7月19日、西名阪自動車道。被害者の反対車線を走ってきた大型トレーラーが、プレハブ建設用の鉄パイプを落下させます。そのおよそ5分後、走ってきた大型保冷車が鉄パイプを跳ね上げ、反対車線を走行中の被害者の車を直撃したのです。
|
|
【被害者の妻】
「『犯人』と言っていいのかどうかわからないけど、その方は、ご自分が落としたことすら解ってない可能性があると。そうなると、どうしようもないですよね。罪の意識なんてもちろんないですよね。わからないから・・・」
「落とした認識がない」というトレーラーの運転手。事故の悲劇は、まさにここにあります。
|
|
|
|
今回のように、落下物が原因で人身事故に至ることは、極めて稀なケース。しかし、一歩間違えれば大きな事故に繋がるのです。
【高速道路を利用するドライバーは】
「たくさん積んでいる車の後ろは、絶対避けるようにしています」
「車のシートとか、タイヤがパンクした後の破片。ヒヤッとします」
「きょうも、近畿道に大きなシートが落ちてたし・・・」
|
|
|
 |
高速道路は、文字通り「高速」で走行する道路。予期せぬものが予期せぬタイミングで落下した時、我々は対処できずに大きな事故に巻き込まれます。落し物≠ヘ、不注意では済まされない大惨事を引き起こしかねないのです。
|
|
|
こちらは実際にあった落下物。ビニールシートや大きなアルミ缶など。かなりのスピードで走っていますので、すべて凶器になる可能性があります。
|
|
 |
|
|
 |
日本道路公団の調べでは、関西圏だけで年間およそ5万6000件の落下物があります。1日に直すと、およそ150件。私たちは、常に落下物の危険にさらされています。
|
|
|
日本道路公団も、落下物には24時間体制で対応しています。定期巡回に同行しました。
「前方に、落下物発見!左後方よし!」
|
|
 |
|
 |
およそ1時間半の巡回でしたが、次から次へと落下物が回収されていきます。高速で走り去る車をかいくぐりながら、まさに命がけ≠ナす。1度の巡回でも、これだけのものが回収されました。
|
|
|
【日本道路公団交通管理課 二宮五郎隊長】
「日によって違いますが、25〜30件くらいは回収します。多くの通行車がある場合は、避けられないので、後続車が跳ね上げる、あるいは乗り上げる。それによって、2重3重の事故に発展する場合があります」
|
|
|
|
高速道路の落下物で最も多いのは、この3つ。荷物を覆う布類や、木材。パンクしたタイヤなどの自動車部品。単なる布、単なる木材が、高速道路上では全く違うものに変わります。
【日本道路公団交通管理課 二宮五郎隊長】
「それが、凶器になる。人命まで奪う事故に繋がるということで、絶対にマナーを守っていただきたい」 |
|
 |
|
高速であるが故に、凶器≠ニ化す落下物。ドライバーの認識の甘さが人の命を奪うという最悪の結果を生み出すのです。
|
|
|
|
落下物の中には、冷蔵庫や簡易トイレなど、考えられないようなものまであるそうです。『安全の再確認』というドライバーの意識が、落下物の事故を防ぎます。
|
|
|
|