加賀市山代小の児童が、総合学習で総湯に入り、ふるさとの良さを体感した。子供は元来風呂嫌いで、湯船がこたえられなくなるのは年を食ってきた証拠という説もあるが、町の歴史を実感し、裸の付き合いで友情も深まる一挙両得は、温泉地ならではのうらやましい試みだ 「温泉教授」の松田忠徳さんによれば、シャワーで体の汚れを流す西洋流の入浴スタイルと違って、日本では、しっかり肩まで浸かるのが流儀である。湯に身を浸して、うとうと眠気をもよおすのが最高の温泉なのだそうだ だがら、最近はやりの半身浴などは、どうも日本流にはなじまない。さらには本来、清めの場である風呂のバスタブが、トイレとセットになっているのもおかしいという 北陸の温泉地ではどうやら能登半島地震の風評被害が去り、かき入れ時の年末年始は、にぎわいを取り戻しそうだ。客を迎える側も、ほっとしていることだろう 松田さんが言うように「裸になれば金持ちも平民も同じ」とは式亭三馬「浮世風呂」の中の名言だが、政治家諸氏も年末年始に温泉王国・北陸の湯で裸の付き合いをして、気持ちのねじれを解消してはどうか。
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