今年も残すところあと十日。文化面ではきょうから、岡山文化界の一年間の動きを再検証する回顧企画が始まった。初回は「美術」。ぜひページを開いてほしい。
記者たちの記事を前にわが家の一年も振り返ってみた。覚えていないことの方が多いが、あえて挙げるなら、デジタル化が進んだことだろうか。
故障で買い換えた薄型テレビで地上デジタル放送を視聴、仕事兼用のカメラで子どもの成長をどんどん収めた。インターネットではメールに通販、音楽配信。店に行かずとも欲しい商品が手に入るとあって、結構お世話になった。そのせいか、夏前にパソコンがついに悲鳴を上げてしまった。
困ったのは取り込んでいたデータ。半ばあきらめかけていたが、妻の知人の専門家によって復旧できた。ただ、住所録を除いては…。バックアップは必要だと知っていながら怠っていた。おかげで、デジタルデータに頼り過ぎる怖さを身をもって体験してしまった。
最近、会社や自宅に送られてくるほとんどの郵便物のあて名は電算処理。そのため一度登録されたら最後、随分前の担当者名や間違った漢字のまま送り続けられる。年金記録不備問題で社会保険庁は、過去の入力ミスや漢字誤変換などから名寄せ(照合)作業が難航している。
先ごろ、舛添厚労相は全面解決を事実上断念したが、わが家の年賀状はそうはいかない。年末までに一件ずつ名前と住所を打ち込まなくては。いやいっそ、手書きに戻してみようか。下手な字なりに思いが届くかもしれない。
(文化家庭部・金居幹雄)