タクシー運転手、ナイフで乗客刺す　殺人未遂容疑で逮捕

　同僚のタクシー運転手と口論していた客を刺したとして、大阪府警天満署は２１日、タクシー会社「新日本交通」の運転手饒平名（よへな）恵太容疑者（６１）＝大阪市鶴見区今津中４丁目＝を殺人未遂の疑いで緊急逮捕した。饒平名容疑者は「けんかの仲裁に入ろうとしたが、無我夢中で刺してしまった」と供述しているという。

　調べでは、饒平名容疑者は同午前２時５分ごろ、大阪市北区堂島２丁目の路上で、同僚と口論になっていた男性客（３１）を、持っていたナイフ（刃渡り約９センチ）で刺した疑い。男性は左腹を刺され重傷。饒平名容疑者と同僚はそれぞれのタクシーで逃走したが、約２時間後、同署員らが同市内で饒平名容疑者を見つけ、緊急逮捕した。

　同僚は現場近くの路上で男性を乗車させたが、速度を上げるよう求められたことなどから口論になり、２人ともタクシーを降りて殴り合いのけんかになった。そこへ饒平名容疑者が空車状態で通りかかり、車を止めて仲裁に入った。同僚を逃がした後、近づいてきた男性をいきなり刺したという。

　饒平名容疑者は、「ナイフは約１カ月前から護身用にいつも制服に隠し持っていた」と供述しているという。