横浜放送局

2007年12月22日 1時20分更新

いじめ自殺で和解成立


9年前、横浜市で県立高校の女子生徒が自殺したのはいじめが原因だと遺族が訴えた裁判は、21日、神奈川県が悩みを抱えていた生徒への対応が十分でなかったことを認めて謝罪することなどで和解しました。

平成10年に神奈川県の県立高校の当時15歳の女子生徒が自殺したことをめぐっては両親が、学校でのいじめが原因で対策をとらなかった学校にも責任があるとして県と同級生3人に賠償を求めていました。
1審はいじめが原因とまでは認めませんでしたが、女子生徒が悩んでいることへの配慮が足りなかったとして県と同級生1人に賠償を命じていました。
このうち神奈川県との間で続いていた裁判が21日、東京高等裁判所で和解しました。
和解で、神奈川県は悩みを抱えていた女子生徒への対応が十分でなかったことを認めて遺族に謝罪した上で440万円を支払うとしています。
和解の成立を受けて原告の小森新一郎さんと美登里さんが弁護士とともに横浜市内で記者会見をしました。
この中で母親の美登里さんは、「苦渋の選択だったが、自殺の直後に学校が生徒に書かせた作文の一部についてその内容を知らせてくれるということで、和解を受け入れた。娘の重要な情報が、裁判の中では開示されず和解の条件という形でしか知らされないのは残念だが、娘が心の傷を負っていたことが認められたのは大きな一歩と受け止めている」と話しました。一方、神奈川県教育委員会は「自殺でなくなられたことに改めて深く哀悼の意を表します。今後は学校全体で適切に対応することや、教育相談など生徒に対する支援体制の充実に努めます」というコメントを出しました。