★<週刊ウンチク>バックナンバー★ | |||||||||
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「味噌汁のだしの取り方」 霙まじりの雨の日が続く金沢です。 あったかい味噌汁が美味しいと心底感じるようになりましたね。 冬の味噌汁というと、大野町(漁師町)では、たらのぶつ切り(肝臓入り)ですねえ。ぎらぎらと肝臓の油が浮いて、だけど、新しいと生臭みは一切無くて、葱と絶妙のマッチングですね。 これは、ここへ来ないと食べられない味。冬は酒粕を入れて、大根の味噌汁も多いです。
正統的な、だしの取り方を書いてみます。 ■削り節のだし 削り節はうす削りのものを選びます。 煮立たせると臭みや渋みが出るので、長く煮出す必要はありません。 漉す時にだしがらを押さえたり、絞りだしたりすると、だしの味が悪くなるので、自然に垂れるまで静かに漉します。小袋入りのかつお節はできるだけ早く使い切り、残った時は密封して冷蔵庫で保管しましょう。 味噌汁のだし昆布は、日高昆布が一般的です。食物繊維が豊富で早く煮えるのが特徴です。肉厚で黒く光沢があり、よく乾燥したものを選びましょう。だしを取る時は、タイミング良く、沸騰直前に昆布を引き上げます。 (順番) ・昆布は乾いた布で拭き、汚れを落とします。 ・鍋に分量の水と昆布を入れて、弱い中火で5〜10分。 ・鍋を中火にかけて鍋底に泡が立ち始めたら昆布を取り出しましょう。 ・ひと煮立ちしたら水を少し加え(分量外)、沸騰を静めます。 決して煮立たせないように!! ・鍋に削りがつおを一度に加え、箸で抑えて鍋に沈めます。かき混ぜるとだしが濁るので注意します。 ・ すぐに火を止めてアクをていねいに取ります。こうすると、生臭さが残りません。 ・アクを取ったら、ペーパータオルを敷いたザルでだしをこします。 ・そのまま削りがつおに残った汁を落とします おだしの出来上がり! ■煮干(いりこ)のだし 小ぶりのカタクチイワシが一番。 小ぶりで、自然のつやのあるものを選びます。 (黄色くなったのは油やけをおこしているので論外) 煮干は頭とはらわたを取り、身の大きなものは中骨のところで左右に半身に裂いて使います。この時、片手を尻尾に、もう一方の手で腹側の尻尾の近くに指を添えてやると、はらわたと頭が同時に綺麗に取れると思います。私のウラワザです。試してみてください。 煮干は水から入れてください。(出来れば30分ほど水のままに浸しておいたほうが良いだしがでます。)ぐらぐら煮立てると生臭くなるので、出来上がりに焼け火箸を入れたり、酒大さじ1を加えて一煮立ちさせたりすると生臭みが和らぎます。残った煮干は缶などに入れ、出来れば冷蔵庫で保存します。 (順番) ・はらわたと頭を取って、分量の水に入れる。 ・中火にして火にかける。 ・煮立ったらすぐ弱火にして、アクをすくい取り、弱火でさらに5−6分静かに煮出す。 ・穴あきお玉で、煮干を引き上げる。 おだしの出来上がり! 正当な日本の伝統的な、おだしの引き方です。 はやりのスローフーズの代表ですね、乾物(カビつきの本枯れ節・昆布・うるめ・煮干いりこ)は。 ぜひぜひ、手間暇をかける贅沢な味を伝えていって欲しいですね。 はい、では、現代生活のスピードにあったやり方です。ウラワザ? ■裏技!・・・煮干だし・削り節、両方ともイケマス。
日本の和朝食にこうした自然の発酵食品をとるのは、西洋でヨーグルトを食べるのと同じ、人類の共通の智恵=食文化です。 寝る前に、味噌汁に使う分量の水を計量カップかタッパーに入れて、それに分量の昆布・煮干またはかつお節を浸して置き、冷蔵庫で保存します。 翌朝、昆布と煮干またはかつお節を水から取り出せば、もうOK! 美味しい水出しの「おだし」が完成! そのまま強火で煮立てれば味噌汁のおだしとしても、煮物だしとしても使えます。 水出しのコーヒーが雑味がなくて香りや風味が良いのと同じで、このだしは生臭さもなくて、ほんとうに良い濃いだしが取れます。 ■裏ワザ・その2
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