「お楽しみがあるよ」クラブに友人誘う 馬込政義容疑者2007年12月21日08時57分 長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で起きた散弾銃乱射事件で、自殺した無職馬込政義容疑者(37)が当日クラブに来るよう誘った男性(37)に対して事件直前、「大きなことができればいい」「人間はどうせ死ぬ」と語っていたことがわかった。この男性や殺害された藤本勇司さん(36)ら当日誘われた友人たちは、互いにあまり交流がなかった。なぜ一緒に誘われたのか。県警捜査本部はこうした交友関係などから謎の多い動機の解明を進めている。21日で事件発生から1週間になる。 この男性は馬込容疑者と高校で同学年だった。 事件2日前の12日夜、「お金持ちの女性と知り合い、ルネサンスでパーティーをすることになった。14日に来てほしい」と、携帯電話に馬込容疑者からの留守番メッセージが吹き込まれていた。 連絡は8月以来。普段と変わらない軽いおしゃべり口調だったという。 体調がすぐれないため返事をせずにいると、13日朝、再び電話があった。「お楽しみがあるよ。4時間無料で駐車できるから車で来たらいい」。男性が渋ると「日給分ぐらい出してやるけん、来(こ)んね」と何度も誘った。 事件当日の14日朝。男性は断りの電話を入れ、別の日を提案した。馬込容疑者は「今日しか空いていないんだよね」と、不機嫌そうに了解。さらにこう続けたという。 「そんなにまじめに働かんでよかたい。人間まじめに働いてもどうせ死ぬんだから、おもしろおかしく自分のやりたいことをした方がいい」「この年になったら資格や経験がないと大きな金をとれない。そのうち大きいことができればいい」 馬込容疑者は仕事が長続きせず職を転々とし、履歴書の資格欄に「電気工事士」と記していた。 男性は14日夜に報道で事件を知り、馬込容疑者が巻き込まれたのではと心配して携帯に2回電話をかけた。が、つながらなくなっていたという。 その後の午後11時ごろ、男性の自宅を警察官が訪れた。「ルネサンスの体験予約リストに名前が載っていた」と知らされた。馬込容疑者が、男性の意向を聞かずに予約をしていたらしい。 「犯行を疑われている友人が散弾銃を持って自宅に来るかもしれない」と言われ、警察車両で一緒に佐世保署へ行った。 この時点で県警はすでに馬込容疑者に捜査の焦点を絞り、狙われる恐れのある人物を保護することにしたとみられる。 署に行くと、馬込容疑者の他の友人がいて、そこで初めて自分以外にも誘われた人がいたことを知った。男性らは馬込容疑者が自殺しているのが分かった15日午前8時ごろまで署に保護された。 亡くなった藤本さんや同様に誘われて現場にいた男性は、いずれも高校時代の同学年だった。しかし、互いにあまり交流がなく、なぜ一緒に誘われたのかがわからない。 「藤本さんや私たちを殺そうとしていたとは今でも信じられない。みんなを集めてかっこつけて威張ろうとしているうちに興奮してしまったのか……」。男性は事件の動機をはかりかねている。 PR情報この記事の関連情報社会
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