December 17, 2007
ヘリコプター事故に思う
大阪航空ヘリコプター事故で、御意見を頂きましたので
此処でその返信を行います。
(と言いますのも、大幅に文字制限に引っ掛かってしまうのと、
コメント欄で書くと非常に読み辛いからです。)
悪しからず御了承下さい。
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Posted by 固定翼P December 17, 2007 04:43
墜落しないならなぜ墜落したのか?操縦されていた機長の面目を潰す様な文面に対し、少し違和感を感じます。
機材トラブルでのアクシデントで考えれば、機長は操縦不能の機体を操って民家への墜落を防いだことになる。墜落しないと言い切るなら、墜落しないことになる。これは機長の操縦自体を否定することになる。
自分は、マスコミの情報から前者意見であると考えてました。機長としての任務を全うされたと思ってました。
複合的なトラブルが起こって初めて墜落という惨事になります。それは連鎖というひとつの流れがあって、これを切ることが機長の責務です。
さまざまなトラブルがあって・・・事故が起こった。
おっしゃることはわかりますが、それを未然に防ぐことが出来なかった機長の過失を言っているようなものではないでしょうか?
友人を大切にするなら、言動も考えるべきです。
故人の冥福をお祈りいたします。
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>>固定翼P様
コメントありがとう御座います。
しかしながら、先記の記事の何処に故人を辱める記載がありましたか?
私は一言も「絶対墜落はしない」とは書いておりませんよ?
私が書いたのは、「例えテールローターが停止しても墜落はしない」
と言うことです。
>>墜落しないと言い切るなら、墜落しないことになる。
これは機長の操縦自体を否定することになる。
これはあまりにも極論ですね。
故人を指し、言葉遊びをする気は御座いません。
ソラに生きる方なら身を持って御存知と思いますが、
致命的なトラブルは複合要因によって発生する可能性が高いのが常です。
固定翼のパイロットさんでさえ、「テールローターが止まったら堕ちるんでしょ?」
と言う方も居ますね。
ましては、そんな事実を一般の方が御存知でしょうか?
「何も判らない内に下衆な勘繰りをするな」
と言うことを伝えたかったのですが、伝わらなかったようですね。
具体的に言いますと「テールローターが止まったとしても、
それは致命的な損傷ではない事。
マスコミが言っているマストバンピングが発生したならば、
まずメインローターがちぎれ飛ぶ、そのほか多数」
を、普通の方が御存知でしょうか?
「そう思わせるような報道は慎むべきだ。」
と言うことです。
私にもアクシデントはありましたよ。
パイパーセネカ双発機で、飛行中に片肺になり、
再始動中にロックピンによってプロペラピッチが固定され、
停止したエンジン側から燃料が漏れ出し、水平飛行も不可能になり、
運良く辿り着けた島の作業道に不時着しました。
原因は、燃料パイプを交換した時の締め付け不良に因るものでした。
始動前点検では、絶対に見えない所からの燃料漏れです。
それでも、私は飛行した機長に責任があると考えます。
私を教育してくれた、元軍人の教官は
「例え何があろうと、飛行中に起きた事故は全て機長の責任だ。
どんな時であろうと飛ぶことを選んだ・認めた機長が責任を持つんだ。」
と教育されました。
ただあの事故を「彼は最後まで被害を防ごうとした立派だ!」
という捉え方だけだと、
そこからは何も生まれません
機長の仕事は、責任を持つ、判断を下す事です。
パイロットの仕事は、全員を無事に地上に帰す事です。
突然の悲報に、私がどれだけ打ちひしがれたか・・
・・理解できますか?
しかし、そこで思考を停止するわけには行かないのです。
誤解するような表記をして、申し訳ありません。
少しでも私の考えが伝わればと思います。
コメントありがとう御座いました。