人でしたが……。
 今は必然となった様子で、なんともいえない絶妙な甘さ具合が良い感じです。 

 夢のお話、泉が行う今作二度目の告白。
 一度目の告白より衝撃を受けたのは僕だけではない、と思いたい。
 はい、爆笑させられました。
 ここまでの流れで完全に頭がシリアス解読モードになってましたから。
 絶対、絶対ヒナギクだと思ってたのに……してやられました。
 ハヤテと泉のカップリング以前に、これは「ハヤテのごとく!」だと再認識。
 間違いありませんね、充電池さんは正当な「ハヤテのごとく!」の作家です。

 ラストシーン。
 肩の力が良い意味で抜けたのはハヤテも同様、読者の心境とシンクロしてますね。
 そしてごく自然な、二人らしいやりとりで抱き合い……フェードアウト。
 もうこれは、ええと、なんと言えば良いんでしょう。
 すばらしい、感動した、お見事、ひゅーひゅーアツイねお二人さん?
 プラスな言葉ならもう何でも口にします、お好きなものを僕の意見として下さい。


 ……ここからは少し攻撃的な意見を述べさせて頂きます。
 僕ごときがこんな事を言うのは、同じ作品を書く者の格としてはどうかとも思います。
 が、了承は既に取っており、何より本当の意味で感想を完成させる為に。
 どうかご理解を頂き、目を通して下さることを願います。

 今回の作品にはテレビ、ダルマ、から揚げ、梅干し、花火といった小道具が登場していますね。
 どれも活用するシーンがあり、意味がある道具だと思います。
 ただ、小道具は扱いに少し違和感を感じました。

 プラズマテレビと花火。
 テレビの扱いに困るといった話題になって、すぐにハヤテが空腹を感じ、泉はダーツに挑戦。
 結局食事のシーンへ移るのですが、この辺りでどれを軸に読み進めるべきか混乱しました。
 この混乱と甘めな展開によって、プラズマテレビと花火を交換するエピソードが隠れています。
 後に花火を出した瞬間のインパクトを優先されたのかもしれません。
 ただその為に混乱させるよりは、この時点で花火を出した方が良いのではと思います。
 形のある無意味なのものより、消耗品でも思い出を……。
 この話の軸を朧気ながらも通し、読後はより明確に感じさせられる様に。

 から揚げと梅干し。
 なんとも甘い食事シーンの主役。
 展開は非常に良く、完成された流れだと思います。
 これについては単純に、目を閉じるという動作が欲しいかな、と感じただけです。
 目を閉じた泉は衝撃があるでしょうし、マネするハヤテも梅干しに気付かないでしょうし。

 ダルマ。
 ハヤテと泉の雰囲気転換の為に一役買いました。
 これはダルマが音をたて、起き上がらない状態になった事へ泉の注意がいった為。
 疑問はどうしてダルマが音を立てたのか、そして起き上がらない状態とはどういったものなのか。
 この辺りの描写をして頂ければ、より説得力が出てくるのではないかと思います。

 梅干しは、カレーなら激辛という泉の好みを知り尽くしたチョイスだと思います。
 花火に至っては物語の核、眠りながらも握りしめる泉など素晴らしいです。
 だからこそ、このあたりの事に気を配ればよりスッキリするのではないでしょうか。

 最後に僕がみつけた誤字報告を。
 #2(レスNo.4)の本編34行目「言って」と、#6(レスNo.10)の本編33行目「体制」


 まとめとして。

 読後の余韻が心地よかったです。
 全体的に様々な工夫が凝らしてあり、キャラクターへの愛を感じました。
 焦れったくも微笑ましい。
 三歩進んで二歩下がり、それからさらにもう一歩。
 そんなスローペースな二人の恋愛、続きが気になります。
 ……これ以上あまり多く言う必要はありませんね、とても楽しく読ませて頂きました。

 一部苦言を呈しましたが、この作品を心から読んだ事実は変わりません。
 こうして感想を書いた今は、よくここまで書けたものだとも思いますが……。
 やはりこうなったのは必然だと感じています。
 これは一重に、この作品が素晴らしいものだったからでしょう。

 冒頭で述べた解釈は不安を拭えたでしょうか。
 僕の中では感想を書く事で、より鋭い読者の目を持つ為の、良い勉強となりました。
 書き手と読み手の視点の違い、このズレをリアルで体験できたのも幸いです。

 キャラクターの個性と魅力を再認識しました。
 題材である「ハヤテのごとく!」という作品の楽しさを再認識しました。
 気付かせてくれたこの作品と充電池さんに感謝を込めて、感想とさせて頂きます。


[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.25 )
日時: 2007/12/22 14:00
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519

ではでは気合を入れてレス返しです。

  >ginさん

またもやご感想、ありがとうございます。 感想と同じくらいだけレス返しをする僕ですが、今回ばかりは・・・どうでしょう。 ご勘弁を。


…で、隠喩表現の解読。 ふむふむginさんはそのようにとらえていたのですね。 僕はただ単に泉の涙を線香花火に例えただけで・・・^^;  なんだかginさんのいっていることのほうがしっくりきますね。 …ということでそういうことにします!! つまりginさん、貴方の解読は正解です大正解ですっ!!

お土産選びのシーンでも、ginさんはどんぴしゃです。 とにかくハヤテとじゃれあっていたいという泉を必死こいて表してみることにしました。

手をつなぐ二人・・・。 これは意外と、僕がもっとも気に入っている演出です。 小説の序盤で泉が、「思い出を作ろう」みたいな事を言っていたような気がします。 その答えがこの演出・・・ってなわけです。 随分前のこととつなげるってのは、小説を書く上で楽しみにしていることです。

夢のお話、あれが爆笑ですかw まぁ、たしかに意表をつく発言ですからね。 ラストだからどんどんシリアスにぃーーーー・・・・・と、思いきや、まさかの変態。 「ハヤテのごとく!」という原作の雰囲気を表そうとした一瞬でした。 まぁ、僕に完全なる「ハヤテのごとく!」は表せませんが。

ラストシーン・・・。 一番苦労して書いたトコですね。 キスなし宣言しておきながら、題名は「口付け前の甘い風」。 口付け前!!? そう、口付けをなんとか関連付けさせなくては・・・と焦りました。 何度も添削しました。



そして、お次はginさんの攻撃(?)を受けます。 いえ、当たりに行きます。

花火セット登場のタイミングですか・・・。 僕としては花火の存在は直前まで隠しておきたかったのですがね・・・。 やはり読者様の観点から見ると混乱を招いたり招かなかったりなんですね。

目を閉じよ、ハヤテ…。 たしかに…ここは自分でもしまったなと思いました。 まぁ、そんな不十分な文章があるからこそ充電池なので付け加えたりはしませんが。(頑固)


泉がだるまをいじって起き上がれないようにした・・・。 その際の音、どうしてそんな音が鳴ったかはどうでもよくて、とりあえず二人の沈黙を表してみただけなのです。 起き上がらないとはどんな状況か…? まぁ、そこは想像ですよ。 僕自身だるまで遊んでいて思い浮かんだネタなので。

そして誤字報告、感謝です。



まぁ、そんな訳でありがとうございました。 ginさんの登場は僕にとってかなり力になりました。 長いレス返しは苦手ですが、そんな僕でも自然と文章が浮かんできます。

僕もよりいっそう、「ハヤテのごとく!」そのものを好きになれたような気がします。

では。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.26 )
日時: 2007/12/22 20:55
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519


なんというかおまけ話・・・でしょうかね?

いやいや、決しておまけなんて軽いものではないですが^^;

夏物語・・・つまり夏のお話があれば・・・。 季節は他にもあるわけですし・・・。

そんなわけでどうぞ。















*****************************************




















  ##1























冬休み前…二人はこんな約束をした。


 「ハヤテくん、ハヤテくん♪」


 「泉さんは朝から元気ですね」


 「えへへ…あのね、泉ね、冬休みにハヤテくんと二人で、どこか遠い所に行きたいんだ〜」


 「遠い所…ですか?」


  「うん☆ 泉とハヤテくん…二人でね、外国へ行くの」


  「それはちょっと無茶な気が…」


 「分かってるよ、でも行きたいんだもん。 いつになったっていいから…ハヤテくんと行きたいんだ☆」


 「ま、泉さんと一緒なら…どこへでも……」























                       ―――口づけ前の甘い風―――





                              〜冬物語〜
























































寒い寒い冬。 真昼だというのに寒い。

そんな寒さを感じさせぬほど熱いカップルが今、薄曇りの空の下…寄り添って歩く。




 「うぅぅぅ……」


 「……大丈夫ですか? 泉さん」


物凄い厚着なうえに、ハヤテにベッタリとくっつく泉。 鼻を赤くして、ぶるぶると震えている。


 「うん……大丈夫…」


 「……やっぱり外を歩くのは無謀かと……」


とても大丈夫ではなさそうな顔をしている泉……。 今二人がこうして外を歩いているのは泉の提案なのである。


 「……やだよ…泉はハヤテくんとこうやって外を歩きたいんだもん………」


 「…仕方ないですねぇ」 


はぁ…っと吐かれた息は白くなり、やがて空気と混じって見えなくなる。

泉も同じく…冬の寒さに混じり、笑顔が少なくなる。 ハヤテは単純に冬というものを恨んだ。


 「う〜ん…なんでハヤテくんの手はこんなに温かいんだろう…」


握った手からは、温かいものが流る。

同じ人間の手なのにどうしてこんなにも違うんだろぉと、切実に悩む泉。


 「まぁ僕は雪の日でもTシャツ一枚で過ごしていた時期もありましたからね」


さすがハヤテくんだねぇ…そんな眼差しを送る泉であるが、それは決して笑顔には見えない。

これだから冬は困ると、ハヤテは見本を見せるごとく笑顔を振り撒く。


 「泉…冬とか、寒いところって苦手なんだよね〜」


やはり笑顔を失った泉は、どこか泉らしくない。

とはいえ笑ってくださいよなんて言えない。 そして泉は天に向かって、文句を言うように息を吐く。 白いもやが天に上る。


 「あ〜ぁ〜…冬なんてなければいいのになぁ…」


泉がそう、愚痴をもらした次の瞬間、真ん前から身を切るように冷たく、呼吸の間を与えさせないほどの突風が吹き荒れる。

泉はぎゅっと目を閉じ、ハヤテにしがみついて耐える。

ハヤテはそんな泉を受け止め、背中に腕を回し、そっと引き寄せる。

そしてその風が吹きやんだあと、ハヤテは泉の肩に両手を置き、面と向かって言う。


 「ほら、泉さんがそんな事言うもんだから罰があたったんですよ〜」


 「ぷぅ〜、寒いものは寒いんだもん…でも外にはいたいもん!!」


もはや言ってる事が無茶苦茶で困ってしまうが、それは単純に可愛い…そう思えた。

そして、ふっと小さく笑ったハヤテは、泉の両頬に両手をそえる。

ハヤテの温かい手の平は、泉の体温を一気に上昇させる。


 「これでどうです? ちょっとは温かくなったでしょうかね?」


赤く染まる泉を前に、にこりと笑って見せるハヤテ…その笑顔によって心までも温まるのを感じた。

そして泉は、自分の頬にそえられた両手の上に、さらに自分の手をのせ、目を閉じる。


 「うん……ハヤテくん……とっても温かいよ…」


その状態なまま、ハヤテは遠い空を見る。 冬の澄み切った青は消え




    ハヤテの手のように温かく…


               泉の顔のように真っ赤な……




丸くてくっきりとした夕日が見える。 鮮明に見える色とりどりの山々から、ぬっと顔を出している。


 「綺麗な夕日ですね…」


 「うん……」


その夕日を見ていると、つい夏の出来事を思い出してしまう。

その日二人は、口づけとは違う方法で、相互の愛を確認したのだ。


 「ねぇハヤテくん…」


 「どうしました?」


 「ちょっと…ついて来て……」


 「えっ……」


泉に引っ張られ、ハヤテはどこかへ連れていかれる。 どこへ行くかは不明だが、ハヤテは泉の悲しそうな目を見逃さなかった。

笑顔が最近見れないのはもしかしたら、真の理由があるからではないか…そんな思いしか出てこない。


不安になった…だがハヤテは心に決めていた。


     何があっても僕はずっと泉さんのそばにいる………と。


                              泉さんを守る…と…。













続く・・・




******************************************


〜冬物語〜短めとなっております。 というより次回でホントにホントに最終話です。

ハヤテと泉…二人の初キッスは生まれるか!? 次回、その辺に注目してご覧いただけるとよいかと。 まぁ余計なお世話ですがね。

そんなわけで次回…うん、おそらく明日ですね。 頑張ります。 では。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.27 )
日時: 2007/12/22 21:14
名前: 野崎維織(バジル)

ハヤッスー久しぶりです。バジルです。

いつの間にか冬物語に変わっていてびっくりです。

長い間来れなくて大変でしたが、この小説が見れたので

本当にうれしいです。今度はいつ来れるか分かりませんが、

また次回も待ってますよ。

では、ハヤヤー☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.28 )
日時: 2007/12/23 13:38
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519

う〜んと申し訳ないことに色々ありまして、今日は本編を更新できませんねぇ。
前回、「続きは明日です」みたいなことを言っておきながら沈黙ってのはアレなので、レス返しでもしておきます。




  >バジルさん

季節がすぎていくのはあっという間〜って誰かが言っていましたが、そのとおりなのです。
ですから夏物語から冬物語へ移ってしまうのもあっという間なのです!!(へりくつ

…で、えーっと・・・う〜んと…なんだかレス返しに困っちゃいますねぇ。
喜んでいただけたのは嬉しい限りなのですが、なにがどう嬉しいのか、どこがよかったか…など、
具体的な内容がかかれていないので困っちゃいますねぇ。
感想もらう側がこんな事を言ってしまうのも失礼かとは思いますが、
感想をいただいたお礼として、僕もそれ相応の感謝をレス返しに込めたいので…。


うーん・・・何がともあれ、ご感想ありがとうございました。 次回も頑張ります。
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.29 )
日時: 2007/12/23 15:42
名前: 卍☆卍

うい〜っす。卍☆卍です。
やったぜぃ!!今日の模擬試験かなりできた〜。

・・・・というのは後にして、
おおおおおおお、きましたね〜。
夏から冬へとバトンタッチ!しかし次が最終話ですか・・・・・。
面白かったんですがね〜・・・。

まぁ、次の最終話頑張ってくださいね。
後、小説への感想ありがとうございました。
明日にでも更新します。

それでは最終話待ってますね。




それでは〜☆
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Re: 口づけ前の甘い風(ハヤ×泉) ( No.30 )
日時: 2007/12/24 11:35
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1519

うぇーい、ありがたきご感想が来ているのでレス返しです。



  >卍☆卍さん

ご感想ありがとうございます!! 今回が最終話・・・それは僕にとっても大変悲しきことなのでございます。
冬は日が短いので文章も短いのです>< (?)

…で、えーっと・・・返す言葉が無いですねぇ。 少なくとも僕には思いつきません。(No28参照)

まぁ、最終話ですからね、精一杯書き上げます。












ではではこれがホントに最終話です。  どうぞ。




*******************************************
























  ##2




























ガタン…………ガタン………



誰もいない冬の公園にたどり着く二人。 ハヤテは自動販売機から温かいコーヒーを二本取り出して、泉の待つベンチへと戻った。

するとそこには、やはり悲しそうに俯く泉がいた。 最近どうもおかしいとは思っていたが、ハヤテは黙っていた。

それでも泉が好きだったから…。


 「………泉さんっ♪」


とはいえそんな顔は嫌だから、明るく意地悪を……という事で、ハヤテはその二本の缶で泉の頬を挟む。


 「ふぇっ!?……あ、ハヤテくん……ありがと…」


突然感じた温かな感触に戸惑いながらも礼を述べる泉。 ハヤテを見上げるその瞳には潤いがある。

絶対何かある…そう確信はするのだが、それを直接泉に問い掛ける事も出来ずにいた。


 「どうぞ、泉さん」


ハヤテは泉の隣に座り、コーヒーの一つを泉に手渡す。 それを受け取る泉は、両手で缶を握り、温もりを感じていた。

そんな泉に、何の用なんですかと、あえて聞かずに遠い空を眺める。 先程の赤い空は今、黒一色の空へと変貌を遂げている。


 「見てくださいよ、泉さん…」


ハヤテが指差す向こうには、キラキラと輝く星が見えた。

その星はまさに、大宇宙を感じさせる空にちりばめられた、点々とした光。

二人はその神秘的な星空に見とれて、しばしの間、沈黙が生まれる。












           しばらくして……


















 「…うっ……ぐすっ……ひっく」


 「泉さん……?」


空を見上げたままの泉の瞳から、星の光が流れた。 熱い光が頬をつたって、流れた。

突然の出来事…しかしハヤテは驚くそぶりを見せず、泉の手を握り、優しい眼差しでまじまじと泉を見つめる。

そして泉は、依然としつ空を見上げたまま…潤った声で言う。


 「……ごめんね…突然泣いたりしちゃって………ただ泉はね、

   いつまでこうやってハヤテくんと一緒にいられるのかなぁ…って……思っちゃってさ……」


ぽろぽろと流れ出る星くず……その一つ一つが落ちていくのを、じっくりと見つめるハヤテ。

そんなハヤテは、泉が言おうとしていたことを、よく理解出来ずにいた。 理由は簡単…去年の夏。

ハヤテは泉に永遠の愛を語ったからだ。 そして今年の夏には、何があってもずっとそばにいると誓ったのだ。


 「………」


この時点ではまだ何とも言えず、泣かないでくださいと、星くずを拾うことしか出来なかった。

そして、詳しい理由が告知されるのを待っていると、案の定、泉が再び口を開く……




 「あのね…お父さんの会社の都合でね……5年間…アメリカに住まないといけないの……」


その言葉を聞いたとき、ハヤテはショックを受けるどころか、ホッと安心した。

それは変えようのない運命で、泉がハヤテを嫌いになった…というわけではないからである。


 「5年間ですか………長いですね……」


ハヤテの言葉に、無言で頷く泉は、申し訳なさそうに俯く。 すると突然…泉の頬を、ハヤテは両手で包み込む。


 「ハヤテくん……////」


温かい……。

何よりも先にそれだけを感じた。 泉は不思議でしょうがなかった。

二人は同じ人間で、同じ星空の下にいる…なのにこんなにも体温には違いがあるものなのか……と。


 「泉さん」


冷たい…。

何よりも先に、それだけを感じた。 ハヤテは不思議でしょうがなかった。

こんなにも柔らかくて…こんなにもきめ細かい肌で……なのに体温は低い。

この時、笑顔な泉さんなら体温はもっと高いんだろうな…何の根拠もなくそう感じた。


 「ごめんね…一緒に外国行きたいなんて言って……私一人で行くことになっちゃった…」


今のハヤテに、『悲しみ』という感情は生まれなかった。 実感が湧いてこないのだ。

今ここに『瀬川泉』…彼女がいる時点では、何も悲しくない。

失ってから悲しむんだろうなと、ハヤテ自身も分かっていた。


 「…でも5年後には…帰ってくるんですよね? だったら何の問題もないですよ……悲しくなんか…ないですよ…」


ハヤテの声のトーンが下がっていくのを感じ、泉はハッとした。

いつの間にか、泉の星がハヤテの方へ流れていってしまったからだ。

それを見た泉は、まだ自分の頬に添えられていた、温かいハヤテの両手をどかし、ぎゅっと握る。


 「……じゃあなんでハヤテくんは…………泣いてるの?」


悲しいんだよねと、泉がハヤテを覗き込むが、ハヤテは違うと、首を横に振る。


 「これは…泣いてるんじゃありません……涙が出ているだけです……」


声は大体通常時と同じだが、それでもハヤテの瞳からはぽろぽろと星くずがこぼれる。

ちょうどこの星空の星と同じぐらいの………。 二人が残した思い出と同じ重みの…。


 「でもハヤテくん……」


それでも心配そうにハヤテを見つめる泉…。






 「泉さんが好きで………泉さんが好きで……涙がこぼれるんです」






 「えっ…」


風でカサカサ揺れる木の葉の音よりも……風がヒュウヒュウ鳴る音よりも……………大好きな泉の笑顔…そしてその響き。







 「この世界で…たった一人の泉さんですから…」







 「ハヤテ…く…ん……」


夏の時と同じく…泉はハヤテの胸に顔を埋める。 泉にとって、ハヤテに言われた一言は強烈すぎたのだ。


 「泉さん……」




川のように流れる星空の下…風のように流れる泉の髪を撫で、二人は星を流す。



































 「ハヤテくん…」


 「どうしました? 泉さん」


星空の下でのハヤテと泉の物語は続く…。 そこは当然のごとく寒い。

しかし、そんな寒い空気も、冷たい風も、夜空に瞬く星を見上げていると忘れられる。

あれほど厄介に思えた寒さが無くなったのだ。


 「ハヤテくんは今…幸せ?」


 「えぇ、僕は今…とっても幸せですよ」


満ち足りた表情をした二人…二人の頬はもう乾き、平常心を保てていた。


 「どうして?」


 「どうして…って、そりゃ明確な理由はないですが……でも幸せって、そこら中にいっぱい落ちてるもんですよ」


 「へぇ〜」


ハヤテの言葉には、深みと温かみがあった。 ゆえに泉は笑顔になる。

やはり泉の笑顔の源は、ハヤテの包容力にあったのだ。


 「あ、やっと笑ってくれましたね、泉さん」


 「えへへ、ハヤテくんが好きだから笑顔がこぼれるんだよぉ☆」


太陽のような笑顔…明るく…温かく…柔らかい…そんな笑顔にハヤテは吸い込まれていく。

そんな中、泉はある事を思い出した。 今年の夏…聞いてみようと言って忘れてた……あの事を……。


 「そういえばハヤテくん……………ヒナちゃんと……きっ……き……キスとか……したことある?…////」


心臓のバクバクが聞こえる。

別にハヤテのファーストキスを奪えなくてもいい…自分にそう言い聞かせるが、心のどこかではいやしい願いがあった。


 「…え、あぁ、無いですねぇ………そういえば」


 「ほ、ホントに!?」


心の中で跳び回る泉。 やっぱり願ってたんだなと、自ら気付く。


 「ですから僕のファーストキスを奪うのは泉さんかもしれませんね」


その言葉にドキッとする。 何のためらいもなしに言ったハヤテ……まったくもぅこの鈍感さんは……と、泉だけ真っ赤に染まる。

しかし、悔しいから泉も少し意地悪をしてみる。


 「それって遠回しに、泉にキスして欲しいってこと?」


勝った…この時、泉はそう思ったのだが、ハヤテはさらに上の存在であった。











 
 「違いますよ泉さん…僕が……泉さんにキスしたい…って言ってるんですよ」







その言葉が聞こえた瞬間……






              半年ぶりの…あの風が吹く……












時が来た。

今の泉なら…出来るような気がした。 しかし、そんな勇気…簡単に生まれたら誰も苦労はしない。

泉がちらっとハヤテの方を見る。 それと同時にハヤテも泉を見る。













目が合う。













それから二人は無言のまま、互いの想いを悟る。























二人は真っすぐに向き合う…そして………









































                  ……………初冬の銀河の下に吹いた甘い風……………



























   高校二年の冬…





               星々に見守られ……






                             月の光に照らされ……




































     重なったのは…













                             …唇だった。































        〜完〜











*****************************************

ここらで完結です。 こんな恋、してみたいなぁと思えっていただければ本望です。

…で、ここまで来たら続編を書きたくなってしまう充電池。 ですがまぁ、ほかにもうpしたい小説は多々ありますし、
続編は来年の今ごろには・・・できるのかな??

まぁ、何がともあれ、ここまでご覧になった読者の皆様方、本当にありがとうございました。

どなたか最高の感謝方法を教えてください>< …ってぐらい感謝です。


…では、今度はまたギャグ小説に走っちゃいそうです。
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