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【ゆうゆうLife】編集長から 年の瀬の人間ドック
数年前の暮れ。しめ縄や数の子など買いそろえて、意気揚々と帰宅すると、郵便受けに人間ドックの結果が入っていた。しかも、速達。あわてて開いたら、肝臓の要精密検査の知らせだった。
ほとんど飲めないのに、どうして肝臓かと心は騒ぎ、過去に取材したあんな病気、こんな病気が頭に渦巻く。
しかし、病院は翌週から休診。その足でパソコンに向かって病気の可能性を調べ、手術する病院まで考える。正月は、いつになく熱心に初詣でをし、年明け早々に大学病院にかかった。1年が思いやられるスタートであった。
とはいえ、暮れに結果が来るのは、誕生月の12月にドックを受けるから。忘れないためだが、最近、賢明な選択でないと思うようになった。年のせいか、「要精密検査」とか「要半年観察」などの言葉が並ぶようになり、必ず年末にバタバタするからだ。
初めて今のドックに入ったのは、30代前半。画像を見た医師は「うーん、念のため精密検査かな」。以来、「ここは疑わしいケースは幅広に精密検査に回しているのでは」との疑念が晴れない。
しかし、“クロ”を決め打ちして「要精検」の出せるスゴ腕のドックなんて、ない。
かつて、ある自治体でがん検診を取材したとき、一番、怖いと思ったのは、検査で異常が見落とされる「偽陰性」の存在。さらに、ドックや検診で「要精検」と出ても、精検を受ける人が少なければ、発見率が下がるのも印象的だった。
以来、「多少疑わしいものも、『要精検』と言ってもらうくらいがいいか」と思うことにし、子供のためと、まじめに精密検査をこなす。しかし、幅広に拾ってもらい、まじめに精密検査をこなせば、毎年のハラハラドキドキは避けられない。今年も結局、年末は目の精密検査で通院。最近、やや消耗気味なのは、ドック疲れ?
(ゆうゆうLife編集長 佐藤好美)