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中国 8百年前の宋代船引き揚げ 財宝8万点
中国広東省陽江市沖で22日午前、約800年前の南宋(1127−1279年)時代に沈没した貿易商船「南海1号」が引き揚げられた。
船内からは既に金箔(きんぱく)を張ったブレスレットやベルトなどの当時の装飾品や景徳鎮の陶磁器など1万点以上が発見されており、調査に当たる広東省考古学研究所は、財宝などの文化財6万−8万点が残っている可能性があると指摘。「当時の遠洋貿易の様子を示す超一級の歴史資料」と期待されている。
南海1号は船長約30・5メートル、幅9・3メートル。引き揚げは、水中で船ごとコンテナに納め、巨大なクレーンでつり上げる「世界初」(中国当局)の方式を採用。海水や泥などを含んだ総重量約3400トンのコンテナが水面に現れると、関係者らは爆竹を鳴らして成功を祝った。
南海1号はコンテナのままはしけ船に積まれ、28日までに陽江市に建設している「海のシルクロード博物館」までえい航。「水晶宮」と名付けられた巨大な水槽で保存され、中国国家博物館と同研究所が船内の本格調査に着手する。文化財の価値は総額3000億ドル(約34兆2500億円)に上るとの試算もある。
中国メディアによると、中国政府は引き揚げプロジェクトに3億元(約46億4000万円)を投入。来年にも船本体が公開されるという。
南海1号は1987年、広州市などが別の沈没船を調べていたところ、陽江市沖約37キロの海底約20メートル付近で偶然発見。中国と、中東やインドとの間を航行していた商船で、インド方面に向かう途中、海難事故に遭ったとみられている。(共同)