9年前、神奈川県の県立高校の女子生徒が自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が県などを相手に損害賠償を求めた裁判で、「学校が適切な対応をとらなかった」と県が謝罪することなどを条件に、21日、和解が成立しました。
「やられて、やり返します。やり返された人が、またやり返してきます」(小森美登里さんの講演)
悲しいいじめがなくなるように・・・。横浜市に住む小森美登里さんは学校を回り、子供たちにそう訴える活動を続けています。
「いじめられてもしかたがない理由を持って生まれた命は、ひとつもありません」(小森美登里さんの講演)
9年前、小森さんのひとり娘・香澄さん(当時15)は自宅のトイレで首をつり、自殺しました。娘をいじめから救えなかった・・・。その思いが、小森さんを動かし続けてきました。
そして21日、小森さんのもうひとつの戦いにピリオドが打たれました。
「わが子の身に何が起きたのか知りたい」(小森美登里さん)
小森さんは、裁判で、香澄さんが通っていた県立高校と同級生の責任を訴えました。一審の横浜地裁は同級生が香澄さんを中傷していた事実や学校側が注意義務を怠った責任を認め、およそ400万円の賠償を命じました。
その後、同級生とは今年2月に和解。そして21日、東京高裁で、県との間でも和解が成立しました。学校側が適切な対応を取らなかったことを謝罪し、和解金440万円を支払うことなどが盛り込まれました。
「うちの子の傷はほとんどが“心の傷”だったんですね。その部分をこういうかたちで認められた」(小森美登里さん)
小森さんは、これからも学校を回り、いじめをなくすための活動を続けていきたいとしています。(21日16:00)