公立病院改革で特例債の発行容認

 総務省は12月21日、地方自治体による公立病院改革のガイドライン(GL)をまとめた。病床利用率が3年連続で70%を下回った公立病院に対して診療所への移行を含む抜本見直しを求めるなどの内容。資金不足の病院に対して、不良債務を長期債務に振り返る「公立病院特例債」の発行を認めるなど財政面での支援措置も講じる。

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 総務省は24日付けでGLを自治体に通知。公立病院の改革プランを08年度中に策定するよう自治体に促す。

 GLでは、これまで明らかになっていなかった財政支援措置の具体的な中身を示した。それによると、医師不足などによって03年度以降に発生した不良債務を長期債務に振り返るため、「公立病院特例債」の発行を08年度に限って認める。償還期間は7年。
 特例債を発行できるのは、医業収入に対する不良債務の割合(不良債務比率)が07年度時点で10%以上の公立病院事業。自治体が08年度内に改革プランを策定することが条件。

 特例債の発行容認には、資金不足が足かせになり抜本改革に踏み切れない病院事業の債務返済を支援することで、再編・ネットワーク化を促す狙いがある。
 総務省によれば、不良債務比率が10%以上の病院事業は06年度末時点で全国に67ある。債務の総額は03年度から06年度までに約560億円増えているといい、特例債の発行額については600億円を見込んでいる。

 特例債の発行容認以外には、公立病院の再編・統合に伴う新たな医療施設の整備費用のほか、再編に伴い不要になった施設の整理費用や職員の退職手当などの支援を盛り込んだ。

 GLでは、公立病院改革の視点として@経営効率化 A▽再編・ネットワーク化 ▽経営形態の見直し――の3点を提示。これらの視点に立った改革を「一体的に推進することが必要」と指摘し、自治体に対して数値目標を明記した改革プランの策定を求めている。

 経営効率化の視点では、「経常収支比率」と「職員給与費対医業収益比率」「病床利用率」の3点を必須の数値目標とし、病床利用率が3年連続で70%を割り込んだ病院については、病床削減や診療所への移行などを含む抜本見直しを促す方向を明記した。


更新:2007/12/21   キャリアブレイン

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