社会
いじめ把握数10倍に 高砂市教委が記名式アンケート
高砂市教委が、市内の小中学生にいじめの有無などを問うアンケートを、回答者が自分の名前を記す「記名式」で行ったところ、学校側が確認していた数の十倍近い件数のいじめを把握できたことが二十一日、分かった。同様のアンケートは無記名実施が多いが、市教委は「実態把握を解決につなげたい」と取り組んだ。いじめ解消が急務となる中、記名式には「子どもが本音を書きづらいのでは」との慎重論もあるが、専門家からは「速やかな対応に結びつく」と評価の声も出ている。(宮本万里子)
「いじめ相談シート」と名付けたアンケートは、九-十月に小学四年生以上全員と全中学生の計約五千八百人に用紙を配布。保護者に趣旨を伝える文書を添え、自宅で回答、厳重に封をしてもらい回収した。回答率は小学生99・8%、中学生96%だった。
「いじめで悩んでいるか」との問いに小学生百十八人(4・1%)、中学生七十一人(2・5%)が「はい」と回答。教師らの観察に基づき、同市教委が文部科学省に報告したいじめ件数(二〇〇六年度)の七-九倍に上った。
いじめの中身について尋ねる記述欄では、個人名や、内容を詳しく書いた回答もあった。
把握したいじめの大半は、教師らの指導などで既に解決したという。市教委は「記名式で、潜在的いじめを解決できた」とし、小学低学年にも広げることを検討中だ。
この方法について、いじめ防止に詳しい兵庫教育大学の冨永良喜教授(55)=臨床心理学=は「子どもの声を聞く工夫として良い」と評価。県教委も「早期発見が何より。件数だけの把握は意味がない。配慮を踏まえた記名式は有効」とする。
一方、五月に無記名で同様の調査をした小野市は「記名だと子どもは本音を書きづらい。より子どもの思いを把握したいと考え、無記名にした」と説明。その上で「目的に応じ方法を選べばよい」としている。
(12/22 08:38)
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