北海道苫小牧発 1才男児餓死事件

山崎愛美被告(21)の判決が、12月17日、札幌地裁室蘭支部であった。杉浦正樹裁判長は、「2人の飢餓と苦痛は、想像を絶し、卑劣、非情で、残酷な犯行、と言う他ない」として、懲役15年(求刑・懲役20年)を言い渡した。

山崎愛美(21)

札幌地裁室蘭支部-5月28日、27席の傍聴券を求めて、100人近い人が集まった。初公判の法廷に現れた、山崎愛美被告(21才)は、上下黒のジャージに、サンダル姿、顔は蒼白く、何処か緊張しているようにも見えた。約25分に及ぶ、検察官の冒頭陳述が終わると、山崎被告は、起訴事実を認めた。

陳述によれば、事件発覚は、2月20日。苫小牧市内にある、山崎被告の元恋人・Aさん(27才)の自宅物置から、男児の遺体が発見されたのだ。山崎被告の三男・青空ちゃん(享年1)だった。遺体は、死後2ヵ月ほどが経っており、ミイラ化していた。

《三男の死体に、バスタオルを掛け、死体の頭と足から、半透明のゴミ袋を、それぞれ被せた上、そのまま段ボール箱に入れて、ガムテープで封印した。》

(以下《》は、陳述より。)

事件の発端は、昨年10月末。スナックで働いていた山崎被告は、Aさんの自宅で同居を始める。この際、山崎被告は、住んでいた市営アパートに、長男(4才)と、青空ちゃんを、置き去りにしたのだ。(次男は、04年に事故死。)

「Aさんとの交際が始まったことで、子供達の存在が疎ましくなり、殺害を思い立ち、子供達を放置したまま、家を出れば、餓死するだろうと考えたのです。」(地方紙記者)

その1ヵ月後、その市営アパートでは、異臭騒ぎが起きる。アパートの廊下には、蛆虫まで発生した。市役所からは、退去勧告が出る騒ぎになり、昨年12月4日、山崎被告は、いったん自宅に戻る。青空ちゃんは、既に餓死していた。だが、長男は、奇跡的に生きていた。

《被告人方の食料としては、冷蔵庫内に、ケチャップやマヨネーズ、ゼリー数個、ぺットボトル入りの水が、それ以外に、カップ麺数個と、米櫃内の生米がある程度。》

こんな状況で、食べる物がなくなった長男は、流しにあった生ゴミも食べて、飢えを凌ぎ、生き延びたと言う。逮捕後、山崎被告は、「二人とも、死んでいると思った。死んでいて欲しかった」と供述している。山崎被告は、長男を、Aさん宅に連れて帰り、青空ちゃんの遺体は、Aさんの自宅物置に隠した。

Aさんは、当時の様子を、こう語る。

「長男が、ガリガリに痩せていたので、不思議に思いました。青空ちゃんもいなかったし。如何したのかと聞くと、“友達に預けている”、と言う返事。長男に聞くと、俯いたまま返事もしない。しかも、愛美は、生き残った長男を蹴ったり、投げたり虐待を始めました。私が止めても、“躾なのよ!”、と怒鳴り返したんです。」

Aさんは、そんな山崎被告に嫌気が差し、別れを決意したと言う。その後、山崎被告は、長男を児童相談所に預ける。この時、青空ちゃんの不在に、不審を感じた相談所が、苫小牧署に通報、事件は発覚した。

そして、陳述では、更に聞くに堪えない内容が語られた。

《長男は、被告人の実母に対して、「ママ袋被せた」、「口の中に、虫一杯いて動かない」などと述べていた。》

青空ちゃんの口の中には、大量の蛆虫が湧き、絶命していたのだ。更に生き延びた長男だが、これまで、山崎被告から、充分な養育を受けていなかったことから、精神発達遅滞の状態であると言う。更に驚くべきは、現在、山崎被告は、第4子を妊娠中であること。我が子を、ゴミのように捨てながら、尚も新しい命を、身籠ろうとするのは、何故なのか。

山崎被告は、Aさんとの愛の結晶を、求めていたと言う。

「子供を放置している頃ですが、良く、“子供が欲しい”、と言っていました。」(Aさん)

生ゴミまで食べさせ、口に中に蛆虫を湧かせて、我が子を殺した虐待女に、果たして、子供を産む権利など、与えて良いのだろうか、とさえ思うが。現在、長男は、地元の児童相談所に保護され、元気に過ごしていると言う。この長男が、心ある大人達の手に支えられて、健やかに成長することを、願わずにはいられない。

theme : 育児ニュース
genre : 育児