岡山地方法務局に寄せられた小中高生らのいじめ相談が、手紙相談システム「SOSミニレター」により急増している。11月末現在での総数231件は過去5年で最多で、昨年1年間(120件)の約1・9倍。うち4割近くをレターが占める。同法務局は「手紙という手段で、身近な大人に言いにくい内容も相談できたのでは」と分析している。
レターは、全国的に相次いだいじめを苦にした子どもの自殺を受け、法務省が今年から全小中学校に配布。悩みがあれば専用の便せんで各地の法務局に郵送、内容を読んだ人権擁護委員が約1週間で本人に手紙か電話で回答する。
岡山地方法務局に送られた、いじめに関するレターは89件。小学校と中学校の分類は集計中だが、レターを含めたいじめ相談は小学校が137件、中学校が74件で、それぞれ前年の2・9倍、1・2倍に上っている。
レターでは、身体的な暴力の相談より「太っているのを笑われた」「みんなから無視された」など言葉や態度によるいじめの悩みが大半。「保護者や教師に相談しても解決につながらなかった」との声もあったという。
同法務局は来年以降もレターによる悩み相談を継続することにしており、「相談件数の増加は、保護者や教師ら大人が子どもの本音をくみ取れていないことの表れでもある。悩みを抱え込まず、どんな手段でもだれかに相談してほしい」と呼び掛けている。