福田康夫首相は23日午前、薬害肝炎訴訟の和解協議をめぐり、自民、公明両党で全員一律救済に向けた議員立法を今臨時国会に提出することを明らかにした。官邸で記者団に語った。
首相は「患者全員を救済する議員立法について自民党との相談の結果、決めた。公明党の了解を得ている」と表明。法案に関して「可及的速やかに通していただきたい」と強調した。野党にも協力を求める考えを示した。
「全員一律救済」を求めてきた原告弁護団幹部は「詳細が分からない。対応は内部で協議する」としている。
大阪高裁で11月から本格化した和解協議は、血液製剤の投与時期で国と製薬企業の責任の範囲を限定する“線引き”の有無が最大の対立点となり、手詰まり状態が続いていた。
20日には政府が線引きを維持した上で、総額約170億円を支払う修正案を公表したが、原告側は拒否し、和解協議打ち切りの構えをみせた。
しかし、首相が政治決断を見送ったことに対する批判の高まりに危機感を強めた政府、与党が打開策を検討していた。