エサやりで太り過ぎた“メタボ鴨(かも)”は北へ帰れない?――。
東京都が上野公園・不忍池で今月から始めた野鳥へのエサやり防止キャンペーンで「肥満で長く飛べなくなる」と訴えている点について、「キャンペーンの意義はわかるが、そんなカモが本当にいるの?」と専門家の間で議論になっている。
都はエサやりによる影響について、「自分でエサを探す能力が低下したり、栄養が偏ったりするほか、太ってシベリアに帰れなくなる」と主張。監視員を巡回させ、池の周りに立てた看板でエサやりをやめるよう要請している。
しかし、専門家の多くは懐疑的だ。鳥の渡りに詳しい東大の樋口広芳教授は「カモは春の渡りの時期が近づけば太り、渡り終えると体重が半分になる。エサやりで太って飛べなくなることはないだろう」と話す。
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