横浜放送局

2007年12月23日 14時18分更新

全国初!救急トリアージ条例


119番通報の内容から患者の容態を判断し、緊急性がない場合は搬送を辞退してもらう「トリアージ」と呼ばれる方法を取り入れた全国で初めての救急搬送システムが来年10月から横浜市で導入されることになりました。

これは救急車の出動が増えて現場への到着に時間がかかり、患者の搬送に支障が出ているため、横浜市が導入を決めました。
21日成立した横浜市の救急条例では、119番通報のけがや病気の内容をコンピューターに入力して緊急性を判定し、その結果に応じて必要な救急隊員を現場に向かわせます。
判定は5段階で行われ緊急性が高い場合は最大9人を出動させますが、緊急性がない場合は通報者の同意を得たうえで搬送を辞退してもらい、かわりに医師などの相談を受けられるようにします。
また、軽症を重症と偽って通報するなど悪質な場合は罰則を科すなど法的な措置をとるとしています。この救急搬送システムは災害や事故の現場でけがの程度に応じて治療の優先順位を決める「トリアージ」の方法を取り入れたもので、119番通報の内容でトリアージを行うのは全国で初めてです。
運用は来年10月から始まり、横浜市は安易な救急要請を減らし重症患者の救命率を向上させたいとしています。
横浜市の中田市長は「救急車の大多数が軽症で呼ばれているというデータがある中、トリアージを導入することで救える命を救っていきたい。実施に向けては判定の精度を高めて誤りがないようにしたい」と話していました。