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【神奈川】

無垢の寄せ木で 七福神像を作製 職人・本間さん 仏師・菅原さん

2007年12月22日

できあがった寄せ木の七福神像と本間さん=箱根町で

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 寄せ木の無垢(むく)を彫り上げた七福神像ができあがった。箱根町湯本で寄せ木を手がける本間昇さん(76)が基になる寄せ木の固まりを作り、依頼した鎌倉市に住む仏師菅原千恵さん(58)が彫った。本間さんによると、無垢の寄木七福神像は、お目にかかったことがないという。来年一月二日から本間さんが館長を務める本間寄木美術館で、七体一緒に一カ月間公開される。 (長崎磐雄)

 本間さんは、寄せ木職人として六十年のキャリアをもつベテラン。先人たちが立派な作品を残しているのを見て、「職人として後世に残るものを」と考えていた。今年一月、町おこしに七福神巡りを取り入れているというテレビのニュースを見て、考え出した。

 まず、本間さんがミズキ(白色)、ニガキ(黄色)、ホオノキ(緑色)、カツラジンダイ(黒色)など九種類の色の違った木で、模様ができるようにボンドで接着した固まりを、一体に半月ほどかけて作った。大きな固まりは毘沙門天で縦三二・八センチ、横二一・五センチ、奥行き一〇センチもあった。

 ヒノキやケヤキを材料に仏像を彫る菅原さんにとって、寄せ木を使った作品作りは初めて。「ケヤキやヒノキと違い、イメージ通りに彫るのが難しかった。寄せ集まった木を彫るため、欠けないようにした」(菅原さん)。最初に手がけた寿老人一体制作に一月半ほどかかった。

 固まり一つを削って寄せ木の箱を作ると、数百個ができるという。削った破片はほかに活用できないため、かなりぜいたくな七福神像。本間さんは「できあがるまでわくわくしていた。見事なものができて非常に満足している。ぜひ、一般の方に見ていただきたいので展示することにした」と話していた。

 入館料は中学生以上五百円、小学生三百円。本間寄木美術館=(電)0460(85)5646。

 

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