人民解放軍の仮想敵は中国政府
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アメリカ人というのは勘が鈍いので、何度もヤラれないとピンと来ないらしい。今までにも何度か、中国人民解放軍の嫌がらせというのはあったんだが、今回は米空母の香港入港拒否問題なんだけどね。
ゲーツ米国防長官は21日の記者会見で、米空母が香港入港を拒否された問題に関し、中国政府内部で政治部門と軍組織に意思疎通の欠如があったとの認識を示し、入港拒否は軍制服組主導で決定されたと受け止めていることを示唆した。
米国防長官が中国政府の内情について踏み込んだ発言をするのは異例。中国側が内政干渉と反発する可能性もある。
国防長官は、11月に空母キティホークが予定していた香港入港を拒否された問題の経緯を聞かれ「中国政府内部で認識を共有できていないように見えるのは興味深い。軍部は政治部門が関与していない決定を下したのかもしれない」と述べた。
やっと気がついた? という感じなんだが、その背景には、江沢民支配下の軍部を掌握しきれない胡錦涛体制というのが透けて見えるわけだ。で、おいらが以前にあげたエントリから。
以前からおいら書いているんだが、中国の軍隊というのは人民解放軍と言って、国家の軍隊ではなく独立愚連隊みたいな組織なのだ。共産党の私兵みたいな存在なんだが、独立性が高くて勝手な行動を取る。また、豚を飼ったり、武器を売っ払って株に投資してみたり、国家元首も知らないうちにアメリカ軍の空母のあとを潜水艦で追いかけまわしてみたり、ミサイルで衛星ぶち壊してみたり、なかなか楽しそうだ。自衛隊みたいにシビリアンコントロールなんかないからね。
で、思うんだが、人民解放軍の仮想敵はむしろ、中国政府そのものじゃないか、という気がするわけだ。アメリカを始めとする国際社会に勝手に喧嘩を売られて、困るのは共産党政府なんだが、その政府が解放軍の予算を握っている。予算というのは、武器を買うカネというだけじゃない、軍人の給料から、飼っている豚の餌代から退役軍人の恩給まで含まれている。もっと予算くれないと、国際社会に対するテロ紛いの嫌がらせどんどんやって、おまえらの立場を悪くしちまうぞ、というような、そんな行動ではないか、という気もしないでもない。
経済成長から取り残されて焦る軍部と、それを利用して胡錦涛体制にちょっかい出したい江沢民一派と、まぁ、アメリカにしてみりゃ、とんだトバッチリなんだが、もちろん人民解放軍にしてもアメリカや日本と本気で戦争する気はないんだが、黙っていたら給料があがらないので、ちょっくら悪戯してみました、というところだろう。まぁ、アレだね、最近のおいらの口癖は、
中国なんて、ありゃ、「国」なんてモノじゃないですから。だ。
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