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損賠訴訟:「がん医療ミスで死亡」 遺族、1億円の賠償求め2病院側を提訴 /茨城

 麻酔の刺し間違い、縫合不全、腹膜炎見落としなどのミスを重ね、早期の胃がん手術を受けた土浦市木田余の会社員、酒井宏行さん(当時47歳)を死亡させたとして、遺族が県内の病院を経営する2法人に約1億545万円の損害賠償を求める訴訟を水戸地裁土浦支部に起こした。

 14日付の訴状によると、酒井さんは02年12月26日、つくば市天久保1の筑波メディカルセンター病院で手術を受けた。その際、麻酔医が針を刺し間違えて両足をまひさせた。

 さらに手術中に胃と十二指腸を不均衡に縫い合わせたため、内容物が腹腔(ふくくう)内に散らばって腹膜炎を発症した。酒井さんは転院を勧められ、牛久市柏田町のつくばセントラル病院に移ったが、同病院の医師も腹膜炎の発症を見落として食事の開始などを指示。翌年1月6日に死亡した。

 遺族は、2病院で計9人の医師が治療にかかわったと主張。県警は、うち3人を業務上過失致死容疑などで書類送検したが、不起訴処分になっている。

 酒井さんの妻(53)は「夫の無念を晴らすのは私しかいないというつもりで準備してきた。こんな理不尽な死に方があるだろうか。訴状を読むと今でも涙が出る」と話した。両病院側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【山本将克】

毎日新聞 2007年12月19日

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