政府は二十四日の閣議で、イージス艦に搭載する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が先の実験成功で配備可能になったのを受け、他国が弾道ミサイルを発射した場合の対応を定めたミサイル防衛(MD)計画の緊急対処要領改正を決定した。
主な改正は(1)弾道ミサイルの破壊方法にSM3を追加(2)MD関係部隊の行動範囲を首都圏に限定しない(3)原子力発電所の被害に備え、弾道ミサイル発射時などに連絡を取る省庁に経済産業省を追加―の三点。これで陸上発射の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に加え、SM3も法的に運用可能となり、MD計画は本格稼働する。
これまでの緊急対処要領は、首都圏をカバーする航空自衛隊の第一高射群・入間基地(埼玉県)などのPAC3に対応していた。
政府は二〇〇五年の自衛隊法改正でMDの法的枠組みを整備。首相の承認を得る余裕がない緊急時は、緊急対処要領に従い防衛相があらかじめ迎撃を命じ、発射されれば現場指揮官の判断で迎撃できるようにした。
イージス艦「こんごう」へのSM3配備は、昨年の北朝鮮による弾道ミサイル連続発射や地下核実験を受け、当初予定より約三カ月前倒し。SM3配備のイージス艦を一〇年までに四隻に増やし、PAC3も同年初頭までに全国十一基地に発射機約三十基を配備する予定。
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