来年度予算編成で話題の「霞が関埋蔵金」が掘り出された。特別会計の準備金などからの十一・七兆円。ずしりと重い千両箱の山である 「一緒に探しに行きますか」と語った首相のお手柄なのかどうなのか。外からはうかがい知るよしもないが、増税論者は早くもけん制球を投げている。「黄金の輝きに目がくらむと、ろくなことはない」などと。カネに目ざといセンセイ方や高級官僚が垂れる立派なお説教である 掘り出した後も「もっとあるはず」「一度掘ったら鉱脈は尽きる」と、埋蔵金論議は尽きない。理屈と膏薬(こうやく)はどこにでもくっつく。金の話になると、誰もが目の色を変える。騒々しい年の暮れである その暮れの国会で、改正政治資金規正法が成立した。一円以上の領収書が義務付けられる。果たして、政治とカネの問題はこれにて一件落着か。法の網のすき間やら裏をかいくぐる悪知恵を締め出すことができるのか 膨大な領収書の処理や監査などの作業に、新たな税金が投じられる。しめて年間約十三億円。「私はクリーンな政治家」という建前をとり繕うような、気前の良い出費である。何かおかしくないか。
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